常に新しい用語が生まれてくる情報システム部門は、全ての用語を正しく理解するのも一苦労。ましてや他人に伝えるとなるとさらに難しくなります。本用語辞典では数々のIT用語を三段階で説明します。
一段目 ITの知識がある人向けの説明
二段目 ITが苦手な経営者に理解してもらえる説明
三段目 小学生にもわかる説明
取り上げる用語を“知らない”と思った人は、小学生にもわかる説明から読んでみると、理解が深まるかもしれません!?
一段目 ITの知識がある人向け 「サンドボックス」の意味
「サンドボックス」とは砂場のことを指す。ITの分野では「子どもを砂場の中だけでしか遊ばせない」という意味でセキュリティの分野で使われている。具体的には、危険なマルウェアや不完全な開発中のプログラムなどを、保護された領域の「砂場」という安全な環境だけで動作させることで、システムなどに被害を与えることなくマルウェアの動きを調べたり、ほかのプログラムに影響させることなく、新たに作ったプログラムなどをテストする。
二段目 ITが苦手な経営者向け
コンピュータウィルスなどのマルウェアは、パソコン内のソフトを書き換えて寄生したり、データを破壊したりするものが数多くあります。多くのウィルス対策ソフトでは、過去に見つかったマルウェアの情報を「パターンファイル」という形で辞書として持ち、メールの添付ファイルやインターネットからのダウンロードファイルなどの新たにパソコンに追加されたファイルをチェックして、マルウェアを検知しています。
しかし、新種やすでに知られているマルウェアの形を少し変えた亜種などはこのパターンファイルでは検知することができません。そこで、このような未知のマルウェアの対策として、サンドボックスが使われます。
マルウェアと疑われるファイルを通常の環境とは隔離されたサンドボックスのなかで動かすことで、安全を保ちながら怪しい動きを観察し、その振る舞いからマルウェアかどうかを判断します。
ただ、最近のマルウェアはサンドボックスの存在を検知して、サンドボックスと通常環境での振る舞いを変える(つまりサンドボックス環境では無害な振る舞いをする)ものも出てきており、サンドボックスが万能のマルウェア対策とはならないと、セキュリティソフト会社では指摘しています。
三段目 小学生向け
みなさんは小さなころ、砂場で遊んだことはありますか?
お父さんやお母さんが見守る中、砂場では思う存分砂遊びをした思い出がある人もたくさんいるでしょう。この場合には、お父さん、お母さんからすると、君たちが砂場の中で遊んでいる限りは安全なのかを確認できるし、砂場から出て危険な行動をしようとしたら止めることもできます。だから、子供を安心して遊ばせることができる場所なのです。
実は、ITの世界でも、「サンドボックス」といって、この砂場があります。ただし、ITの砂場は、安全に遊んでもらうための場所ではありません。「砂場の中なら何をやってもいいよ」という前提で、パソコンに悪い影響を与えるマルウェアという悪いプログラムを試しに動かしたり、開発している途中で、もしかしたら「バグ」という間違いがあるかもしれないソフトウェアを動かして確認する場所になります。
そして、サンドボックスは、例えば、マルウェアが悪いことをしようとするとすぐに止めてしまいます。また、この砂場では、安全を確保するためにほかのプログラムなどが動く所とはしっかりと分けられています。つまり、サンドボックスはプログラムや悪いプログラムを見つけるための安全に保護された実験の場所なのです。
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