技術、人間、生命

  • 2024/11/8
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こんにちは、新米UI/UXデザイナーのsoiです。
スキルを向上させるために、最近「UXデザインの教科書」*という本を読んでいます。

この本では、UXデザインの誕生(概要)、基礎知識、プロセス、手法の4つの内容に分けて、UX/UIデザインについて詳しく説明しています。各章の冒頭には、章の内容をまとめた図解が掲載され、用語や解説がやや難解な部分もありますが、図解が理解をサポートしてくれるのでわかりやすいです。

これから、この本を参考に勉強した内容を記事としてまとめながら、自分自身の考えをアウトプットしていきたいと思います。
今回は、最初の章である「概要」に基づき、UXデザインの発展について話していきたいと思います。

UXデザイン

私たちは外界から提供される製品やサービスを通じて、自分の望みや、今までできなかったことを実現する手助けを得ています。消費者として、私たちが商品やサービスを選ぶ際には、単に目的を達成できるかどうかを考えますが、一方で企業は競合商品と差別化し、消費者に選んでもらうための工夫が必要です。

そのため、自社の商品をより使いやすくしたり、性能を向上させたりすることで、ユーザーに「うれしい体験」や「高い満足度」を提供することが求められます。ここで生まれたのがUXデザインです。ユーザーが快適に使える体験を提供できるように、製品やサービスを企画段階から理想のユーザー体験を目指して設計することを指します。

現在の主流な考え方として「人間中心デザイン(Human-Centered Design)」がありますが、それ以前には「技術中心デザイン(Technology-Centered Design)」が存在していました。近年では、「生命中心デザイン(Life-Centered Design)」も注目されています。以下で、それぞれについて詳しく見ていきます。

技術中心デザイン

本書を通じて初めて「技術中心デザイン」という概念を知りました。このアプローチは、製品やサービスの設計において技術的な要素や限界を最優先に考えるものです。現代の視点から見ると、ユーザー視点が欠けている面もありますが、技術の発展が限られていた時代では、技術的な限界に基づく設計もやむを得なかったと考えられます。

ユーザーにとっては「使いにくい製品」になってしまう場合もありましたが、会社が新技術や独自技術を導入することで競争優位を確保することもできました。現在でも特定のプロジェクトや分野では技術中心デザインが効果的な場合があり、UXデザインではユーザーに価値を提供することが重要なため、技術とユーザーのニーズをバランスよく考えることが理想だと言われています。

人間中心デザイン

技術中心デザインから進化したアプローチで、現在のデザインにおける主流の考え方です。「人間中心デザイン」は、製品やサービスの設計において、技術やビジネスの要件よりも、人間(ユーザー)のニーズ、行動、体験を最優先に考えるデザインのアプローチです。

ユーザーが製品やサービスをどのように使用するか、何を求めているか、どのような課題に直面しているかを徹底的に理解し、「使いやすい」デザインを目指します。

本書では、人間中心デザインの理論を構築したクラウス・クリッペンドルフの「デザイナーの2次理解」という概念が紹介されていました。これは「ユーザーが製品を使う際に感じた意味を、ユーザーの行動や対話を通してデザイナーが理解する」ことです。ユーザー自身が言語化できない潜在的なニーズを観察や対話、アンケートを通じて把握し、その洞察をデザインに活かすプロセスです。

これによりデザイナーは、常にユーザーを中心に置き、ユーザーの本質的なニーズに応える製品やサービスを作ることができます。

生命中心デザイン

近年注目を集めている新しいデザインの考え方、「生命中心デザイン」というものもありました。「生命中心デザイン」、「人間中心デザイン」よりもさらに広い視点で、ユーザーだけでなく社会全体、自然環境、そして地球上のすべての生命のことを考慮に入れるアプローチです。

この世の中の主人公は、「人間」だけではない。「動物」、「植物」そして「自然」なども、地球で人間とともに生活している「主人公」です。しかし、私たち人間は、自分の欲望を満たすために自然を開発し、環境を破壊してきました。その結果、やりたいことはほぼ達成していますが、地球温暖化発生や激化、動物・植物の絶滅など様々な取り替えのないことが発生してしまいました。

これらの問題に直面するため、「生命中心デザイン」では、製品やサービスが人間にとって便利であるだけでなく、地球環境に負担をかけないことや、未来の世代にもポジティブな影響をもたらすことが求められています。例えば、資源を大切に使うことや、製品の廃棄後にも環境への配慮がされていること、さらには製品やサービスが周りの生態系に調和することなどが重視されます。

近年だと、最も「生命中心デザイン」に取り組んでいる産業と言えば、車産業になるかもしれません。ガソリンの燃焼による二酸化炭素の排出量を削減するため、新燃料車の開発や推進に力を入れています。さらに車内の内装などのインテリアの面で、人間と植物、動物の共生・共存がテーマになっているそうです。

まとめ

ロボットや人工AIなど、ある意味で「生命」のないモノたちについての議論も激しくなりつつあります。もしかしたら今後は、ロボットやAIたちが操作しやすい、使いやすい製品の開発が主流になるかもしれません。人間の考え方や社会は日々進化し続けています。

今後も「人間中心デザイン」や「生命中心デザイン」を超えた新しい視点が生まれてくるかもしれません。

常に思考し続けること、それによって進化し創造していくことが私たちにとって大切な姿勢です。

「技術中心デザイン」も「人間中心デザイン」も、その時代の人たちがあらゆる思考を行って創造したベストなものだと思います。

考えてそして進むのが、今の私たちができる一番のことです。 これから新しい考え方が生まれることが楽しみです。

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