ECサイトの半数が過去1年以内にサイバー攻撃を経験、実被害も7割に トレンドマイクロ調査
トレンドマイクロでは企業などが運営するECサイトのセキュリティについて、ECサイトの構築・運用・セキュリティを担当する619名を対象に調査を実施した。
調査よると、「自社が展開しているECサイトに対して、過去1年以内にサイバー攻撃を受けたことがあるか」との質問に、49.1%(304名)が「受けたことがある」と回答した。
過去1年以内にサイバー攻撃を受けた経験への回答(トレンドマイクロ提供)
また、攻撃を受けたことがある304名を対象にした、受けた攻撃の手法への質問では「DDoS攻撃」(24.1%)との回答がトップで、「OS(基本ソフト)の脆弱性を突く攻撃(23.6%)」「ミドルウェアの脆弱性を突く攻撃(18.6%)」「ウェブアプリケーションの脆弱性を突く攻撃(12.9%)」と続いた。
回答で2位、3位となったOS、ミドルウェアの脆弱性を狙った攻撃への対策となる「侵入防御システム(IPS)」や「侵入検知システム(IDS)」の導入の有無については、17.1%(106名)が「導入していない」と回答。導入しているか分からないと回答した20.5%も含めると、37.6%がIPSやIDSを未導入・不明確という状況であることが明らかになった。
IPS、IDSの導入有無についての回答(トレンドマイクロ提供)
「導入していない」と答えた106名に理由を尋ねると、「自社のセキュリティ対策で十分と考えているため(45.3%)」と回答。次いで「今までに攻撃を受け被害が発生した経験がないため(36.8%)」となった。「コスト削減でIPS、IDSの導入を見送った」と回答した人も17.9%いた。
一方、サイバー攻撃による被害では「受けたことがある」と回答した304名のうち、7割を超す227名が、実害を受けたと回答。具体的には、4割を超える42.7%が「顧客のログイン情報(IDとパスワード)の漏えい」が42.7%で1位となった。
サイバー攻撃による被害についての回答(トレンドマイクロ提供)
そのほかでは「顧客の個人情報(住所、メールアドレス、電話番号など)の漏えい(40.5%)」「顧客のクレジットカード情報(カード番号、カード名義、有効期限など)の漏えい(28.6%)」などの被害を受けたという。
さらに、サイバー攻撃で「実害があった」と回答した227名を対象に総被害金額を聞いたところ「100万円未満」が22.5%と一番多かった。その一方で、「1000万円以上の実害」と回答した担当者が32.9%いることも明らかになった。
サイバー攻撃による総被害金額の回答(トレンドマイクロ提供)
「総被害金額」は、サイバー攻撃で影響のあったシステムの復旧、システム停止中の業務効率低下、売上機会の損失といった直接被害に加え、再発防止策の費用、イメージ損傷など二次的な被害の費用が含まれる。