【1,600名へアンケート調査】日本の法人IT利用におけるクラウド市場規模の実態2

  • 2016/2/2
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2016/02/02

MM総研では、本格的な普及期を迎えている法人向けクラウドサービスについて2013年より日本の法人ITにおけるクラウド市場全体を俯瞰する定点観測調査を実施しています。

201510月の最新調査結果を元に、2回に渡り掲載しています。今回は第2回目 クラウド用途の課題と、導入における検討ポイントについて詳しく解説していきます。

<トピックス>

①クラウドの定義と分類(前回)
②市場規模と予測(前回)
③サービス利用者ランキング、クラウドの用途と課題(今回)
④クラウド導入におけるIT部門の検討ポイント(今回)

国内クラウドサービス需要動向

パブリッククラウドは外資系に利用者集中

アンケート調査では、法人ユーザーに現在利用している、もしくは検討している事業者のサービスを複数回答してもらい、その結果をクラウド種類別にまとめていますが、ここでは、パブリックサービスであるIaaS/PaaSとホステッドプライベートクラウドの上位5社の結果をご紹介します。

パブリッククラウドではAmazon、Microsoft 、Googleの3社で回答率70%を超える支持を集め、この分野では外資勢の存在感が光っています(グラフ「パブリッククラウド(IaaS/PaaS)の上位5サービス」)。また2014年調査と比較すると2位マイクロソフトが大きく支持を伸ばしており、Amazonを猛追している状況です。同社は、IaaSだけでなくOfficeServer製品などのオンプレミスで高いシェアを持つ製品群のクラウド移行やクラウド連携を積極的に推進していることが奏功しています。

 

国内勢では富士通に注目しています。継続的な投資と自社実践によるノウハウの蓄積、活用が期待されます。

 

またホステッド型では、NTTコミュニケーションズといった通信キャリアと、IBM、、富士通、NECといったプラットフォームベンダー大手がランクインしています(グラフ「ホステッド・プライベートクラウドの上位5サービス」)。

利用検討対象社数は3社までに集中

サービス選定のプロセスをもう少し詳しく見てみましょう。実際、利用に入る際に、ユーザーはどの程度の数のサービスを比較検討するのでしょうか? グラフ「比較検討する事業者数(サービス数)」に、パブリックとプライベートクラウドを例に、比較検討する事業者(サービス)数をまとめています。各サービスとも比較対象は3社以内に限られ、また企業規模が小さくなるほど検討数は減少する傾向にあることがわかります。特にIaaS/PaaSでは利用上位のサービスに集中する傾向があります。このことから今後は、クラウドも上位企業に収れんしながら、中堅以下はニッチ領域を模索するなど2極化の傾向が強まるのではないかと考えられます。

パブリッククラウドはWeb、メール、グループウェア等フロント系に集中

クラウドの利用用途もパブリックとプライベートで傾向の違いがあります。パブリッククラウド(グラフ「IaaS/PaaS」)ではWeb、メール、グループウェア等フロント系に集中、またオンプレミス(グラフ「ホステッド・プライベートクラウド」)ではファイル、データベース、さらに基幹業務アプリケーションなどに適用分野が広がっていることがわかります。また、取引先、協業先、ユーザー、業界団体等で共用するコミュニティクラウド(グラフ「コミュニティクラウド」)では、他のクラウドより、メール、バックアップ、SNSといった用途での利用や期待が大きいことが見て取れます。

セキュリティと運用コストが課題 コミュニティクラウドに期待が集まる?

クラウド利用を検討したが導入を見送った回答者に、利用をしなかった理由を尋ねた結果を紹介します(グラフ「クラウドサービスの利用障壁」)。いずれも運用コストや移行コスト、情報漏えいに対する不安が上位を占める結果となりました。

最後に、上記の課題解決に関する示唆となる結果が出ていますので触れておきます。今回の調査では、特にコミュニティクラウドの利用を検討している回答者は、他のクラウドに比べ、運用コストやセキュリティ強化を検討目的とする傾向が高まっています。

 

特に毎年新たな攻撃法や脆弱性が発見されるセキュリティ対策では継続的に新しい対処(投資)が必要になり、リスクは高まる一方です。マイナンバーの保管、運用に頭を痛める企業も多いでしょう。コミュニティクラウドへの期待は、このようなリスクと投資を、業界、取引先(業務委託先など含む)などと効率的に分散していくという点にあるようです。


※ご紹介した調査結果データの他に、コミュニティクラウドに対する期待を含め、具体的なクラウドの利用金額、機能、満足度などクラウドに利用に関するポイントを調査報告書にて詳細に分析しております。ご興味のあるかたは是非、以下URLをご参照ください。

https://www.m2ri.jp/upload/market/29/90027f172ef6f05f9681fd893024bcce.pdf


*1. 調査対象:国内法人ユーザー※

2. 回答件数:予備調査(10,896人)、本調査(1,609人)

※全業種を対象に情報システムやネットワークの管理・運用担当者または、決裁や選定に関与する立場
※本調査はクラウドサービスの利用・検討者を対象

3. 調査方法:Webアンケート

4. 調査期間:2015817日~824

・市場規模概要

中村 成希
株式会社MM総研 執行役員研究部長。
1998年同社入社後、一貫してパーソナルコンピュータ、サーバの市場調査・研究に携わる。近年は、スマホ、タブレットといった新規デバイスの活用方法、クラウドサービス等、サービス化されたプラットフォームとデバイスの連携にまで研究範囲を広げている。

 

所属:株式会社MM総研

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