ハルト君の「転職成功の秘訣」#1 失敗しない履歴書の書き方

転職、以前に比べるとしやすい環境になりました。だからといって人生の大きな転換点であることは間違いありません。そんな転職では様々な面で”印象”が大きく影響します。
本シリーズでは転職エージェント「ハルト君」が、転職で成功をつかむための秘策、履歴書の書き方から、面接対策に至るまで重要なポイントを紹介します。

失敗しない履歴書の書き方とは

最近ではAIを活用し、さまざまな情報から個人の信用力と可能性をスコア化するAIスコアなどが登場しつつありますが、履歴書や職務経歴書をAI判定するにはまだ至っていません。故に人が読む以上、書き方のポイントを押さえておくことで、第一印象以前が良くなることは間違いありません。

理解しておこう!履歴書と職務経歴書の違い

履歴書の記入内容は、連絡先や学歴、職歴、取得した免許や資格などの個人情報が中心です。
これに対して、職務経歴書は仕事の部分だけをピックアップしたもので、職業能力や過去の実績をアピールし、履歴書に書ききれないことを中心にまとめるものです。 特に中途採用の場合、応募先の採用担当者は「即戦力」を求めて多くの応募者の履歴書や職務経歴書に目を通す訳ですから、採用担当者の目に留まるように、履歴書や職務経歴書の書き方を工夫し、魅力ある人材であることをアピールしましょう。

履歴書と職務経歴書の比較

①形式について
履歴書の場合、企業が指定する様式又は市販の履歴書を使います。 職務経歴書の場合、応募先が指定する書式があればそのフォームを使いますが、特にない場合はA4サイズで作成します。様式についても特に指定がないことが多いです。

②記入内容について
履歴書の場合は連絡先や住所・学歴・職歴・免許・保有資格・特技など、主に個人情報に関する項目を記入します。
これに対して職務経歴書の場合は、大まかに言えば、自分自身のこれまでの担当職務の内容や具体的な数値を用いた実績・キャリア(職務遂行能力)と実績をアピールするように心がけて記入します。

履歴書の書き方の基本①

①履歴書は手書きorプリント?
以前は手書きが基本とされてきましたが、最近の採用担当者はあまりこだわらないようです。 パソコンでの作成に自信があればパソコンで、ペン字に自信があれば手書きでOKです。
いずれにしても心を込めて「丁寧に書く」「見やすく作る」事こそが大切です。

②(手書きなら)筆記用具は黒ボールペンで
手書きの場合、筆記用具は黒のボールペンを使いましょう。 文字の太さは細すぎず太すぎず、中の太さが望ましいと言われますが、自分自身が最も使いやすく満足できるものを選ぶとよいでしょう。
万年筆でも構いませんが、インクの渇きが遅く、袖口でこすることがないように注意してください
ちなみに青インクでも問題はないのですが、「公式文書には黒文字がフォーマル」とお考えの方も多いので、あえてチャレンジする必要はないでしょう。

③修正はしない
手書きで間違えてしまったら、新しい履歴書を使い、始めから書き直しましょう。 心情的には修正液を使いたくなるところでしょうが、採用の世界では修正液の使用は厳禁です。これも本命企業への就職の試練として取り組みましょう。
無駄になるかもしれませんが、書き損じる前提で複数の履歴書を事前に用意しておくと良いと思います。

履歴書の書き方の基本②

①履歴書の再使用(リサイクル)はしない
通常は不採用企業から履歴書を返却されることは希ですが、ごくまれに返却してくれる親切な企業があります。 しかしながら、その返却された履歴書を次の就職活動に使うのは厳禁と思ってください。
理由は、新作の履歴書と比べると返却された履歴書そのものがくたびれているからです。(郵送の間にシワやちょっとした折り目は必ず入ります。)
そんな些細なことは気にしない採用担当者さんもいらっしゃるかもしれません。でも、履歴書はあなたと採用企業の最初の接点なのです。 パリッとアイロンのかかったYシャツを着ているほうが印象が良いように、常に新品で臨みましょう。
また、応募先によっては志望動機が異なりますので、それぞれ志望先にあった履歴書が必要でもあります。

②スピード写真よりも写真館で
写真はあなたの雰囲気を知ってもらう最初のツールです。第一印象が大切であることは言うに及ばないでしょう。
最近はLinked InなどのSNSのIDを公開されている方もいらっしゃるので、これがすべてではありませんが、写真もあなたをよりよく見せるためのツールになります。 そのため、写真は専門の写真館で撮影してもらうのがベストでしょう。
カメラマンの友人がいない人は、スマホでセルフ撮影、スピード写真などを使うのではなく、写真館など専門の方の力をお借りしましょう。 映りの良い写真は採用担当者へ好印象を与える事が出来ます。
そして撮影の際は、口を開けていないこと。作り笑いは不要です。(ブロマイドではありません!でも口角を上げるくらいは必要かもしれませんが。)
スーツ等のフォーマルな服装で、女性の場合長い髪はまとめて清潔感を出しましょう。
また、ピアスやネックレス等の装飾品ははずすことを忘れずに。 自己主張の一部かもしれませんが、そこは大人になる必要もあります。
それから些細なことではありますが、履歴書に写真を貼る際は、はがれたりすることのないようにしっかりと貼りつけましょう。
万が一はがれることも想定して、写真の裏に氏名を記入しておくことも小さな気遣いです。

履歴書の書き方の基本③

①日付
生年月日や学歴、職歴などの日付は元号でも西暦でも、どちらかで統一して記入すればよいと思います。
但し、官公庁では元号運用がされていますので、元号で記入するほうが良いかもしれません。元号で記入する場合には、元号のあとにカッコ書きで西暦を記入すると親切かもしれません。
また、郵送する場合はポストに投函する日、持参する場合は持参する日の日付を記入します。

②顔写真
直近のものを使用します。(一般的には6か月以内)
また、はがれないようにしっかりと貼り付けましょう。

③氏名
バランスを考慮しながら名字と名前の間をあけるようにしましょう。 履歴書に「フリガナ」とあれば、カタカナで、「ふりがな」とあれば、ひらがなで書きましょう。
印鑑(押印)についても、ゆがんだり、欠けたりすることのないように気をつけましょう。
細かいようですが、こういった部分に差が見えてくるのです。

④学年と卒業年、両方書くのは高校から!
中学校は卒業年次のみ記入します。高校以降は入学年次と卒業年次を記入しましょう。 また、学校名は省略せず、正式名称を記入するように心がけましょう。
学生時代のアルバイトは特に書く必要はありませんが、提出先の業務と関連したアルバイトや特殊で専門的な業務であったならばアピールになりますので記入しておきましょう。
退職した場合は「一身上の都合により退職」、在職中の場合は「現在に至る」と記入します。

⑤資格は積極的に、正確に
正式名称を記入します。 取得中のものがあれば、その旨を添えて記入しましょう。

⑥趣味や特技は面接で聞かれるポイント
面接の時に話題にしやすい項目です。 具体的なエピソードがあれば記入すると良いでしょう。

⑦志望動機はラブレターと思って
応募先の理念や制度等を切り口に、具体的に記入すると効果的です。 ラブレターを書くようになぜ自分が希望先企業に入りたいと思っているのか、熱い思いを簡潔に伝えてください。


履歴書 Q&A

Q:退職理由があまり良くないのですが、なんと書けばよいですか?
過去を振り返った表現をするとネガティブに聞こえてしまいがちです。
例えば「人間関係が悪くて退職した」であれば、「よりよい人間関係の職場で働きたくて退職した」のように、裏返してポジティブに表現することを考えてみてください。

 

Q:長所がないので、なんと書けばよいかわかりません。
自分の良いと思うところ、悪いと思うところをできるだけ多く書き出してみてください。次に、悪いと思うところをポジティブに言い換えてみます。「短気」→「迅速」などです。
良いと思うところがなかなか出てこなくても、悪いところは出てくるもの。短所だと思うところも、言い方次第で長所として置き換えるのはテクニックの一つです。

 

Q:趣味がないのですが、書かないといけませんか?
そんな時は、自分が休日をどのように過ごしているか?を考えてみてください。
履歴書の趣味欄は、面接担当者とコミュニケーションを取るためのひとつの手段でしかありません。
特に仕事と関係することを無理に書く必要はありません。具体的なエピソードを交えると効果的です。あなたを知ってもらうためのキーワードはなんですか?

 

Q:深い志望動機がないのですが、何を書けばいいですか?
自分の希望と面接先の条件で合致している部分は何でしょうか?
また、面接を受けてみようと思った理由は何でしょう?
ここに就職することで、自分のこんな希望が叶えられる!といった内容を記入すると良いでしょう。


今回は「転職で成功をつかむための秘策(1)履歴書の書き方」でしたが、次回は「転職で成功をつかむための秘策(2)職務経歴書のの書き方」をご紹介いたします。

 

【執筆:情シスcareer イラスト:エミ・シバタ】

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