行為の7段階モデルとは

こんにちは、デザイナーのsoiです。

今回は、UI・UXデザイン分野に注目されている「行為の7段階モデル」について説明させていただきます。

行為の7段階モデル

行為の7段階モデルとは、ドナルド・ノーマンが提唱したユーザーが目標を達成するための行動を段階的に説明するモデルです。ユーザーが目標を達成するために行う行動を7つの段階に分けて理解し、デザインの観点からユーザーが目標を達成することを支援するフレームワークを提供します。

このモデルでは、ユーザーが目標を達成するために行う行動をゴールの形成」、「意図の形成」、「行為を設定」、「行為を実行」、「外界状況の知覚」、「外界状況の解釈」、「結果の評価を分析」とうい7つの段階に分類して、さらに「ユーザー」自身から出発して、プラス「外界」という要素でユーザーの行為を分析します。

これから7つの段階の意味を詳しく説明していきます。

行為の7段階モデル:ゴールの形成

ゴールの形成(Goal Setting)段階はユーザーが行為を起こす前の段階で、ユーザーが行動を起こすきっかけとなる目標や意図を明確にするプロセスを指します。この段階では、ユーザーが何かしらのニーズや欲求を感じるか、または現在の状況や問題点を認識し、それに対して具体的な目標・解決法を設定します。

例として、ユーザーが部屋を暗く感じた場合は、部屋を明るくしたい目標が生じることが挙げられます。

行為の7段階モデル:意図の形成

段階2、意図の形成(Planning)段階、つまりユーザーが目標を達成するための具体的な行動計画を立てるプロセスを指します。この段階では、ユーザーがどのようにして目標に向かって進むかを戦略的に考え、行動を準備することが重要です。

例として、ユーザーが部屋を暗く感じているので、部屋を明るくする方法を探す・考えることが挙げられます。

この段階で注意したほうがいいポイントとしては、解決策を考える際に、行動のステップ化、使える資源の整理や確保や実行するための時間管理などの配慮も大事です。

行為の7段階モデル:行為の設定

段階3、行為の設定(Specify Command)段階では、ユーザーが行動を開始する前に、環境や状況を整える準備をするプロセスを指します。この段階では、行動の準備を整えることで、後続の行動がスムーズに進むようにすることが目的です。

例えば、ユーザーは部屋を明るくしたいということで、「意図の形成段階」でユーザーがライト、蝋燭、ランプなどの資源を見つけたことにします。

「行為の設定段階」では、「意図の形成段階」で見つけた資源で目標の達成に導くまでの手法を考えます。

今回の例からすると、

  • ライトをつけること
  • 蝋燭をつけること
  • ランプをつけること
  • 他の明るい部屋に移動すること

などの解決策が考えられます。

さらに洗い出した解決策を実行するための場所・もの、つまり資源の準備もします。上記の例の一番目の「ライトをつける」ことにします。ライトをつけるには、ライト、電気、スイッチの確保し、スイッチのある場所への移動方法や、ライトのスイッチを入れる人手の確保も必要です。

行為の7段階モデル:行為を実行

段階4、行為を実行(Perform the Action)段階では、ユーザーが計画した行動を実際に行動に移す段階を指します。この段階では、ユーザーが目標達成のために計画した具体的な行動を実行し始めるプロセスが含まれます。

部屋を明るくするために、ユーザーは「ライトをつける」ことにします。

「ライトをつける」ことを実行するために、まずは、「ライトをつける人」を決めます。今回では、「ライトをつける人」をユーザーにします。

次に、ユーザーはライトのスイッチを探して、スイッチのある場所に移動します。

最後に、ユーザーはスイッチの隣に移動したら、スイッチを押します。

行為を実行段階では、ユーザーが外界と接触し、行動の結果を外界や環境の中で受け止めることで、ユーザーは自分の行動によって生じた結果を知覚します。

行為の7段階モデル:結果を知覚

段階5、結果を知覚(Perceive the System State)段階では、ユーザーが行動の結果を知覚し、その情報を自分の認識に取り込むプロセスを指します。この段階では、ユーザーが行動によって生じた外界の変化を感じ取り、それを自分の知識や理解に組み込むことが重要です。

例えば、部屋を明るくするためにスイッチを押した後、部屋が実際に明るくなったことを目で見たり、光の明るさを感じ取ったりします。ユーザーは自分の行動によって生じた外界の変化や結果を視覚を通じて捉えます。

結果を知覚する段階では、知覚した情報をもとに、ユーザーはその状況や結果を理解しようとします。部屋が明るくなった理由を、自分の行動(スイッチを押したこと)と結びつけて理解することも含まれます。

これにより、ユーザーは「ライトのスイッチを押すとライトがつけられ、ライトをつけると部屋が明るくなる」ということを学習し、将来の行動に活かすことができます。

行為の7段階モデル:状況の解釈

段階6、状況の解釈(Interpret the System State)段階では、ユーザーが知覚した情報や経験を分析し、それを理解するプロセスを指します。この段階では、ユーザーが自分の行動やその結果について考え、その意味や理由を理解しようとすることが重要です。

例えばスイッチを押したことで部屋が明るくなりました。

ユーザーは自分の行動(例えばスイッチを押したこと)とその結果(部屋が明るくなったこと)の関係を理解しようとします。なぜ部屋が明るくなったのか、それは自分の行動によるものなのか、などを考察します。

さらに、知覚した情報や経験の意味を理解しようとします。部屋が明るくなったことが自分の快適さにどのように寄与するのか、などの意味付けが含まれます。

状況の解釈段階では、ユーザーが知覚した情報を単なるデータや事実だけではなく、その背後にある意味や理由を探求する重要な過程です。この段階で得られた理解は、ユーザーが将来的な行動や意思決定において有益な知識となります。

行為の7段階モデル:結果の評価

段階7、結果の評価(Evaluate the Outcome)段階では、ユーザーが自分の行動やその結果を評価し、その満足度や効果を判断するプロセスを指します。この段階では、ユーザーが行動の成果や結果に対して意見を持ち、それを自己や他者と比較して反省しようとします。

例えば、部屋が明るくなったことに対して、自分は満足しているかどうか、自分の行動によって得られた結果や成果を客観的に評価します。

評価の過程で得られた情報を元に、今後の行動や選択に向けて反省し、学びを得ることがあります。達成した目標や行動に関して、より良い方法や改善点を見つけるための自己評価が含まれます。

まとめ

このモデルは、ユーザーが複雑な目標を達成するために必要なプロセスを体系的に捉え、理解するのに役立つ枠組みです。特にデザインやユーザーエクスペリエンスの分野で、ユーザーが行動や意思決定をどのように行っているのかを理解するための基礎として重要視されています。

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