【Japan Drone 2016レポート】「目的に合わせて最適な機体を提案します」静岡理工科大学

2016/04/05

2016年3月24日(木)~26日(土)に、幕張メッセで開催された『Japan Drone 2016』の、最新のドローンやソリューションをレポートします!

ふじのくにSKYイノベーションのブース

特定非営利活動法人ふじのくにSKYイノベーションのブースには、普通の飛行機の羽だけにプロペラが付いているという少し見慣れない形のドローンが展示してありました。説明パネルには垂直離着陸無人飛行機システムと書いてあります。

ふじのくにSKYイノベーションのメンバーである、静岡理工科大学 理工学部 機械工学科 特任講師の田村博さんに、お話を伺いました。

 

この記事の目次

地元の「やらまいか精神」を工学に活かす

静岡理工科大学 理工学部 機械工学科 特任講師の田村博さん

静岡理工科大学 理工学部 機械工学科 特任講師の田村博さん

「本学の位置する静岡県袋井市は日本を代表するメーカーであるホンダ、ヤマハ、スズキなどの創業地の浜松に近くにあります。これらのメーカーの創業者にも共通する、「やらまいか」(遠州地域の方言で「一緒にやってみよう」)という精神で、技術者の育成をもって地元に貢献しようという理念で大学が運営されています。ふじのくにSKYイノベーションへの参加もその精神に基づくものです。無人航空機を活用した新たな産業の振興による地域の活性化と雇用創出を目的に活動をしている、ふじのくにSKYイノベーション自体も全く同じ考え方で運営されており、地元で航空機関係に参入を目指す中小企業を中心とした30社が会員として名を連ねています。」

 

ドローンには目的に即した形がある

「ドローンというと、マルチコプターを想像しがちですが、マルチコプターも万能というわけではありません。長時間滞空するとか、重い荷物を運ぶとか、それぞれの用途に合わせて最適な形状というのがあります。そこで、私たちは一緒に研究できるさまざまなパートナーを探しています。ドローンを研究するとわかるのですが、航空工学のみならず、制御工学など多方面の知識が必要で、いろいろな企業などと連携することでこれらを補完できると考えています。」

地元の産業振興に役に立つドローンを作りたい

静岡理工科大学のドローン

「今は空撮に使われることがほとんどのドローンですが、私たちはもっと地元に役に立つ貢献できるドローンを開発したいと考えています。例えば、防災です。静岡県は海に面し、発生が想定されている東南海地震では大きな津波の被害を受けると考えられています。少しでも被害を減らすために津波を観測するドローンがあれば、早期警戒に役立てることができるでしょう。平時の運用も考えれば、ゆっくりでも長時間飛ぶことができるドローンが最適なわけです。」

「また、静岡は遠洋漁業が盛んな地域でもあります。遠洋漁業には魚の群れを探すためのヘリコプターが搭載されており、年間6000万円ほどの経費がかかっているそうです。これを自動操縦のドローンに置き換えることで、コストが削減できるので、その分、安く魚を売ることも可能になると思います。このような目的の場合は、長距離を飛ぶことができるということが重要になるでしょう。このほかにも静岡で盛んなお茶栽培の育成管理にドローンを使うということも考えられます。このように、いろいろな場でドローンが活躍できる場所はたくさんあると考えています。そして、それぞれの用途にあわせた形状にする。これが『役立つドローン』につながると考えています。」


特定非営利活動法人ふじのくにSKYイノベーション ※法人解散
http://fujinokuni.or.jp/

静岡理工科大学<教員情報> 田村博特任講師
https://www.sist.ac.jp/teacher/1285.html


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