松田軽太の「一人情シスのすゝめ」#7:Excelでヤラない4つの使い方

松田軽太の「ひとり情シスのすゝめ」、タイトルだけ見るとひとり情シスを推奨しているように思われるかも知れませんが、思いはまったくの”逆”。様々な事情によりやむなく”ひとり情シス/ゼロ情シス”という状況になってしまっても頑張っていらっしゃる皆様のお役に立つような記事をお届けしたいと思っております。

皆さんは当然業務でExcelはお使いになっていますよね? Excelはセルの中に数字でも文字でも何でも入力できるので非常に便利な道具です。
しかし便利な反面、なるべくなら使わない方が良い”使い方”があるのです。
今日はこの「使わないほうが良い4つの使い方」をご紹介いたします。

タイトルに「ヤラない方がいい」とは書きましたが、Excelにもともとある機能なので、使うことで何かエラーが発生するわけではありません。しかしながら、長く使うExcelであればこそ、使わない方がいい機能があるのです。

今回は「ヤラない方が良い理由」も併せてご紹介します。

①同じ内容の時「〃」や「前回単価と同じ」のような入力をしない

例えば「単価」という項目であれば全てのセルの中の値は数字だけにします。
ときどき見かけるのですが「単価」という項目に「〃」や「前回単価と同じ」といった実際の単価ではなく、メモ書きっぽく入力をされる方がいます。
おそらく昔のワープロ感覚でこのような入力をしているのかもしれません。

しかし、これでは「単価」という数値ではないので個数と掛け算して金額を計算することが出来ません。
上のセルと同じという意味で「〃」を使った場合、もしExcelのシートを並べ替えしたら、上のセルの単価が別のセルになってしまう可能性があります。

このようなシートで並べ替えを実行したら、単価がグチャグチャになるので絶対にやってはダメなのです!

そして「前回単価と同じ」に至っては「前回っていつの話だよ!」とツッコミしないワケにはいきません。w
もちろん「前回単価と同じ」×「200個」では見積金額なんかできるワケがないですよね。

②見せたくない列は「セルの非表示」でなく「グループ化」で行う

項目が多くなると見にくくなってしまいますが、計算上、必要な項目があります。
その場合、「セルの非表示」で隠してしまうことはありませんか? 実はそれだとどこに何が隠れているのか一見して分からなくなってしまいます。 そのデータを使う人が作成者本人でないとしたら、ほぼ気が付かれません。

実際にあったエピソードとして、こんな話があります。

ある営業担当者が風邪でお休みとなってしまいましたが、その日はお得意先への取引実績データ提出日でもありました。
そして当然ながら得意先からは「約束どおり今日中に取引実績データを送って欲しい」と催促の連絡がありました。
慌てて風邪で休んでいる営業担当者に電話で確認し、取引実績データを保存してあるフォルダ場所を聞き、Excelで作られた取引実績データををお得意先に送りました。

作業代行した人は、送付前にExcelでデータを開いて中身を確認していたのですが、実は、その取引実績データは作成途中で、仕入値をセルの非表示で隠しただけでした。
この一軒により仕入値が得意先に知れてしまい、大騒動になりました。

こうなるともう「Excelテロ」と言ってもよいかもしれません。

なので他の人が気がつきにくい「セルの非表示」で隠すのではなく、セルを隠す場合は「グループ化」で行うことにしましょう。

グループ化はリボンの「データ」タブにあります。 

③データの途中で余計な空白を入れない

Excelは連続したデータの繋がりで自動的に集計範囲を判断します。
そのため「見やすさ」を優先して、データの途中に空白を入れてしまうと便利なExcelの機能が正しく動かなくなります。

見た目優先で余計な空白を入れるのは遠慮しておきましょう。

④ひとつのセルに異なるデータを入力してしてはいけない

Excelの機能を活用するには、列(縦)の中に異なるデータを混ぜないようにしましょう。

例えば見出しが「品目」というセルの中に「AA-1004(XY-9999)」のようにひとつのセルに2つの情報を入力してしまうとオートフィルタなどの機能が正しく動作しなくなります。

ということで、今回はできれば”ヤラない方がいい”Excelの使い方を4つほどご紹介しました。
なのですが、実はこれ以外にもまだまだあります。その他はまた別の機会にご紹介したいと思います。

※本記事は松田軽太様許諾の元、「松田軽太のブロぐる」の記事をベースに再編集しております。


松田軽太(まつだ・けいた)

とある企業に勤務する現役情シス。会社の中では「何をしているのかナゾな職場」でもある情シス業務についてのTipsや基礎知識などを紹介する。

ブログ『松田軽太のブロぐる』を運営。

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