Windows10時代のPC調達術~「ライフサイクル」を意識して賢くPCを使う~4

2017/07/21

PCの「ライフサイクル」を意識したPCの調達について解説する「Windows10時代のPC調達術」。この記事ではPC調達法の後編として、前編で紹介した「購入」ではなく、「借りる」という方法について取り上げます。(構成・文:三好裕紀<Yu-Factory>)

「借りる」が方が得する場合もある

PCは今では価格は下がっており、30万円以下であれば経費として処理が可能です。そこで「PCぐらいなら借りるより買った方がいい」という経営者は、特に中堅・中小企業の経営者に少なくありません。そういった人たちに言いたいのはPCの性能やコストを考えた場合には「借りた方が得をするケースがある」ということです。では、どんなメリットがあるのか解説していきましょう。

「リース」と「レンタル」の違い

PCを借りるメリットを話す前に、借りるにはどんな方法があるのかをまずは紹介しましょう。業務用PCを借りて使うには、大きく分けて「リース」と「レンタル」という2つの方法があります。そして、この2つには違いがあります。

まずは「期間」。PCのリースは法律(法人税法)で2年以上の期間と定められています。レンタルは制限がなく、自由に期間を決められます。途中解約も自由です。

次に「選択肢の幅」です。リースは自由に機種や構成を選ぶことができます。レンタルではレンタル会社が所有するPCの中から選ぶため、ある程度の制限があります。そのため、PCを選ぶという点では、リースに軍配が上がります。

最後に「保守」です。これが一番大きな違いでしょう。リースのPCは故障した場合、一般的に修理はメーカー保証以外は自己負担です。レンタルPCは保守サービス費用がレンタル料に含まれているため、レンタル会社から代替品や出張修理などの対応をしてもらえます。自責の故障でなければ追加の費用もかかりません。

また、会計面で見ると、リースはオンバランス(資産計上され貸借対照表に載る)なのに対し、レンタルは経費として処理できるという違いもあります。最近では「固定資産を減らしたい」「固定費を変動費にしたい」といった企業も少なくありません。そのようなニーズにはレンタルが合っています。

PCを借りるメリットは?

では、PCを借りる利点はどこにあるのでしょうか。

まずは「経年劣化の対策」です。PCやサーバーは、4~5年も経つと業務による劣化などで効率が落ちてくることが少なくありません。このため、PCの減価償却期間は4年とされています。

この問題はレンタルであれば、性能が落ちる前に新しいPCに交換することで避けられます。特に、CGやCAD、動画編集などで使うPCは、常に高い性能が求められます。こうした用途ではレンタルで、常にフレッシュなPCに入れ替えて使っていく方が、高い生産性を維持できるので費用対効果が高いといえるわけです。

次は「PCの整備コストを削減できる」という点です。

PCのライフサイクルでは、導入の最後は「撤去」や「売却」になります。そして、これには撤去作業や情報漏えい対策の「データ消去」のための費用が発生します。しかし、レンタルやリースは、PCを返却すればよいので、こうしたコストが不要です。

レンタルやリースは支払費用だけを見ると「高くつく」と思われがちです。また、「パソコンは、すぐに古くなるのに金利を払ってまで使うのはどうなのか?」と疑問を持ったり、抵抗があったりする経営者もいます。

しかし、生産性や撤去費用の観点から見た場合、借りる方が購入するよりもメリットがある場合が少なくありません。そのため、PCの調達では、ライフサイクルとコストを見据えて「所有」するのか「利用」するのかを考えることが大切なのです。

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