レポート「おれたちは愛されコーポレートITになる」CORPORATE ENGINEER NIGHT#2

1月29日、渋谷「co-ba jinnan」にて”CORPORATE ENGINEER NIGHT”が開催された。このイベントは「なんとなく気軽に集まれるそんなコーポレートIT&セキュリティ系イベント」を目指している。
今回から地方の方ともつながるべく、ライブ配信も実施。リアルな会場に約50人、ライブ配信に約30人と情シス系イベントとしてはなかなかの参加者である。そして参加者は若く、開始と共に会場全体の熱量が高まっていった。情シス一斉調査2019ではごくわずかしか存在しないとされた層がここには存在した。
そんなCORPORATE ENGINEER NIGHTの第二回のテーマは「おれたちは愛されコーポレートITになる」。各社でコーポレートエンジニアとして活躍するメンバーから様々な切り口のLTが繰り広げられた。その一部を抜粋してお届けする。

オープニングアクトは自転車転倒顔面負傷から復帰したclitter(くりったー)さん

第1回の際には顔面裂傷の状態でオープナーを飾ったclitterさんであるが、怪我も癒え、今回もオープニングアクトとして場を和ませてくれた。それはまさにリアルに”一肌脱いだ”話から始まった。
くりったーさんもツクルバに入社して1年くらいはなかなかなじめなかったという。ツクルバでは期初にキックオフパーティを開催しているとのことだが、その際にバンド演奏をやるという話を聞きつけ、メンバーに手を挙げたという。文字通りドラマーとして一肌脱いだそうであるが、このイベントを境に会社に打ち解けられたという。
考えてみれば情シスだろうが他の職種であろうが、他人と共に働かねばならない以上、同僚を深く知り、ともに何かを成し遂げるという活動を共有することは、業務上での円滑なコミュニケーションを促すことは間違いない。研修を通じたワークショップでも、部活でも、それこそ社内パーティでも構わないと思うのだが、仕事を離れた部分での共同作業は他の人を知るきっかけとしてはとても良いし、これらを通じて社内の雰囲気が醸成されていくように思える。

会場提供をしてくれたツクルバ コミュニティマネージャー・わださやさん

「co-ba」はツクルバが運営するスタートアップ起業家とチームメンバーを応援するというするコンセプト。コラボレーションを加速する場としてサービスを提供している。なかなか外に出にくい情シスという印象があるが、コーポレートエンジニアはリモートワークで場所を選ばない働き方が実現できているところもあるという。

環境効果による生産性向上や他社交流による相乗効果など、情シスの新しい形がこういった場から生まれるのかもしれない。

Mac愛の塊、Jamf Japan・河野さん

Apple製品に特化したMDMソリューションを手掛けているJamf。今回はスポンサーとして参加してくれている。
このJamf、”Appleに恋している会社”と自負しているだけのことはあり、新OSリリース前の2か月間で準備を整え、リリースのタイミングに合わせたゼロデイサポートを実践しているという。聞くと簡単なようであるが、どの程度OSが変わるのかによってもその内容は大きく異なるので、言うほど簡単なことではないと思うが「愛するが故」の行為なのか。
しかしながら、割合は多くないものの、端末選択の自由をウリにする企業もあることは事実。(例えば、さくらインターネットでは規定額以内であれば端末を自由に選んでいいルールだったりする)
そんな事情を抱える情シスさんを楽にしてくれるソリューションなのかもしれない。

ニッコーケミカルズ・東原さん

一人情シスとして国内数拠点&中国拠点をカバーするAWSを活用した社内システムを一人で構築したというスゴ腕の持ち主。着実に社内ITシステムを導入し、業務改革を進めている。(slack Enterprise Gridも3月から導入することをシレっと実施※本人談)
目下の課題は中国拠点向けのグループウェアとしてベストなソリューションを見つけることにあるという。
また、この先も一人で続けることは厳しいということで、東原さんの目下の課題は「優秀な人材の獲得」であるという。他のイベントに登壇した際にもメンバー募集を行ったり、その他twitterでも呼びかけているが、応募はゼロだったという。

リモートワークも可能、オフィスはWeWork丸の内、年収700万円(応相談)

この会場でも笑いを取りながらリアルな求人条件を見せ、人材を募集。会場から「もう100万円!」という声も上がるなど、コーポレートエンジニア市場の盛り上がりを感じる。

それなりに知識やスキル、コミュニケーション力は求められるが、「自分で行動ができる人」もしくは「やりたいという強い思いがある人」であればマッチングするのかもしれない。ITサービスマネジメントをやりたい人は良い条件であると思う。

レバレジーズ・久松さん

前出の東原さんのLTでも話題に上がっていた「マッチング」。久松さんのLTは「キャリアパスとマッチング」と題して、コーポレートエンジニアの守備範囲広すぎ問題について語った。求職者のスキルと求人企業の思っているスキルがマッチしないと聞いており、それを起点にコーポレートエンジニアに求められるスキルの整理を始めたという。

情シススキルの分類

営業からコーポレートエンジニアのマッチングがうまくいかないという声を多く聞いたことがきっかけで、求職者と企業のスキルマッチしない原因を考えてみたという。その第一歩として、情シスのスキルを分類していた。

各スキルは全部満たす必要はないが、企業として譲れないスキルと求職者のスキルがマッチしていれば良いと割り切ることも企業側には必要ではないかと問いかける。

また、マッチング精度向上の為にはコーポレートエンジニアの業務を体系的に分類していくことがスムーズなマッチングには求められる。キャリアパス、評価制度までも含めてスタンダードを構築できれば変わるのではないかと考えており、今はこれが課題であると思っているとのことでった。

Kyash・渡辺さん

Kashでは創業以来、渡辺さんがJoinした2019年7月まで専任のコーポレートエンジニアはおらず、かなりの放置だったという。渡辺さんの肌感覚でも社員数が50名を超えると何かしらの管理が必要と感じていたこともあり、良いタイミングでの参画であったとのこと。


渡辺さんの7カ月での導入事例

数ある事例の中でも今回は最初に着手した「社内ディレクトリ構築」についての話であった。KyashではOffice 365とG Suite、Zendesk、kibelaを使用していたが、アカウント管理がバラバラだったこともあり、退職者管理もできておらず、まずここから手を付けることにしたという。

Macが8割という職場ということもありActive Directoryは落選、JumpCloudは機能不足、oktaは営業問題から落選。結果としてKyashではOneLoginを採用し、端末管理を行っている。

最後に渡辺さんは「OneLoginを中心に導入した結果、元気に楽しく仕事ができている」と締めくくって終えた。

OneLoginの導入をご検討の皆さんは彼のblogも参考にしてはどうだろうか?

blog「KyashがOneLoginを選んだ理由

ユナイトアンドグロウ・バルスさん

未経験でIT業界に入って4年目であるという、バルスさん。社内で認められるまでには苦労があったという。

今回は手入力作業が多かった営業支援ツール構築についての紹介であった。

この活動にの結果、3つのメリットがあったという。

1.現状の業務フローを把握することができた
2.事業部とバックオフィスの連携がスムーズになった
3.目に見える効果が出たことで経営陣に情シスの話を聞いてもらえるようになった

最後に、今回のテーマである「”愛されコーポレートエンジニアになる”為には、数字と業務を見えるようにする」ことが大事であると締めくくった。

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編集後記

「コーポレートエンジニア=情シス」という一面もあれば、感覚的ではあるが、コーポレートエンジニアを名乗る彼らは「コーポレートエンジニア≠情シス」ではない気がした。何かが違うのである。それは情熱なのか、やる気なのか、若さなのかはわからないが、そこには明確な違いを感じた集まりであった。
こんなご時世でリアルな集まりはできないが、今後も何か違う形で継続することを期待する興味深い勉強会であった。

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【執筆:編集Gp ハラダケンジ】

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