【しゅうまいの情シスDAYS】第2回 病院の薄暗い地下フロアで……
しゅうまいです。新卒でSIerのSEとして入社後銀行システムを中心に中国オフショア開発プロジェクトなども経験しました。2012年に退職後はブロガー兼ライターとして活動しています。SE時代のことや、近ごろ気になるいろんなことを書いていくつもりです!
今回は職場環境について書きたいと思います。
皆さんはどんなオフィスで働きたいですか?
ピカピカのインテリジェンスビルで、入退館は非接触のICカード。
デスクには電源タップも付いていてコードがぐちゃぐちゃにならないし、椅子も無段階調節が可能で快適に作業ができる。
使えるPCはハイスペックで、液晶モニターは2面以上。
ウォーターサーバーやフリードリンクがあり、マッサージ師常駐のリラックスコーナーもある。
世の中そんな理想のオフィスばかりではありません!
…よね。
私は「客先常駐SE」の仕事環境を色々と見てきました。
その中でインパクトがあった場所の思い出です。
SEルームがこんなところにあるなんて!
私はSEルームとは「影の存在」であるということを理解しなくてはなりませんでした。
エンドユーザー(クライアントのお客様)が来ることはありませんので、華美にする必要はありません。
また、その存在を知らしめる必要はありませんので、お客様用のフロアマップに載せる必要もありません。
私が作業をしたとある病院では、SEルームは地下フロアにありました。
地上階では病院内を明るく見せるために窓などがありますが、地下にはありません。
しかも、省エネという名のコストカットの流れで、蛍光灯が全部は点灯せずに一部だけ点いているような暗さがありました。
あまり人が来ないフロアなので、普段からひっそりとしています。
SEルーム兼マシンルームは金属製の重たい扉の向こうにありました。
複数台あるサーバー機のファンの音がショワショワショワと響いています。
空調が効いてとても寒い空間でした。
社内持ち帰りで修正したコードを本番機に適用して、私の作業は無事に終わりました。
撤収する時に、私はフロア内を探検してみたくなりました。
ある「噂」も確かめたかったですし。
フロアマップには「空白の空間」
私は廊下にあるフロアマップの前まで来ました。
「えーと、今いるのはここで、この階にあるのは?」
「…ん?」
その図にはSEルームは空白の空間として記載されていました。
ただ、空っぽの四角があるだけです。
一般人には何も無いとされている空間で、サーバー機はひっそりと動いていたのです。
そして、やはり噂は本当でした。
同じフロアの廊下を曲がったところには、他とは雰囲気が明らかに異なる文字列が記載されていました。
そう、「霊安室」の文字が。
そばにあるエレベーターは大きくて、人を横たわらせて運ぶことができる大きさです。
その時、私たちが扱っている病院内システムは「人間の生死に関係がある」ということを、ビシッと突きつけられた思いでした。
ちなみに、あまりにこわくて、その廊下の角は曲がれずじまいという、けっこうチキンなしゅうまいなのでした。