【情シス女子】第31回 「セキュリティを学んで、自分も子供も守ってほしい!」大原理紗さん
ヨシケイ開発 マーケティング部一課 大原理紗さん
今回の情シス女子は、食材宅配サービスを手がけるヨシケイ開発のマーケティング部一課に所属する大原理紗(おおはら・りさ)さんです。入社時はITシステムには明るくなかったという大原さん。今では会社のセキュリティ対策を引っ張る存在になっています。なぜ彼女はセキュリティに興味を持ち、スペシャリストになったのか。その理由を聞きました。(取材・文:ミノシマタカコ 撮影:ヨシナガトモヒコ ヘアメイク:眞田かほり)
<大原理紗さんプロフィール>
ヨシケイ開発 マーケティング部一課所属。新卒で入社したバイクパーツの開発・販売会社での事務・デザイン職を経て、2013年にヨシケイ開発入社。入社後はソフトの管理業務などを通じてセキュリティの知識を身に付ける。現在は社内のセキュリティ対策、PC管理、システム障害対応に携わるほか、セキュリティの社内教育も担当。プライベートでは“非日常を感じられる”という趣味を楽しんでいる。
この記事の目次
担当になったことがきっかけでセキュリティに目覚める
――マーケティング部の所属ですが、担当する業務を教えてください。
私はセキュリティ関連の業務を主にしています。入社時は会社のWebの更新などをしていたのですが、2年目からセキュリティ担当になりました。担当になったばかりの頃は、社内ではセキュリティソフトは家庭用を使っていたので、そのシリアル管理と更新が主な仕事でした。
当時は今のようにガッツリと「セキュリティ!」という感じではなかったんですよ。担当になってしばらくしてから、コーポレート版のセキュリティソフトの導入をするように提案したり、セキュリティに関するルールを作ったりするようになりました。今ではセキュリティの情報を社員に発信することもあります。
ほかには、入社した社員のPCのセッティング、Windows10へOSのアップデートなども行っています。問い合わせやフランチャイズの人たちが使う業務システムの対応なども担当業務です。部署は当初、「システム部」だったのですが、マーケティング部と合併して今の部署名になりました。
――なぜ仕事の中心がセキュリティ業務に?
仕事を通してセキュリティに興味を持つようになったからです。最初にソフトの管理をしていた頃は頼まれた仕事だけをしていました。でも、仕事を通して、いろいろと知っていくうちに「会社のセキュリティをしっかりしなければいけない」と思うようになったんです。だから、コーポレート版のセキュリティソフト導入も提案しました。
また、ウイルスが仕掛けられたメールが来ると、社内からは私に問い合わせが来ます。その対応をしているうちに「どのように対処すればいいかという情報が社内で浸透していないんだ」ということが分かったんです。さらに「ランサムウェアって知っている?」と聞いても、社員のほとんどが「何それ??」という状態でした。
そこから、社員教育も必要だと気付いて始めたんです。社員教育には会社でセキュリティを学んで、普段の生活でもインターネットやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で、自分自身やお子さんを守ってほしいという思いもあります。ただ、今は不定期でしか開催できていないんです。今後は定期的に開催できるようになればいいなと思っています。
出張での遅刻から「柔軟に対応すること」を学ぶ
――ITシステムには詳しかったのですか。
それが、まったく知りませんでした(笑)。最初は「VPN(仮想私設網)って何?」というレベル。そうした知識は仕事の中で覚えてきました。当時の上司だったシステム部の部長からも「こんなことまで頼んで、ゴメン」と言われていました(笑)。
それでも、やれば覚えることができたので、今考えるといい経験になったと思います。当時は部署の人に聞きつつ、新しい言葉を聞いたら、すぐに調べていました。上司からは「分からないことがあったら、すぐ調べるね」とほめられていたんです(笑)。
――今の仕事のやりがいは?
社員の人たちから、分からないことがあると連絡が来ます。調べないと分からないこともあるけど、即答できた時はうれしいし、自分の成長を感じることができます。
――逆に失敗したと思うことは。
初めての遠方出張で遅刻したことです。その日は岩手県でフランチャイズのシステム導入をする予定でした。ただ、当日は大雪が降っていたんです。駅では「今到着する電車の後は遅れています」という放送が流れていました。しかし、私は「予定の電車に乗らなければいけない」ということだけしか考えていなかったので、まったく気が付きませんでした。乗る予定の新幹線を時間まで待っていたんです。
でも、しばらく待っていても電車も来ないし、同行者も来ない。「おかしいな……」と思って同行者に電話をすると、「もう目的地に向かった」と言われたんです。実は乗る予定だった新幹線は遅れていて、同伴者は乗車予定の新幹線よりも早い時間の時刻表通りに出発する電車に乗っていたんです。その時は本当に焦りました。このことから「状況に応じて、柔軟に対応しなくてはいけない」ということを学びました。
――その教訓が今の業務で生かされていますか?
例えば、PCのセッティングですね。新入社員にPCを用意する時は、総務から入社日を教えてもらって計画的に準備をしているのですが、同じくらいの時期に派遣社員の人が入って来ることがあるんです。
ただ、派遣社員の人は新入社員と違って、急に決まることが多いので、PCがすぐに必要になります。そこで新入社員用にセッティングしていたPCを派遣社員の人に回して対応しています。こんな感じで柔軟に対応できるようになりました(笑)。
失敗から「柔軟な対応」に加え「仕事の優先順位」と「事前連絡の大切さ」を学んだという大原さん
ほかにも「今、まずやらなければいけないことは何か」という優先順位を決められるようになりましたし、出張の時は連絡が遅くなって遅刻したので「事前に連絡を取る」ということも学びました。今も常に心がけています。
“いつもと違う自分になれる”というコスプレでリフレッシュ!
――趣味はアニメだそうですね。
渡辺航さんの『弱虫ペダル』は、見て好きになりました。その影響でロードバイクにも乗るようになったんです。それからコスプレもします。アニメを見ることも好きなんですが、今は好きなアニメやゲームのキャラクターのコスプレをすることが趣味の中心になっています(笑)。コスプレがきっかけで、一眼レフで撮影もするようになったんですよ。
――どんなキャラクターのコスプレをするんですか?
アニメだと『境界の彼方』(注1)ですね。メインキャラクターの4人は制覇しました(笑)。『東方Project』(注2)というゲームのキャラクターのコスプレをすることもあります。かわいい女の子が出ている作品が好きなんです。
大原さんがコスプレしたキャラクター。左から『境界の彼方』の栗山未来、『東方Project』の鈴仙・優曇華院・イナバ、『AngelBeats!』の岩沢
私にとってコスプレは「非日常」。いつもの自分ではない違う自分になれるんです。それが自分自身のリフレッシュになっています。また、イベントで知り合った人とSNSで交流することで、気分転換にもなります。だから、これからもコスプレは続けていきたいですね。
セキュリティの専門部署ができたらいいな
――仕事での目標はありますか。
特に大きな目標はないんですよ(笑)。できることを積み重ねていきたいと思っています。ITは日々新しいことが出てくるので、自分の会社に取り込めるものはどんどん取り込みながら、自分もちょっとずつステップアップしていけたらいいかなと。
それから、セキュリティ専門の部署ができたらいいなと思っています。あくまで「いいな」というレベルですが(笑)。今は社内でしかセキュリティの教育ができていませんが、全国のフランチャイズの方々にもセキュリティの意識を高める取り組みができたらとも思っています。
最後に仕事でのモットーを書いてもらいました!
注1:鳥居なごむ氏のライトノベルが原作のアニメーション
注2:同人サークルが展開するシューティングゲームを中心とした音楽や書籍など作品群
<インタビューを終えて>
小さい頃からアニメが好きだったという大原さん。アニメに関連してコスプレ、バイク、カメラと趣味を広げてきたといいます。実は長身の大原さん。コスプレ姿を直に見ることはできませんでしたが、写真撮影時の立ち姿から「男装は特にきれいなのでは?」と思いました。これからも社内のセキュリティ専門家としての経験を積んで、ぜひ自らの手で専門部署を立ち上げてください!
ヨシケイ開発
http://yoshikei-dvlp.co.jp/
■事業内容:夕食材料宅配サービス・メニュー開発
■本社:静岡県静岡市駿河区国吉田1-8-30
■設立:1978年1月
■従業員数:96名
■売上高:800億円(グループ合計)
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