中途エンジニア採用で失敗しない!コーディングテストの作成と評価ポイント

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エンジニアの採用は、技術力だけでなく、チームとの適合や長期的な成長ポテンシャルなど、多くの要素を考慮する必要があります。しかし、技術力の評価はやはり非常に重要です。そのため、多くの企業ではコーディングテストを採用プロセスに取り入れています。

しかし、コーディングテストを適切に設計しないと、優秀な候補者を見逃したり、逆に適性のない人を採用してしまうリスクがあります。この記事では、中途エンジニア採用で失敗しないために、効果的なコーディングテストの作成方法と、その評価ポイントについて解説します。

1. コーディングテストの目的を明確にする

まず、コーディングテストを実施する際に大切なのは、「何を評価するためのテストなのか」を明確にすることです。企業によって求めるエンジニアのスキルや役割は異なるため、それに応じてコーディングテストの設計も変わるべきです。

1.1. 基本的なコーディングスキルの評価

コードの構文や基本的なアルゴリズム、データ構造の知識があるかを確認するためのテストです。たとえば、簡単なアルゴリズムの問題や、文字列操作、リストやハッシュテーブルの操作を問う問題などが該当します。

1.2. 問題解決力の評価

中途採用の場合、基本的なスキルはある程度持っている前提で問題解決力を重視することが多いです。与えられた課題に対してどのようにアプローチするのか、問題を整理し、解決に導く思考プロセスを確認します。

1.3. 実務的なスキルの評価

現場で使用している技術スタックに関するスキルや、複雑なシステムの中でコーディングできるかどうかを確認するテストも有効です。たとえば、設計能力や、既存のコードに手を入れて改善するようなタスクも評価ポイントに含めるべきです。

2. テストの作成における注意点

コーディングテストは、候補者に実力を発揮してもらう場であり、公平かつ効果的に能力を評価できるよう設計されるべきです。以下のポイントに注意して作成しましょう。

2.1. 実務に即した問題を出す

企業によっては、非常に高度なアルゴリズムやデータ構造に関する問題を出すことがあります。しかし、実際にそのようなスキルを日常的に使う場面がないのであれば、これはあまり意味がありません。実際の業務で使う技術スタックや、日常的な問題解決のアプローチを反映した問題を出題することが重要です。

たとえば、Webエンジニアを採用する場合、データベースアクセスやAPI設計、レスポンスの最適化など、現場で直面する課題に基づいた問題が効果的です。

2.2. 時間の制約を意識する

コーディングテストは適切な時間設定が求められます。長すぎるテストは候補者の負担になりますし、短すぎると実力を十分に発揮できません。通常、1〜2時間程度が理想的です。また、テストはあくまで技術力を評価する手段であり、候補者の生活を圧迫するような無理な時間要求を避けましょう。

2.3. 複数の解法を許容する

コーディングには、必ずしも1つの正解があるわけではありません。同じ問題に対しても、複数のアプローチが考えられます。コードの効率性、読みやすさ、保守性など、複数の観点で評価できるよう、自由度のある問題を設定しましょう。

2.4. 過度なトリッキーな問題は避ける

あまりにもトリッキーな問題や、面倒な問題(例:無意味に複雑な文字列操作)は避けるべきです。問題を解くプロセスよりも、解法自体が複雑なケースでは、真の実力を見誤る可能性があります。実務において再現性がない問題は、テストとして不適切です。

3. 評価ポイント

コーディングテストを実施した後、実際にどのような観点で評価するべきかを考えます。テスト結果からは、候補者のさまざまな能力を見極めることができます。

3.1. 正確性

まず最も基本的な評価ポイントは、コードが正しく動作するかどうかです。バグがないか、意図した出力が得られるかを確認します。ただし、わずかなミス(例えば、タイプミスや小さなロジックの誤り)に対しては、厳しすぎないようにしましょう。全体の理解度や思考過程も考慮する必要があります。

3.2. コードの読みやすさ

次に重要なのは、コードの可読性です。コードは書くよりも、読まれる回数が圧倒的に多いと言われています。候補者が書いたコードが他の人にも理解しやすいかどうか、コメントが適切に入っているか、変数名が意味を持っているかを評価しましょう。読みやすいコードは、チーム開発において非常に重要です。

3.3. 効率性

効率性は、特にパフォーマンスが求められる場面では重要です。候補者が最適なアルゴリズムやデータ構造を選択できているか、無駄な計算やメモリ使用がないかを確認します。ただし、初期段階ではシンプルな実装を優先し、その後の改善を期待することも考慮しましょう。過剰な最適化を求めるのはNGです。

3.4. 問題解決のアプローチ

問題を解く際のアプローチも大切です。候補者がどのように問題に取り組んでいるか、問題を分割し、順序立てて解決しようとしているかを見ることが大事です。この思考プロセスがしっかりしているかどうかは、実務においても非常に重要です。エレガントな解決策ではなくとも、着実に課題に向き合う姿勢を評価することがポイントです。

3.5. 柔軟性

解法に対する柔軟性も見逃せません。突発的な問題が起きた際に、臨機応変に対応できる能力は実務でも必須です。特に、コードレビューや追加の質問に対する対応力から、その柔軟性を測ることができます。

4. コーディングテスト以外の要素も考慮する

コーディングテストは候補者の技術力を測るための有効な手段ですが、それだけでは全体像を把握することはできません。チームでの協調性やコミュニケーション能力、ソフトスキルなども含め、総合的に評価することが重要です。

4.1. コードレビューの場を設ける

コーディングテストの結果だけではなく、コードレビューの場を設けて候補者が他人のフィードバックにどのように応じるかを確認するのも良い方法です。ここで候補者の柔軟性や、他人の意見を受け入れる姿勢をチェックできます。

4.2. 技術以外のスキルも評価する

エンジニアに求められるのは、単にコードを書くスキルだけではありません。チームでの働き方、コミュニケーション力、自己管理能力なども重要な要素です。面接やコーディングテストの結果を組み合わせて、バランスの良い評価を行いましょう。

まとめ

中途エンジニア採用におけるコーディングテストは、候補者の技術力を測る上で非常に重要なツールです。しかし、テストをただ形式的に行うだけでは、真に適切な候補者を見極めることはできません。実務に即した問題を出題し、適切な評価基準を設けることで、優秀なエンジニアを見つけることができるでしょう。また、コーディングスキルだけでなく、問題解決力やコミュニケーション能力など、他の要素も含めた総合的な評価が大切です。

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