2018年度セキュリティ意識調査-カスペルスキーレポート

~無料Wi-Fi利用経験者のうち、6割がVPNを「知らない」と回答~
カスペルスキーは日本国内の18歳から79歳のセキュリティ製品利用者(カスペルスキー製品、他社製品含む)の男女624人を対象に「2018年度 セキュリティ意識に関するインターネット調査」を実施し、その結果からVPN(仮想プライベートネットワーク)に関する分析を行った。
全体の回答者のうち、63.1%は無料Wi-Fiの利用経験があり、また75.2%は無料Wi-Fi利用時に通信を盗み見られるリスクがあることを認識しているという結果に。その一方で、実際に無料Wi-Fiの利用経験がある人でも59.9%がVPNを「知らない」と回答。
無料Wi-Fiの利用とその利用リスクの認識は進んでいるものの、その対策となる通信保護への認知は低い現状が改めて明らかになった。

 

■6割が無料Wi-Fiの利用経験があり、若年層では8割以上が利用

無料Wi-Fiの利用経験を尋ねたところ、全体の回答者の63.1%が「無料Wi-Fiを使ったことがある」と回答しており、18歳から29歳の回答者の82.7%が同様の回答をしている。無料Wi-Fiの認知については、「無料Wi-Fiを使ったことがある」または「無料Wi-Fiを知っている」との回答の合計は全体では95.3%、これが18歳から29歳となるとは99.0%となり、認知と利用経験のどちらも若年層で高い結果となっている。
また、「(何も対策をしていないと)無料Wi-Fiで通信している内容が盗み見られる可能性がある」ことに対しては、全体の回答者の75.2%が「詳しく知っている」もしくは「聞いたことがある」と回答している。無料Wi-Fi利用時に通信を盗み見られるリスクの認知率は男性の方が高く86.2%であった。


図1:無料Wi-Fiの利用経験と認知(年代別)


図2:無料Wi-Fi利用時に通信を盗み見られるリスクの認知

■無料Wi-Fi利用経験者の6割がVPNを「知らない」と回答

若年層を中心に無料Wi-Fiの利用が進み、そのリスクや危険性についても多くの人が認識している状況にも関わらず、通信の安全を守る「VPN(仮想プライベートネットワーク)」の認知は低く、全体の65.5%がVPNを「知らない」と回答している。またVPNの認知には男女差が大きく、VPNを「知らない」と答えた男性は48.1%に対し、女性は83.0%であった。実際に無料Wi-Fiの利用経験がある人でも59.9%が「知らない」と答えている。

図3:VPNの認知

 

VPNは通信の安全を確保する手段であることは間違いない。しかしながら、VPNプロバイダーの信頼性やユーザーの誤操作/操作忘れなどにより機能していないことも生じるため、不安も残る。その為、ビジネスシーンでは”LTE over IP”(参考記事:使える! 情シス三段用語辞典59「LTE over IP」)のような新しい手法も登場している。

本調査では「7割以上の人たちが無料Wi-Fi利用時に通信の盗み見リスクがあることを認識している」にも関わらず、無料Wi-Fi利用経験者であっても「VPNを知っている/聞いたことがある人が4割程度」だった理由は、無料Wi-Fiの使い方にあるのではないかと思われる。

実際、社内のセキュリティポリティーでは、業務利用のPCで無料Wi-Fiを利用することは禁止されていることの方が多いのではないだろうか。カフェや空港などで無料Wi-Fiを利用する際には通信内容が傍受される可能性があることに同意を求められることもしばしばである。その意味では”通信の盗み見リスク”の認知度が高いことはうなづける。

一方、「VPNを知っている/聞いたことがある」と回答した方は、業務利用PCで実際にVPNを活用している方か、スマートフォンのテザリング利用でパケット不足になった経験などから無料Wi-Fiを安全に利用する方法を探した方なのではないかと想像される。大方の無料Wi-Fi利用経験者は、スマートフォン経由で使うことが多いのではないだろうか。しかしながら、個人利用のスマートフォンならまだしも、社有スマートフォンから無料Wi-Fiに接続するようなことがあっては、セキュリティ問題の要因となりかねない。最近はスマートフォン用のVPNアプリもあり、それらを活用することも一つの手ではあるが、自由に無線通信が使える”5G”の登場までは、MDMなど社有スマートフォンの管理をしっかり行うことで、セキュリティリスクは少なくすることができるはずである。

 

情シスとしては、「正しく安全に無料Wi-Fiを利用する」というのは、なかなかに難しい課題である。

 

【執筆:編集Gp ハラダケンジ】


【調査概要】
株式会社カスペルスキーが、日本国内の18歳から79歳の男女でセキュリティ製品を利用している624人を対象に実施した「セキュリティ意識」に関するインターネット調査。調査期間は2018年8月23日~24日。調査委託先は株式会社マクロミル。


本記事は、カスペルスキー様のニュースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.kaspersky.co.jp/about/press-releases/2019_vir22012019

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