採用広報や組織づくりに関わる機会が増えるなかで、デザインと人・チームづくりの接点を考える場面が多くなっています。数値管理や戦略設計といった領域にも関わるようになり、「組織とは何か」「どう設計すべきか」という問いと向き合うことが増えた方も少なくないのではないでしょうか。
今回は、組織設計に関する学びを深める手がかりとして、カルティベース(CULTIBASE)の音声コンテンツ「最高の組織づくり〜ベンチャーCxOの葛藤〜」の中から、人気漫画『ハイキュー!!』を題材とした回を取り上げ、組織づくりに活かせる考察を紹介します。
この記事の目次
ハイキュー!!は「組織の戦略デザイン漫画」である
一見、熱血スポーツ漫画に見える『ハイキュー!!』ですが、実は“組織コンセプトと個人の役割設計”が明確に描かれた作品です。数多くのキャラクターが登場するにもかかわらず、全体のコンセプトやチームの方向性がぶれることがありません。それは一人ひとりの描写が細かく、役割や個性に明確な設計意図があるからです。
例えば、主力選手以外にも焦点が当たることで、組織における“補完性”の視点が自然と浮かび上がります。個々の能力を「高め合うだけでなく、どう組み合わせるか」に重きを置く構造は、まさにチーム編成・プロジェクト設計そのものです。
チーム=組織モデルにおける“戦略と個性”の設計バランス
ハイキュー!!では、各チームごとに明確なコンセプトが設計されています。たとえば烏野高校では、「かつての強豪復活」を支える戦略的ピースを“1年生の投入”という逆転発想で補っています。一方で、個々のキャラクターの個性が丁寧に活かされている点も特徴的です。
また、音駒高校のように「どんなに地味でもボールを落とさない」という徹底した守備戦術を掲げるチームもあります。これは“派手さ”ではなく、“組織としての設計思想”の表れです。
企業組織においても、単に能力の高い人材を揃えることよりも、「どのように戦略と個性を噛み合わせるか」「どこに誰を配置すれば最も価値を発揮できるか」が重要となります。
創造性は「制約の中」だからこそ生まれる
作中の名言「才能は開花させるもの、センスは磨くもの」にある通り、個人の才能は“放置する自由”ではなく、“設計された制約の中”でこそ際立ちます。
日向は身長という制限の中でジャンプ力を武器に進化し、月島は自分のリズムを保ちながらも要所で決定的なブロックを決める存在へと成長します。これは、創造性や活躍が「自由にやっていい」という放任型マネジメントではなく、「環境と役割の設計」を前提として生まれるものであるという示唆といえます。
企業組織においても同様に、フレームの設計とフィードバックの仕組みによって、メンバーの力が最大限に引き出される環境が整います。
勝てる組織は「ハード」と「ソフト」の両立で構成されている
戦略的なコンセプトやマネジメントの“ハード面”と、感情的な結びつきや個人の動機付けといった“ソフト面”の両方がそろって初めて、組織は持続的に成果を出すことが可能です。
スポーツ漫画における試合は頭脳戦の連続であり、各選手のスキルだけでなく、「どのように連携し、相手に合わせて戦略を変えるか」が重要視されています。企業のプロジェクトもまた、ただ専門性の高いメンバーを集めるだけではなく、「全体設計としてどう統合するか」が問われます。
組織設計とは、役割の“描き分け”である
ハイキュー!!ではキャラクターの描き分けが丁寧ですが、これは裏を返せば「組織における役割設計の精度が高い」ということでもあります。登場人物が自然にその場で役割を果たしているように見えるのは、設計思想とコンセプトが明快だからです。
この視点は、組織デザインにおいても極めて重要です。「どんな役割が必要か」「どの個性がどの場面で活きるか」を定義できている組織は、メンバー間の補完関係が明確で、機能性の高いチームを築くことが可能です。
おわりに:組織の課題は“設計”によって乗り越えられる
今回紹介したカルティベースの音声コンテンツでは、成長企業におけるCxO(経営幹部)が、どのように組織設計と対話を重ねているかがリアルに語られていました。そこに『ハイキュー!!』のような親しみやすい作品を重ねることで、組織論が抽象論で終わらず、実感をもって捉えられるようになるのではないでしょうか。
HumAInでは、採用・組織広報に関するUI設計・クリエイティブ設計に加え、メンバーの多様性を活かした組織デザインのご支援も行っております。求人サイトやSNSコンテンツにおいても、単なるデザイン制作に留まらず、「採用の意図」「組織の強み」を言語化し、戦略へ落とし込むプロセスをご一緒に伴走できます。
お困りのことがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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