情シスのための新常識ボディメイク術 第6回「腰痛は脳の錯覚!?体幹を鍛えて腰痛に勝つ!」
一度固定されたヘルニアのイメージに合わせて体が反応をもたらすことが・・・
最近、腰痛の90%は器質的には原因不明であると言われています。
では何が原因かと言うと、原因は脳にあるという研究が進んでいて、腰痛は脳の錯覚であるという説があるのです。
あなたが腰痛になって病院を受診したとしましょう。
腰痛で病院に行くと、まず「レントゲンを取りましょう。」とすめられる事が大抵です。
重症な場合は、さらに詳しく診るためにCTや MRIの検査をすることもあるでしょう。
多くのお医者さんはこう言うことが多いです。
「画像では特に問題はありません。強いて言うと、椎間板が少し潰れかけています。ちょっとそのせいで隙間が狭くなっています。これが進行するとヘルニアになってしまいます。」
このときあなたの頭に中に残るフレーズは、”椎間板が潰れている” “狭くなっている” “ヘルニア” です。
この言葉は何度も何度も頭の中でリフレインされます。
あなたは人に会うたびにこうつぶやくでしょう。
「私、椎間板が潰れてて」「ヘルニアになっちゃって」「だから痛みが治らないの。」
そしてあなたの体はそれに合わせた反応をもたらすことになります。
MRIなどの画像検査の発達は多大な恩恵をもたらしました。体にメスを入れることなく内部を見ることができる素晴らしい技術進歩です。
しかしながら、画像と実際の症状が一致しないことも多いのです。
画像上ヘルニアがあったり、脊髄の通る脊柱管が狭くなっていても、それがすぐに症状を出すとは限りません。
大概の場合、画像を見せられると、それらの情報が頭にインプットされ、それはイメージとして脳に固定されます。
あなたの頭の中には、潰れた椎間板の映像や、少し飛び出した椎間板の映像が残ります。
この一度固定されたイメージはなかなか消えることは難しいです。
そしてあなたの体はそれに合わせた反応をもたらすことになります。
「痛い」
あなたは、日常でこの言葉をついつい口に出してはいないでしょうか。
椅子から立ち上がるとき、体制を変える時、ついつい「痛っ」などとつぶやいてはいないでしょうか。
私が、長年多くの患者さんを見てきて思うのは、口癖のように「痛い」と言う言葉を発する患者さんほど、痛みが取れづらいということが言えます。
脳は痛いと言う言葉を何度も認識します。そしてあなたの体はそれに合わせた反応をもたらすことになります。
一度でもぎっくり腰をした経験のある人ならもう二度とその強烈な痛みを経験したくないと思うでしょう。
動けない、立ち上がれない、寝返りが打てない、仕事に行けない、楽しみにしていたデートに行けない。
あなたの立てた予定を台無しにしてしまうのが、ぎっくり腰です。その辛い経験をしたくないとあなたの脳は記憶します。
痛みに対する過剰な不安、またあの痛みが来るのでは、という恐怖が脳の一部の機能を低下させ、慢性腰痛につながります。
これが冒頭に上げた脳の錯覚なのです。
あなたはあなた自身で腰痛を作り出している
そんな身も蓋もないことを言わないでくれ、厳し過ぎる、と思うかもしれませんが、この事実を認識することが腰痛を遠ざける鍵なのです。
腰痛に対するネガティブな思考をポジティブに変える。そのために、あなたに必要なのは自信です。
たとえ腰痛が起きても大丈夫だと言う自信。
そもそも腰痛は滅多に起きないと言う自信。
自信をつけるには日頃のトレーニングが有効です。
「私はいつもこのトレーニングをしているから大丈夫だ。」
その思い込みが自信なのです。
前回は、腹筋を鍛えることと背筋のストレッチの重要性を説きましたが、今回はもう少し体の内側にある筋肉についてです。
俗にインナーマッスル、コア、体幹などと言われているものです。この体の内側にある筋肉を鍛えることによって、あなたの腰はしっかりと守られることになります。
ではトレーニングをやってみましょう。
①両足をしっかりと地面につけ、足の裏全体で地面を押し付けて立ちます。
②腹筋に力を入れお腹をへっ込めます。
③おしりにも力を入れお尻をギュっと締めます。
④体を真っ直ぐにしたまま、腰が折れないよう注意しながら体を斜め前方に倒します。
⑤足の裏が地面から浮かない、腰が折れないで体をキープできる限界で止めます。
⑥この姿勢を15秒続けます。
慣れてきたら秒数を増やしたりセット数を多くしてやってみましょう。
このトレーニングを続けることによって、あなたには、
腰痛は滅多に起きない。
たとえ腰痛が起きても軽く済む。
と言う自信が生まれ、あなたの腰痛に対する脳の不安や恐怖は軽減することでしょう。
日々トレーニングを続けるということ、いつしかそれは腰を支えるだけでなく、あなたの日常や仕事、人間関係に対する自信となって人生を支えてくれることになるでしょう。