海外人材に勝つための日本のエンジニアがこれから磨くべきスキルとは?

グローバルなエンジニア人材確保の競争が激化しているIT業界では、日本のエンジニアも海外の優秀な人材と競り合う場面が増えています。日本国内ではIT人材の人材不足が年々顕著になっており、次々と海外人材を雇用する企業が増えています。

海外のエンジニア人材は技術力が高く、実装能力だけで勝負すると日本人が勝てないケースも出てきているのが現実です。そんな中、技術力だけではなく、他のスキルがエンジニアにも重要になります。
日本の開発現場においても、どのようなスキルを磨くことで、海外のエンジニアと対等以上に戦えるようになるでしょう。ここでは、これからの日本のエンジニアに求められる3つのスキルに絞って解説します。

1. 設計力:システム全体を見渡す視点を持つ

技術的なコーディングスキルはもちろん重要ですが、それ以上にシステム全体のアーキテクチャや構造・各機能の詳細を検討する「設計力」が求められます。設計力は、ただコードを書くことではなく、ユーザーのニーズに基づいて、システム全体の仕組みを効果的にデザインする力です。特に海外では、システム設計の段階からエンジニアが参画し、ビジネス目標を理解した上で技術的な選択肢や機能の実現案を提示することが一般的です。

日本のエンジニアは、要件を受け取ってから機能開発に取り掛かることが多いため、システムの全体像を考えた設計に弱いという課題が指摘されることがあります。このため、エンジニアは、システムがどのように成長し、将来の要件変更や拡張に対応できるかを見据えた設計を行う力を磨くことが必要です。まずは個別の機能設計から取り組み全体的に見れるような力を養っていく形になると思います。

設計力を高める方法

ユーザー視点での設計: ユーザーのニーズをしっかりと把握し、それに基づいたシステム設計・機能設計を行うことで、使いやすさと効率を両立したシステムを構築する。
アーキテクチャの基本を学ぶ: クリーンアーキテクチャやマイクロサービスの概念を理解し、モジュール化された設計を行うスキルを習得する。
ドメイン知識を深める: 開発する業界やビジネスの特性を理解し、それに応じた設計を行う力を持つ。特にクライアントが何を大事にしているか、どこの機能に力を入れているかは機能を実現する上で重要なポイントになる。

2. リーダー力:チームをまとめ上げる力

リーダーシップは、技術的な能力だけでなく、チーム全体を引っ張る力が求められます。海外では、エンジニアがプロジェクトマネージャーとしての役割を果たすことも多く、タスクの割り振りやメンバーのモチベーション管理が重要な要素となっています。日本のエンジニアは、技術に集中するあまり、リーダーシップを発揮する機会が少なかったり、コミュニケーション力を後回しにしがちになっています。。

プロジェクトを成功に導くためには、技術的な指導だけでなく、メンバー一人ひとりの意見を尊重し、適切な意思決定を行う力が求められます。リーダーとしての責任感とコミュニケーションスキルを磨くことが、日本のエンジニアにとって今後ますます重要になります。特に海外人材は言葉の壁により行うことが出来ない領域なので、日本のエンジニアにしか出来ない領域も多いと思います。

リーダー力を高める方法

チームビルディング: チームのメンバーそれぞれの強みを理解し、適切な役割分担を行いながら、プロジェクトを効率的に進める。まずは1~2名のタスク管理から始めてみて、管理に慣れていく。
コミュニケーションスキルの向上: メンバーとの信頼関係を築き、オープンな意見交換ができる環境を作ることで、チーム全体のパフォーマンスを引き上げる。チームメンバーとの対話を意識し、積極的な意見交換をすることから始めてみる。
意思決定力を養う: 迅速かつ適切な判断を下し、プロジェクトの進行において重要な場面でのリーダーシップを発揮する。機能を決める上で意見交換の場で積極的な発言をすると意思決定に携わる機会が増える。

3. クライアント対応力:顧客のニーズを理解し、柔軟に対応する力

日本のエンジニアは技術に強いものの、クライアント対応に苦手意識を持つことが多いと言われます。しかし、今後は顧客とのコミュニケーション能力も非常に重要です。特に海外人材には日本のクライアントと話すには大きな壁があるので、日本人エンジニアに有利になります。クライアントと対話し、ニーズを正確に理解し、それをシステムに反映することで、信頼を築く力が求められます。

クライアント対応力とは、単に顧客からの要求に応えるだけでなく、顧客が抱える課題を技術的な視点から解決する提案を行うことです。顧客が何を求めているかを深く理解し、プロアクティブな対応ができるエンジニアは、クライアントからの信頼を得やすくなります。これにより、競争の激しい市場でも日本人相手でも優位に立つことができるでしょう。

クライアント対応力を高める方法

ヒアリングスキルの強化:クライアントが何を望んでいるのか、具体的に把握するための質問力や傾聴力を養う。まずはクライアントとのMTGに積極的に参加してMTG慣れするところから始める。
技術的な提案力を高める:クライアントのビジネス目標に対して、技術的な解決策を提示する力をつける。ここには予算や納期も意識する必要があるので、その辺りも意識した提案にする。
柔軟な対応力:クライアントの要望に応じて、柔軟にシステムの設計や仕様変更に対応できる能力を持つ。要件から設計に落とす力も必要なので、要件定義の現場に参加するのも効果的。

結論:設計力・リーダー力・クライアント対応力をバランスよく磨く

日本のエンジニアが海外人材に勝つためには、技術力だけでなく、システム全体を俯瞰できる「設計力」、チームを牽引する「リーダー力」、顧客と円滑にやり取りする「クライアント対応力」の3つのスキルが鍵となります。これらのスキルをバランスよく磨き、実践で活かせるエンジニアが、これからの日本の開発現場でリードする存在となるでしょう。
これらのスキルを強化することで、より多くのプロジェクトでリーダーシップを発揮し、クライアントとの信頼関係を築きながら、海外の優秀な人材に負けない強力なエンジニアリングチームを構築することが可能です。

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