こんにちは。UIデザイナーのカヒブンです。
近年、AI(人工知能)の発展が特に早く進んでいます(特にChatGPT)。デザイン業界では、AIの進化によってグラフィックデザイナーやイラストレーターなどの職業に大きな挑戦が生まれていて、UIデザインも同じ状況です。今回は、UIデザイナーとして、いくつかのAIを利用したUIデザインツールを紹介するのと、AIとUIデザイナーの仕事について話したいと思います。
AIを利用したUIデザインツール
AIを利用したUIデザインツールは、初心者からプロフェッショナルまで幅広いデザイナーに支持されています。以下に、いくつかのツールを紹介し、それぞれの特徴について紹介したいと思います。
Uizard
Uizardは、UX/UIデザインプロセスを簡単にするために設計されたAI搭載のワイヤーフレーム作成およびプロトタイピングツールです。手描きのスケッチやスクリーンショットをデジタルデザインに変換することができ、ドラッグ&ドロップのコンポーネントやテキストプロンプトを使って、最初からワイヤーフレームやプロトタイプを作成することもできます。
- スクリーンショットを編集可能なモックアップに変換
既存のアプリやウェブサイトのスクリーンショットをアップロードすると、Uizardがそれらをカスタマイズ可能なデザインに変換します。この機能により、既存のレイアウトを素早く自分の要件に合わせて調整できます。
- コンポーネントとテンプレート
Uizardは、モバイルアプリ、ウェブアプリ、ウェブサイト、タブレットのインターフェース設計に使用できる豊富なテンプレートとUIコンポーネントのライブラリを提供します。これにより、最初からデザインを作成する必要がなくなり、作業が効率化されます。
- テキストプロンプトによるプロトタイピング
Uizard Autodesigner 1.5を使えば、デザインアイデアをテキストで入力するだけで、ツールがそれに基づいて画面やテーマ、プロトタイプを生成します。これにより、迅速な反復とコンセプトの可視化が可能になります。
Galileo AI
Galileo AIは、インターフェースデザインに特化した生成AIです。テキストや画像を入力するだけで、モバイルやWebのUIを生成してくれます。特に魅力的なのは、Figmaで編集可能なデザインデータを出力できたり、実装可能なコードをエクスポートできる点で、実際の業務でも活用できそうです。Galileo AIを使って、よりスピーディーにUXデザインを進める方法は以下の通りです。
- テキストプロンプトでUIデザインを生成
「デザインを説明してください」というフィールドに、いくつかのキーワードを入力します。例えば、「デジタルノマド向けのモバイル出会い系アプリ」などと入力して「生成」をクリックします。生成されたUIデザインは編集可能なので、自分の好みに合わせてカスタマイズできます。 - 既存のデザインをFigmaにコピー
自分のデザインを生成するだけでなく、他のユーザーが作ったデザインをコピーすることもできます。気に入ったデザインがあれば、Figmaにコピーしたり、Galileoプラットフォーム内で「Try it」をクリックして直接編集することもできます。
ChatGPT
ChatGPTは、AIによって動作するチャットボット(いわゆる言語モデル)で、入力された内容に基づいて、人間のようなテキスト応答を理解し生成することができます。質問をしたり、どんな出力が欲しいかを指示するプロンプトを入力したりして使います。
ChatGPTとのやり取りは、会話をしているような感じです。必ずしも100%正確であるわけではありませんが、UXデザインプロセスの中で非常に役立つアシスタントとなることがあります。
まず、ChatGPTは完全なUXソリューションではなく、全てのタスクを代わりにこなしてくれるわけではありません。しかし、適切に言葉を選んだプロンプトを入力すれば、アイデアのきっかけを与え、いくつかのプロセスをスタートさせるのに役立ちます。以下は、ChatGPTをUXに活用する方法の一部です。
- 競合調査の補助として
ChatGPTにプロンプトを入力して、デザインしているプロダクトの競合リストを作成したり、その競合の課題を特定したり、主要なユーザーのデモグラフィックプロフィールを生成してもらうことができます。これにより、競争環境を理解し、さらなるリサーチと分析の基礎を築けます。 - アイデア出しの補助として
ChatGPTはアイデア出しやクリエイティブなプロセスのスタートにも役立ちます。例えば、ユーザーインタビューの準備をしているなら、ChatGPTにオープンエンドなインタビュー質問の提案をしてもらうことができます。また、新しいアプリのコンセプトを考えている場合、アプリに必要な機能や特徴のリストを生成してもらうこともできます。
UX/UIデザイナーが日々の業務でChatGPTをどのように活用できるかについては、こちらでご参照ください。
AIはUIデザイナーの仕事を奪うのか?
UIデザイナーとして、皆さんが一番気になるのは、AIの急速な発展によって、「UIデザイナーの仕事が徐々に取って代わられるのではないか」という点だと思いますね。10年後または未来のAIがどこまで発展するかは予測できませんが、現在のところ、AIはUIデザイナーの仕事の部分的には取って代わるが、完全には不可能かなと思います。
確かに、AIは効率的に作業を自動化し、デザイナーの時間を大幅に節約してくれます。しかし、デザインにはクリエイティブな発想が必要です。こうしたクリエイティブな部分は、現時点ではAIには完全に代替できません。 さらに、UIデザインには人間との共感や感情の理解が不可欠です。ユーザーの体験を考慮しながら、より良いインターフェースを設計するためには、人間の感覚や経験が必要です。
ですので 、今後もデザイナーの役割は重要であり、AIを活用してより良いデザインを作り上げるためのスキルが求められるかと思っています。
AIに任せることができるUIデザインのタスク
現状、AIが得意とするUIデザインの仕事は、繰り返しが多い単純な作業です。例えば、ボタンの配置などやレスポンシブデザイン作成、カラーパレットとアイコンデザインの自動提案などが挙げられます。
一方で、クリエイティブな部分、つまりブランドイメージに合った独自のデザインや、人間の経験が重要となる部分は、まだAIには難しいかと思います。デザインの全体像を考える力や、細かなニュアンスを理解する能力は、人間にしかできない仕事ではないかなと思います。
最後に
AIとUIデザイナーの仕事についてのお話は以上です。次回は、AIを活用したUIデザインツールの使い方や、どのようなUIが生成されるのかについて投稿したいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
コーディング超苦手なデザイナーが実装を任されたのでやったことをまとめていく
If You Build It, Will They Come Back? 4 Ways to Keep Users Happy