使える! 情シス三段用語辞典37「SDN」

2017/02/28

常に新しい用語が生まれてくる情報システム部門は、全ての用語を正しく理解するのも一苦労。ましてや他人に伝えるとなるとさらに難しくなります。本用語辞典では数々のIT用語を三段階で説明します。

一段目 ITの知識がある人向けの説明
二段目 ITが苦手な経営者に理解してもらえる説明
三段目 小学生にもわかる説明

取り上げる用語を“知らない”と思った人は、小学生にもわかる説明から読んでみると、理解が深まるかもしれません!?

一段目 ITの知識がある人向け 「SDN」の意味

SDN(エスディーエヌ)は「Software-Defined Networking」の略。ソフトウエアでネットワークの構造や構成、設定などの変更ができる仕組みを指す。SDNではソフトウエアで論理的に定義する。ネットワークの物理構成に左右されず、柔軟で動的にネットワーク構成を変更することができるため、ネットワークの効率的な利用や管理が行える。

SDNを実現する技術標準では「OpenFlow(オープンフロー)」が知られている。OpenFlowはドイツテレコム、フェイスブック、グーグル、マイクロソフト、ベライゾンなどが中心となったNPO「Open Networking Foundation」が標準化を進めている。最近ではOpenFlowに対応するネットワーク機器も増えている。

二段目 ITが苦手な経営者向け

従来のネットワークの仕組みでは、発信元から目的地まで、どういう経路でデータを送るのか、どういうルールで送るのかなどを、ネットワーク機器1台1台設定する必要がありました。

このため、機器の構成や設定を自由に変えることは難しかったのです。例えば、社内のフロアレイアウトの変更でネットワークの機器構成を変える場合は機器設定や接続に手間がかかっていました。また、ネットワークの混雑具合をみて経路を変えることは困難でした。

しかし、SDNを使うとソフトウエアでネットワークの設定、制御が可能になります。そのため、ネットワーク構成の変更やネットワーク混雑時に経路の変更などが、ソフトで書き換えるだけで済むのです。また、セキュリティソフトと組み合わせて、マルウエアに感染したPCをネットワークから即座に切り離すこともできます。このように、従来のネットワーク機器ではできなかったことがSDNでは可能になります。

三段目 小学生向け

みなさんがふだんスマホなどでやっているメールやLINEは、メッセージをネットワークという道路を使って送っています。そして、ネットワークを利用するための機械は、相手にどうやったら届くかという道筋を調べて送るようにしています。

ネットワークは網の目のようにつながっているので、どのような道筋をたどっても相手に届けることができます。そして、ネットワークの機械は一番短い道筋を選ぶようになっています。ただし、ほかの道筋を知らないため、たくさんデータを送らなくては行けない時でも一番短い道筋を選んでしまい、ネットワークが混雑してしまうことがあるのです。

ところが、「SDN(エスディーエヌ)」という仕組みを使うと、プログラムで、この道筋を変えることがかんたんにできます。例えば、「A」という道筋が混雑していることがわかったら、「B」という道筋で行くように変える、別の「C」という道筋でデータを送るというふうに変えることができるのです。

このようにSDNを使うことで、今よりより便利にネットワークを使えるようになるのです。SDNでは機械の仕組みも簡単にできるので、機械の値段を安くできるともいわれています。

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