基本情報技術者試験:コンピュータの構成

私たちが日常的に使っているパソコンやスマートフォン。その内部では、膨大な情報が瞬時に処理され、私たちが快適に操作できるようになっています。では、コンピュータは一体どのような仕組みで動いているのでしょうか。今回は、コンピュータの基本的な構成について、各装置の役割や特徴を分かりやすく解説します。コンピュータの内部を知ることで、今よりも少しだけ身近に感じられるかもしれません。

コンピュータの構成

コンピュータは大きく分けて以下の5つの装置から構成されています。

  • 制御装置(CPU)
  • 演算装置(CPU)
  • 記憶装置
  • 入力装置
  • 出力装置

このうち「制御装置」と「演算装置」を合わせて「中央処理装置(CPU: Central Processing Unit)」といい、コンピュータの頭脳の役目を果たしています。それぞれの装置の役割は以下の通りです。

制御装置

記憶装置からプログラムの命令を取り出して解読し、各装置に指示を与える

演算装置

四則演算(加減乗除)や論理演算などを行う

記憶装置

データやプログラムを記憶する

入力装置

コンピュータの外部からプログラムやデータを読み込む

出力装置

コンピュータの内部で処理されたデータを外部へ書き出す

CPU

CPUは前述した通りコンピュータの頭脳にあたり、「プロセッサ」とも呼ばれています。その性能は主に「クロック周波数」と「バス幅」で表されます。

クロック周波数

コンピュータ内部では、一定の間隔で電圧が人間の脈拍のように、規則的に「高」「低」を繰り返す信号が生成されています。この信号が、コンピュータの動作の基準となる「クロック信号(クロックパルス)」です。クロック信号の高低のサイクルが1秒間に繰り返される回数をクロック周波数といい、単位として「Hz(ヘルツ)」が使われます。
例:クロック周波数 2GHz → 2 × 10^9 回/秒 で信号を生成している。

一般的に、同一種類のCPUであれば、クロック周波数が高いほど処理能力は高くなりますが、主記憶やハードディスクなどの性能も関係してくるため、単純にCPUのクロック数が2倍になれば、システム全体の性能も2倍になるわけではありません。

バス

CPUや主記憶、キャッシュメモリなどで、お互いがデータの送受信をするための伝送路を「バス」といいます。人でいう血管のようなものです。一般的に、バス幅が広く、クロック周波数が大きいほど、高速にデータを送受信することができます。

メモリ

主記憶装置(RAM)

主記憶装置(RAM: Random Access Memory)は、読み書きできるメモリです。電源を切ると記憶していた内容が消えてしまう特性(揮発性)があります。

またRAMには以下のようなものがあります

DRAM(Dynamic RAM)

DRAMは、コンデンサに電荷を備えた状態か否かによって1ビットを表現しています。構造が簡単で高集積化に適しているため、大容量で安価ですが、コンデンサは放置しておくと自然放電してしまう特性があり、一定時間ごとに記憶内容を維持するリフレッシュ動作(再書き込み)が必要になります。主記憶に用いられます。

SRAM(Static RAM)

SRAMは、フリップフロップ回路* で構成され高速ですが、構造が複雑で集積度を高めにくいため、小容量で高価です。電源が供給されている限り、記憶内容を保持し続けるため、リフレッシュ動作が不要になります。キャッシュメモリなどに用いられます。

*フリップフロップ回路:二つの安定した状態をもち、1ビットの情報を記録する回路
            簡単にいうと、電気のスイッチみたいなもので、「オン」と「オフ」の状態を記憶できる装置です。

キャッシュメモリ

キャッシュメモリは、主記憶よりも高速で、CPUと主記憶の間に配置するメモリです。
その役割は簡単にいうと、コンピュータがすぐに必要になるデータを「近くに置いておく場所」です。
主記憶のアクセス速度は、CPUの処理速度に比べて低速なため、CPUに待ち時間が発生してしまいます。そこで、高速なキャッシュメモリをこれらの間に配置して、主記憶から読み出したデータをキャッシュメモリに保持し、CPUが後で同じデータを読み出す時は、高速なキャッシュメモリから読み出すことで、実行アクセス時間の短縮を図っています。

補助記憶装置

補助記憶装置は、コンピュータの中で、長い間データを保存しておくためのもので、主記憶に比べてアクセス速度は遅いですが、大容量、安価で、電源が切れても記憶内容が消えない不揮発性という特徴があります。

主な補助記憶装置の種類

HDD(ハードディスクドライブ)
HDD(ハードディスクドライブ)は、昔から使われている大容量のデータ保存装置です。データを保存するために、内部でディスクが高速で回転しながら動作します。HDDは大容量で価格が安いというメリットがありますが、その代わりデータの読み書き速度がやや遅く、可動部品があるため衝撃に弱いのが特徴です。最近では、バックアップや大容量データの保存に使われることが多いです。「磁気ディスク装置」とも呼ばれます。

SSD(ソリッドステートドライブ)
SSD(ソリッドステートドライブ)は、フラッシュメモリ* を用いた、HDDに代わる新しいタイプの保存装置です。ディスクを回転させる必要がなく、電気的にデータを読み書きするため、速度が非常に速くなっています。加えて、可動部品がないので衝撃にも強く、スマートフォンやノートパソコンなどの携帯デバイスにもよく使われています。容量あたりの価格はHDDより高いですが、その高速なパフォーマンスと耐久性から、多くのパソコンで主流になりつつあります。

*フラッシュメモリ:電気的に全部または一部分を消去して書き直せる半導体メモリ

入出力装置

入力装置

入力装置は、コンピュータにプログラムやデータの他、音声や画像などを入力したり、コンピュータに指示を与えたりする装置です。キーボードやマウス、タブレットなどが入力装置に分類されます。

出力装置

出力装置は、コンピュータ内部で処理したデータを外部に出力する装置です。ディスプレイやプリンタなどが出力装置に分類されます。

入出力インターフェース

PC本体には、入出力装置や補助記憶装置などの様々な周辺機器を接続します。「入出力インターフェース」は、PC本体と周辺機器を接続するための規格の総称です。コネクタやケーブルの形状、データ転送の規格などを指します。

まとめ

コンピュータは、様々な装置が連携して働くことで、その膨大な処理能力を発揮しています。CPUが制御と演算を担当し、メモリや補助記憶装置がデータの保存やアクセスをサポートする。そして、入力装置と出力装置が私たちの指示を受け取り、その結果を返すことで、私たちが快適にパソコンやスマートフォンを使えるようにしているのです。
それぞれの部品や仕組みが進化することで、コンピュータ全体の性能も飛躍的に向上しています。今後も新しい技術やデバイスが登場し、私たちの生活がより便利になっていくことでしょう。技術の進歩を楽しみにしながら、コンピュータの仕組みを理解しておくことは、これからの時代にとって非常に重要です。

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