【ロボデックス】人に代わって受付業務 人間そっくりな案内ロボット ココロ
ココロ(東京・羽村市)では、受付サービスロボット「案内ロボットシステム」を展示した。同社では2月から成田空港で始まる実証実験に先駆けて出展した。
女性型ロボットが対応する「案内ロボットシステム」
デモではロボットの前に置かれたタッチパネルのメニューをタッチすると、選んだ内容について女性ロボットが音声で説明してくれる。センサーを使って人が近づくと感知して自動的に案内することも可能だという。
タッチパネルを選ぶと、ロボットが選んだメニューの内容を音声で案内してくれる
サンリオの子会社であるココロは、アミューズメント施設の恐竜ロボットやキティちゃんなどの業務用キャラクターロボットを数多く手がけてきた。その経験を生かし、近年は人体型のロボット開発・制作にも進出。ロボット研究で知られる石黒浩・大阪大学教授と共同研究も行ってきた。また、2015年に長崎のハウステンボスにオープンしたロボットホテル「変なホテル」の受付ロボットを納入した実績もある。
一見すると人間の女性と見間違うほど精巧に作られているロボット
「ホテルの受付業務は、24時間365日の対応が必要。クレーム対応などメンタル面の負荷も多く、その上、インバウンド対応で、マルチリンガルの人材が求められる。だから最近はなかなか人が集まらない。この点、ロボットなら24時間365日稼働もできるし、多言語にも対応できる。メンタル面の心配もない」と、櫻井英彰・RT事業部 RT営業部次長は受付ロボットのメリットをこう強調する。
櫻井英彰・RT事業部 RT営業部次長
受付ロボットは価格が900万円、リースは月額20万円になる。櫻井次長は「受付の人件費を計算すると、3交代制で、保険なども考慮すれば2400万円ほどになる。このことから考えるとロボット化すれば受付業務のコストダウンにもつながる」と説明する。出展中には、ホテルや企業の人事担当者などが興味を示し、引き合いもあったという。
今回展示されているロボットは、2017年2月から成田空港でターミナル案内の実証実験に使われる。そのため、デモでは第1ターミナルなどの案内メニューが表示されていた。「成田空港への設置は、多言語対応のみならず、ロボット先進国ニッポンのアピールとしても力を発揮してくれるものと期待している」と、櫻井次長は話す。
一方で、リアル型ロボットは、「キャラクターロボットはミスをしても、キャラの愛嬌で逃げられる部分があるが、リアル型ロボットはそれとは違い、誠実な対応が求められる」(櫻井次長)という難しさがあるという。一方で、ココロでは人に負担が多い業務は将来的にロボットが請け負うようになると考えている。そのため「今後は、そのような業務・場面でますますこうしたサービスロボットの普及が進んでいく」(同)と見ている。
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