【Japan Drone 2016レポート】「日々の保守点検に使えるドローンを目指して」NTT東日本
- 2016/4/4
- レポート
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2016年3月24日(木)~26日(土)に、幕張メッセで開催された『Japan Drone 2016』の、最新のドローンやソリューションをジョーシス編集部がレポートします!
東日本電信電話株式会社(NTT東日本)さんのブースで目立ったのは2機のドローンと、ジオラマでした。ほかとは異なり『何かを販売する』というのではなく、東日本大震災をきっかけとしたNTT東日本のドローンへの取り組みを紹介するブースは、実は業務にどのようにドローンを取り入れていけばよいのかという非常に示唆に富む展示内容でした。
ネットワーク事業推進本部 高度化推進部 担当課長の芹田尚さんに詳しいお話を伺いました。
この記事の目次
- バックナンバー
- 『Japan Drone 2016』最新のドローンが幕張メッセに大集結しました!
- 【Japan Drone 2016レポート】「安全なドローン運用のための地図作りを」株式会社ゼンリン
- 【Japan Drone 2016レポート】「ドローンの世界でも安全・安心・快適・便利を追い求めます」セコム株式会社
- 【Japan Drone 2016レポート】「スクールを通して安全なドローン利用のために貢献したい」五光物流株式会社
- 【Japan Drone 2016レポート】「来る自動飛行時代に欠かせない航路シミュレーションを」株式会社フォーラムエイト
- 【Japan Drone 2016レポート】「長時間の飛行ならお任せください!」田中電気株式会社
- 【Japan Drone 2016レポート】「ドローンに載せる物ならなんでもお任せください」株式会社ジェピコ
- 【Japan Drone 2016レポート】「日々の保守点検に使えるドローンを目指して」NTT東日本
- 【Japan Drone 2016レポート】「ラジコンで培った技術とノウハウをドローンに活かします」双葉電子工業株式会社
- 【Japan Drone 2016レポート】「目的に合わせて最適な機体を提案します」静岡理工科大学
- 【Japan Drone 2016レポート】「ドローン活用のためのさまざまなソリューションを」株式会社構造計画研究所
- 【Japan Drone 2016レポート】「BtoBドローンマーケットへ本格的に参入していきます」DJI JAPAN株式会社
- 【Japan Drone 2016レポート】春原久徳 セキュアドローン協議会会長インタビュー(前編)「ドローンが日本の農業を変えていく」
- 【Japan Drone 2016レポート】春原久徳 セキュアドローン協議会会長インタビュー(後編)「ドローン開発を活発にする環境づくりを」
電話線は命をつなぐ線。一日も早い復旧のために
「東日本大震災では、津波により当社の設備も甚大な被害を受けました。電話線や光ファイバーの線といった通信線は、さまざまな情報を伝達できる分、切断されてしまうと緊急時の情報を伝達することができなくなってしまうため、一日でも早い復旧が必須です。その一方、河川や池沼をまたいだり、山を超えたりと、復旧が困難な場所を通る通信線も多数あります。実際、東日本大震災の際には、川を渡すのに地元の漁師さんに協力を仰ぎ、船を出していただいたということもありました。」
NTT東日本 ネットワーク事業推進本部 高度化推進部 担当課長 芹田尚さん(左)、ネットワーク事業推進本部 高度化推進部 部門長 上原邦明さん(右)
「そこで、自力で迅速な通信線の復旧を図る体制を作るために、その頃から普及の始まったドローンに注目しました。災害復旧の手段としての研究を進め、2012年からは実際の災害復旧現場でも実践を積み、改良を加えてきました。実際の災害復旧現場への投入も進めています。例えば、あるダム湖に面した道路が地すべりで遮断された際、以前でしたら船を用意して仮設電話線を敷設していましたが、ドローンによって仮設の電話線を設置することで、大幅に復旧の時間を短縮できるようになりました。当初は通信線を引っ張るワイヤーをドローンで敷くというところから始めましたが、最近ではドローンの改良を続けてペイロードを増やし、直接電話線や光ファイバーケーブルを敷設する機体の開発を始めました。これにより復旧時間の短縮をより実現できると考えています。」
日常の保守点検にもドローンを活用
NTT東日本のブースで展示していたドローン
「災害復旧での活用が進むにつれ、『災害復旧だけではもったいない、日々の保守点検にも活用できるのではないか』という考えが浮かぶようになりました。通信線の保守点検は目視で行うため、足場や特殊な機器の準備が必要なことを考えると、ドローンを使ってカメラで目視点検ができれば、点検を効率化することができます。但し、安心・安全のために活用するドローンで事故を起こすのは、避けねばなりません。そこで、操縦者の社内資格や教育制度、社内運用のルールを充実させました。」
「例えば、『操縦は社内規定による有資格者に限る』『運用高度は150mまで』『1回の運用時間は15分以内』『雨天は運用しない』『必ず3名で運用する』といったことです。厳しいと感じられるかもしれませんがまず安全第一。「安全はすべてに優先する」という考えに基づいたものです。去年12月の改正航空法に基づく申請でも、スムーズに許可をいただくことができ、これもこれまでの取り組みの成果と考えています。」
災害時のドローンを使った通信線の復旧イメージをジオラマモデルで展示
「現在、社内では54名の資格保有者がいますが、今後更に育成を推進し、資格保有者を増やしていきます。また、あらゆる現場に対応できるよう機体もより進化させて行きます。今後も様々な取り組みを通じ安心・安全な運行を実現し、当たり前のようにドローンを使う環境づくりを目指していきたいと考えています。」
バックナンバー
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