デザイナーが開発者へ引き継ぎ スムーズに行う際に必要なポイント

  • 2024/9/13
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デザイナーから開発者への引き継ぎは、デジタル製品を作る際に非常に重要なステップです。これにより、デザイナーが描いたビジョンが正確に開発者によって形にされます。スムーズな引き継ぎがなければ、デザインが誤解され、ユーザー体験に悪影響を与え、コストのかかるミスが発生する可能性があります。明確で効果的な引き継ぎは、コミュニケーションを改善するだけでなく、最終的な製品が意図通りの外観と機能を持つことを保証します。

1. Figmaファイルの準備

レイヤーとフレームの整理 – 引き継ぎの第一歩は、Figmaファイル内の要素をきちんと整理することです。すべてのレイヤー、フレーム、コンポーネントがわかりやすく名前付けされ、グループ化されていることを確認します。これは、開発者がファイルを参照する際に、どこに何があるのかを瞬時に把握できるようにするためです。例えば、「Button – Primary」や「Navbar – Mobile」などのわかりやすい名前を付けると、開発者が迷わずに必要な要素を見つけることができます。

デザインシステムとコンポーネントの使用 – デザインシステムを使用することで、デザインに一貫性を持たせることができ、開発者にとっても作業がしやすくなります。再利用可能なコンポーネントを作成し、それを全体のデザインで一貫して使用することで、同じ要素を何度も作成する手間を省きます。また、コンポーネントが更新された場合、他の部分にも自動的に反映されるため、バージョン管理が容易になります。

 

2. 開発者のアクセスを有効にする

Figmaファイルの共有 – Figmaで作業が完了したら、開発者とファイルを共有する必要があります。Figmaの「共有」ボタンをクリックし、リンクを生成して開発者に提供します。このとき、「閲覧可」または「編集可」のアクセス権を設定しますが、開発者がファイルの内容を変更する必要がない場合は、「閲覧可」に設定するのが一般的です。これにより、開発者はファイルを閲覧し、必要な情報を抽出できるようになります。

開発者モードの確認 – Figmaには「Inspect」モードがあり、開発者がデザイン要素の寸法、フォント、色、スペーシングなどの情報を確認できます。このモードでは、各要素のCSSコードスニペットも表示されるため、開発者はFigma内から直接、必要なコードをコピーして使用することができます。

 

3. 詳細なデザイン仕様を提供

デザインの決定事項を文書化 – デザイナーは、特定のデザイン決定の背景や理由を明確に説明する必要があります。たとえば、特定のカラースキームを選んだ理由や、特定のボタンサイズを採用した意図など、開発者がその意図を理解しやすいように文書化します。Figmaのコメント機能を使用して、各コンポーネントやレイアウトに注釈をつけることで、これを実現できます。

デザイントークン– デザインで使用される色、フォント、スペーシングなどのトークンは、開発者にとって重要な情報です。これらはFigmaファイル内で確認できますが、別途ドキュメントとして提供することで、誤解や見落としを防ぐことができます。また、これらのデザイントークンがデザイン全体で一貫して使用されていることを確認することも重要です。

インタラクションと状態 – ボタンや他のインタラクティブ要素の「ホバー状態」や「クリック時のアクティブ状態」、「無効状態」など、すべての状態を示すことが必要です。これにより、開発者がどの状態でどのスタイルを適用するべきかを明確に理解できます。さらに、アニメーションやトランジションが含まれる場合は、その詳細な仕様やプロトタイプも提供して、開発者に意図通りの動作を実装してもらいます。

 

4. プロトタイプを作成

インタラクティブなプロトタイプ – 開発者が実際のユーザーの操作をイメージできるように、インタラクティブなプロトタイプを作成します。Figmaのプロトタイプ機能を使って、異なる画面間の遷移や、ユーザーがどのようにデザインと対話するかを視覚化します。このプロトタイプにより、開発者はデザインのフローやインタラクションパターンを正確に理解できます。

プロトタイプリンクを共有– 完成したプロトタイプは、リンクを生成して開発者に共有します。このリンクを開発者に提供することで、実際のデザインのインタラクションを確認しながら開発を進めることができます。

 

5. 開発者とレビュー

引き継ぎミーティングを開催 – デザイナーと開発者が直接コミュニケーションを取るためのミーティングを開催し、Figmaファイルの重要な部分を確認します。ミーティングでは、デザイナーが設計意図を説明し、開発者の質問に答えることで、理解のズレを解消できます。特に、コンポーネントの機能やアニメーションなど、デザインの細かい動作については口頭での説明が有効です。

実現可能性のためのコラボレーション– 開発者と話し合うことで、技術的な制約や実装の課題を早い段階で発見し、設計を調整することができます。こうしたコラボレーションにより、デザインと実装のギャップを最小限に抑え、プロジェクトの進行をスムーズにします。

 

6. 開発者向けツールの使用

Figmaプラグイン – 「Zeplin」や「Avocode」などのプラグインを利用することで、Figmaファイルからのアセットエクスポートやコードの抽出がさらに簡単になります。これらのツールを使用することで、Figmaから直接情報を取得しにくい場合でも、追加の情報やコードスニペットを提供できます。これにより、デザインと実装の間のコミュニケーションがスムーズになります。

 

7. アセットのエクスポート

画像やアイコンのエクスポート – 開発者が使用するすべての画像やアイコンを、適切なフォーマット(SVG、PNGなど)でエクスポートします。Figmaのエクスポート機能を使用して、各アセットを開発に適したサイズと解像度で提供します。特に、レスポンシブデザインの場合は、複数の解像度に対応したアセットを用意することが重要です。

命名とバージョン管理– エクスポートされたアセットは、開発者が混乱しないように適切に名前付けし、バージョン管理を行います。アセットが頻繁に変更される場合、バージョン番号や日付をファイル名に含めることで、最新のアセットを確実に使用できるようにします。

 

8. 継続的なサポート

継続的なコミュニケーション – 引き継ぎ後も、開発が進行している間、デザイナーは開発者と密に連絡を取り合う必要があります。開発者が疑問や問題を抱えた場合、すぐに対応できる体制を整えておくことで、プロジェクトが滞りなく進行します。また、デザインの変更や修正が発生した場合は、それを迅速に反映するためのプロセスを整備しましょう。

 

結論

デザイナーから開発者へのスムーズな引き継ぎは、デザインのビジョンが正確に最終製品に反映されるために重要です。誤解やミスを減らし、効率を高めることで、より優れたユーザー体験と一貫性のある高品質な製品を実現します。引き継ぎの際の効果的なコラボレーションは、時間とコストの節約につながり、プロジェクトの成功を後押しします。

 

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