常に新しい用語が生まれてくる情報システム部門は、全ての用語を正しく理解するのも一苦労。ましてや他人に伝えるとなるとさらに難しくなります。本用語辞典では数々のIT用語を三段階で説明します。
一段目 ITの知識がある人向けの説明
二段目 ITが苦手な経営者に理解してもらえる説明
三段目 小学生にもわかる説明
取り上げる用語を“知らない”と思った人は、小学生にもわかる説明から読んでみると、理解が深まるかもしれません!?
一段目 ITの知識がある人向け 「UPS」の意味
UPSは「Uninterruptible Power Supply」の略で、日本語では「無停電電源装置」と訳されている。不意の停電や電源変動(一時的な電圧降下など)があってもサーバーやPCなどの電子機器に安定して電源を供給する装置で、100Vや200Vの商用電源と電子機器との間に接続する。
商用電源が正常時には、受けた電力を内蔵のバッテリーに充電しつつ、接続されている機器に電源を供給する。停電などで商用電源が異常になったことを検知すると、内蔵のバッテリーから電子機器へ電力を供給する。
UPSはあくまで一時的な電源供給を行う機器で、UPSが稼働している間に別電源(非常用発電装置など)に切り替えるか、正常なシステムのシャットダウンを行うのが正しい使い方である。そのため、一般的には数分から30分程度の稼働時間を想定して設計されている。
二段目 ITが苦手な経営者向け
昔と異なり、最近では電力施設の不具合が原因の停電はめったにありませんでしたが。最近では夏に発生するゲリラ豪雨などによる雷や洪水の影響で停電や一時的な電源の不安定な供給が起きることがあります。
PCやサーバーなどの電子機器は、停電はもちろんですが、落雷時に電力施設が設備の保護のために回路の切り替えなどを行なったことによる瞬間的な電圧の変化にも弱く、誤動作やシステム停止の恐れがあります。その結果、重要なデータが消えてしまうことも起こりかねません。UPSはこのような電源変動対策として有効です。バッテリーを内蔵しているノートPCのようなイメージです。
以前はサーバー用が主でしたが、最近ではオフィスのデスクトップPCでも使いやすいように、テーブルタップに内蔵した形のUPSも販売されています。自動でPCやサーバーをシャットダウンするソフトウェアも添付されており、サーバーのように無人環境で使われていても、安全にシャットダウンすることができるようになっています。
三段目 小学生向け
みなさんが遊ぶゲーム機。携帯ゲーム機はバッテリーで動いていますが、家でテレビにつないで遊ぶWii(ウィー)やPS4のような家庭用ゲーム機は電源ケーブルをコンセントにつないで遊んでいますよね?
もし、遊んでいる間に、誰かがこの電源ケーブルに足を引っかけてコンセントから抜けてしまったり、雷が落ちて停電してしまったりしたらどうなるでしょう? ゲーム機の電源が切れて、そこまで育ててきた大切なRPGのキャラクターや、ハイスコア直前の格闘ゲームの結果が消え去ってしまいます。そうなったら、頑張ってきたのに、とても悲しいですよね。
そんな悲しいことが起こらないようにするのが、停電からゲーム機などを守る「UPS」という機械なのです。
ゲーム機をUPSにつないでおけば、電気が「プチッ」と切れても画面が真っ暗になることはありません。ちゃんと落ち着いてセーブしたり、今のゲームを続けて、キリのいいところで終わらせたりすることができます。ここで大切なのは、ゲーム機だけでなく、テレビもUPSにつないでおくことです。画面が見られなければセーブもできないからです。
でも、その前に、UPSはあまり安いものではないので、お父さん、お母さんに買ってもらうのは難しいかもしれません。だから、ゴロゴロと雷が鳴ったら早めにゲームをセーブしておくようにしましょう。