【日経 XTECH EXPO 2018】~その2~ 業務のお悩みが解決するソリューションが大集合!

2018年10月17日(水)~10月19日(金)の期間、東京ビッグサイトで開催される「日経 xTECH EXPO 2018」が開幕した。Security Solutionやクラウド デジタルものづくりなど、全部で10の個別技術展から形成される。情シスNAVIでは、情シス視点からピックアップした実力派のソリューションを紹介する。

攻撃の巧妙化に対峙せよ!進化する防御策 –Security Solution

悪意のある攻撃は日々高度化・巧妙化しており、従来のセキュリティ対策ではカバーしきれない事故が続いている。企業側は各レイヤーで防御をかけることで安全性を高めている。
今会場でもレイヤーごとのソリューションが集結した。全体としてAIを取り入れ、従来の定義パターンと組み合わせて検知率を高めるのが、もはや当たり前となっているように感じられる中、振る舞い検知型と従来のアプローチとは異なるサービスも登場していた。

 

【エンドポイントセキュリティ】 高い検出率でエンドポイントセキュリティを堅牢に −株式会社カスペルスキー

カスペルスキーは、モスクワに本社を置くコンピュータセキュリティ会社で、非上場企業としては最大規模を誇るグローバルカンパニーだ。

鮮やかな緑一色のブースを訪れるとイメージキャラクター「グリーンベア」がお出迎えしてくれる。

同社のブースで展示しているのは「ネクストジェネレーションエンドポイントセキュリティ」だ。エンドポイントプロテクション(EPP)は、何層にも実施する企業のセキュリティ対策において、個々の端末に感染する直前で検知する「水際の防御」となる。
近年の脅威数は激増し、脆弱性を突いた攻撃や、ファイルレスマルウェアなど高度な攻撃が増えた。そのため、ファイアウォールで防げないケースもあり、EPPの重要性が増している。
同製品は、IDCやForresterなどの数多くの第三者評価機関からエンドポイントセキュリティの「リーダー」と位置付けられている。
その秘密は、AIやパターンファイルに加えてアナリストの分析を組み合わせていることにある。ブース担当者によると同業他社と比較してアナリストの人数が多く、分析を重視していることが高い検出率につながっている。
デモ画面では管理画面を見せてもらった。セキュリティインシデントが発生して「CVE(共通脆弱性識別子)」が採番されるが、この番号をクリックすると、脆弱性対応の対象となる端末の一覧が表示することができる。

 

【Firewall】 各レイヤーの防御を連携して有事の対応を自動化 −ソフォス株式会社

ネットワークの保護製品である 「Sophos XG Firewall」、AIで未知の脅威をブロックし、EDR機能も搭載されている進化した エンドポイントセキュリティ製品「Intercept X」が展示されていた。
Sophos XG Firewallの管理画面では、ネットワークやユーザー、アプリケーションのステータスがビジュアライズされて表示され、ひとめでわかるようになっている。

最大の特徴は各製品の連携によってインシデントレスポンスを自動化する機能が備わっていることだ。もし端末が感染した場合、Sophos XG FirewallとIntercept Xが連動し、対象の端末を自動でネットワークから隔離する。
クラウド型管理プラットフォームSophos Centralによって、ファイアウォール、EPP等が連動してセキュリティの一元管理が実現する。

 

【アカウント管理】あちこちに散らばるサーバーのアカウントを一元管理! −株式会社カスタムテクノロジー

アカウント管理は情シスにとって面倒な作業のひとつだ。登録作業は頻発し、作業負荷がかかるため思わぬミスを誘発する。
赤い内装が印象的な株式会社カスタムテクノロジーのブースでは、そんな情シスのお悩みを解決する純国産の統合アカウント管理システム「SyncTrust®IdentityManager」を展示していた。

クラウドサービスも含めた複数のサービスのアカウントを一元化し、ワークフローにより管理権限を委譲することができる。Active Directory上で変更されたパスワードを連携させることも可能だ。

 

IoTソリューションがさらに進化 −デジタルものづくり

ものづくりの現場にいては、早い時期からNC工作機やロボットが取り入れられていたが、ここへきてIoTやARを活用した付加価値の向上に関心が集まっている。今回のイベントでもユニークなソリューションが集まった。

 

【画像解析】空間にマーキングをして現場の作業負荷を改善! −株式会社エム・ソフト

建設現場では、工事内容に変更があった場合、変更内容を付箋でメモし、その場所に貼り付ける作業をしている。しかしそのやり方の場合、変更がデータ化されていないため、データ化するのに時間がかかり、作業もれが発生することも珍しくない。
そこで株式会社エム・ソフトが開発したのがARを活用したサービス「Pinspect」だ。

Pinspectは、変更する箇所をスマートフォンのカメラ画像にピンを立てることで簡単に登録することができる。そのやり方はこうだ。まず建設現場において、起点となる場所に固定マーカーを置き、カメラで読み取る。

次に修正する箇所の場所にピンを立てる。この時にその場所の3次元座標を取得して記憶させる。

修正内容を入力して登録する。これで作業指示内容が作成される。この作業指示を見て作業員が建設現場で、固定マーカーをカメラで読み取り、そのままカメラをかざすと修正箇所が映像にピンとして映し出される。

このようにPinspectは修正内容をその場でデジタル化でき、作業指示が明確化するメリットがある。現在、ベータ版を公開中で、2018年内には正式版を発表する予定だ。

 

【におい×IoT】においの検知で予防検知を図る! −株式会社コア

IoTによってさまざまな情報が取得されつつあるが、「におい」については実現されていなかった。株式会社コアはこの未開の分野に注目し、設備の異常を早期発見・早期対応できるソリューションを開発した。

「においセンサーBOX」が、人がかすかに感じるにおいに反応し、配管の亀裂等からのガス漏れや配線コードのショートから生じるにおいなどを検知することができる。

においセンサーBOXを設置しておけば、プラント・設備のコンディションの確認や、わずかな異常事態の検知を遠隔で監視することができる。また、さまざまなにおいのメカニズムを抽出し、分析することが可能だ。
2018年7月にリリースされた「においトライアルキット」では簡単に導入できるので、コストと時間をかけずにPoCを行うことができる。

 

【AI品質検査】AIによりわずかな不良も見逃さない −システム計画研究所/ISP

AIはさまざまな分野で活用が期待されているが、AIが学習するために大量データが必要となるのがネックとなっていた。
システム計画研究所/ISPが開発した外観検査用ソフトウェア「gLupe™ (ジー・ルーペ)」は、独自技術により少量の正常データのみでAIが学習できるのが特徴だ。

専用カメラ、専用照明を取引先の検査場に取り付け、カメラが撮影した画像によって不良品かどうかを判別し、不良品の場合は通知する機能を持つ。ブース担当者によると取引先の検査する製品の特質に合わせて開発するのが通例で、ブースには、システムをイメージできるように特定の取引先向けに開発したものが展示されていた。

左側のカメラで割れたクッキーを撮影すると、右側のモニターに不良品と判別した部分を赤く表示している。この判別部分は許容範囲を調節することが可能だ。

 

最新技術を駆使した独創的なソリューションに注目

Security Solutionでは、悪意のある攻撃が巧妙化していることから、エンドポイントセキュリティ製品の充実ぶりが目立った。デジタルものづくりでは、最先端技術をうまく取り入れた独創的なソリューションが多かった。どの分野においても、今後は最新技術をどのような発想で取り入れているかに注目していくべきだろう。

 

【執筆:編集Gp 山際 貴子】

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