トレンドマイクロ、16年第3四半期セキュリティ報告書 ランサムウェアが前期比4倍増に

2016/11/16

報告書名は「2016年第3四半期セキュリティラウンドアップ:アンダーグラウンドが加速させるランサムウェアの脅威」。報告書によると、2016年第3四半期(7~9月)にはランサムウェア(身代金誘導型ウイルス)の国内検出台数が3万4200台に上り、前期(4~6月)より約4.1倍に増加したことが分かったという。

日本のランサムウェア国内検出台数推移

日本のランサムウェア国内検出台数推移

この検出台数は同社がランサムウェアを観測してから、最大の数値という。また、ランサムウェア感染を狙った不正メールの全世界での検出数も2016年第3四半期は8530万件と前期に比べ約4.5倍に増えた。

全世界でのランサムウェア感染を狙った不正メール検出数

全世界でのランサムウェア感染を狙った不正メール検出数

アンダーグラウンド市場では、不正メールの送信サービスが売買されており、利用すれば容易に大規模な攻撃が可能となる。そのため、攻撃者がランサムウェアの配布にサービスを利用しているとトレンドマイクロでは見ている。

オンラインバンクを狙った詐欺ツールも前期比で4倍に増加

報告書によると、オンラインバンク詐欺ツールの国内検出台数も急増。3万9900台と前期比で約4倍となった。これは過去最大の検出台数だった2014年4~6月の2万4900台を大きく上回る数値だという。

日本のオンラインバンク詐欺ツール検出台数

日本のオンラインバンク詐欺ツール検出台数

トレンドマイクロでは、2016年第3四半期には「BEBLOH(ベブロー)別名:URLZONE」と「URSNIF(アースニフ)、別名:GOZI」と呼ばれる2種類のオンラインバンク詐欺ツールの大量流通を確認。国内の検出台数のうちで、この2種類が約93%を占めていると報告している。

「BEBLOH」と「URSNIF」を感染させようとする不正メールの件名は、「ファイル送付の連絡」や「特許関連資料」など、添付ファイルをクリックしてしまうようなユーザーの心理を巧みにつく形で送られてくるという。トレンドマイクロでは被害にあわないためにも不正メール対策機能を搭載したセキュリティソフトの導入を推奨している。

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