UIデザイン改善でスマホアプリの効果倍増!?成功の秘訣とは

スマホアプリの機能を最大限に発揮するには、優れたUIデザインが不可欠です。ユーザーにとって使いやすく、直感的に操作できるアプリは、高い評価を得るだけでなく、利用者の満足度を向上させ、ビジネスの成果を倍増させる要素として外せません。良いUIデザインは、ユーザーの操作感を向上させ、結果としてコンバージョン率(CVR)やユーザー満足度を向上させます。

本記事では、スマホアプリのデザインを戦略的に改善し、チームで成果を最大化する方法を紹介します。すぐに実践しやすい具体的な施策にフォーカスし、プロジェクト成功への道筋を示します。

1.UIデザインの基本とスマホアプリへの影響

UIデザインとは何か?

UIデザインとは、ユーザーインターフェースデザインの略で、デジタル製品やサービスの使いやすさを向上させるための視覚的設計のことです。ユーザーがスムーズに操作できるよう、レイアウトや色、アイコンの配置などを工夫し、快適に利用できるものを提供します。

見た目の美しさだけでなく、使いやすさや直感的な操作性を重視した設計が求められます。UIデザインは、ユーザーエクスペリエンス(UX)を向上させるための重要な要素であり、ユーザーがアプリやウェブサイトをどのように感じ、どのように使うかに大きな影響を与えます。

UIデザイン基礎的な内容にご興味のある方は、こちらをご覧ください。

スマホアプリにおけるUIの重要性

スマホアプリにおけるUIの重要性は、ユーザーの第一印象を左右することにあります。スマホはPC画面と比較すると小さな画面であるため、情報を効果的に配置し操作を簡単にする必要があります。優れたUIは、ユーザーにとってストレスなく目的を達成できる体験を提供し、製品やサービスの長期的な利用にもつながります。

逆に、使いにくいUIはユーザーを他のアプリに逃がしてしまうリスクがあることを知っておきましょう。

 

2.効果的なUIデザインがスマホアプリにもたらす強み

効果的なUIデザインには、スマートフォンアプリにとって多くの強みがあります。特にプロジェクト全体を任されている方々にとっては、効果的なUIデザインは「ビジネス成果に直結すること」をしっかり認識しておきましょう。

詳細は次の章から説明します。

 

3.ユーザー中心!スマホアプリのデザイン改善を支える事前準備

スマホアプリのUIデザイン改善はユーザー中心設計(UCD:User-Centered Design)を基本とすべきです。これを実践するために、以下の3つの視点を取り入れる必要があります。具体的な作業については専門分野であるデザイナーに任せて問題ないですが、正しいアプローチをするためには、スマホアプリでの課題や定量的な数値目標、守るべきガイドラインなどをきちんとチームメンバーへ発信することが大切です。

①ユーザーのニーズを把握する

ユーザー中心のデザインを実現するためには、まずユーザーのニーズを正確に把握することが重要です。これには、ユーザーインタビューやアンケート調査、行動観察などの手法が用いられます。これらの手法を通じて、ユーザーが何を求めているのか、どのような問題を抱えているのかを理解し、それに基づいたデザインを行うことが求められます。

取り掛かりやすい方法としては、タップ率・スクロール率のデータを収集し、導線設計を最適化やアプリ内の滞在時間や離脱ポイントを解析し、問題点を特定するやり方が挙げられます。また、入力フォームを最適化し、ワンタップの操作性を重視し利用時の不安要素(例:エラーメッセージのわかりやすさ)を改善するのもお勧めです。

企業として提供したいものだけでなく、利用するユーザーの新の目的を達成するのに不足がないか、常に思考を巡らせることを意識しましょう。

②ペルソナ設定

ペルソナとは、代表的なユーザー像を具体化したモデルのことです。ペルソナを設定することで、デザインチームは実際のユーザーを想定しながら、より具体的で効果的なデザインを考えることができます。ペルソナ設定は、ユーザーのニーズや行動パターンを理解するために重要であり、デザインの方向性や優先順位を決定する際に役立ちます。

実際のユーザー層に沿ったターゲットペルソナを設定し、デザインを適合させ、年齢・デバイス環境・利用目的を考慮し、UIを設計することが重要です。

③ユーザビリティテストの実施

ユーザビリティテストは、実際のユーザーがアプリを使用する際の問題点を発見するための有効な手段です。テストを通じて、ユーザーがどのようにアプリを操作し、どの部分で困難を感じているのかを把握することができます。この情報をもとにUIデザインを改善し、より使いやすいアプリを提供することが可能になります。

 

プロジェクト開始時に①と②を、完成前に③をしっかり実施しましょう!

 

4.視覚的要素の最適化

事前準備が整ったら、次は専門的なタスクの進行です。これ以降の対応については、原則デザイナーが担う部分とリーダー・マネージャーが関与すべき部分を明確に分けることで円滑に進めることができます。とはいえ、プロジェクトをまとめる役割でもタスクの要素について分かっておくことはデザインの効果を発揮させるのに必須と言えます。

色彩とフォントの選び方

色彩とフォントは、UIデザインの印象を左右する重要な要素です。色彩は、ユーザーの感情に直接影響を与え、ブランドイメージを形成します。フォントは、情報の読みやすさに直結し、適切なサイズやスタイルを選ぶことが求められます。これらを効果的に組み合わせることで、視覚的に魅力的でありながら、ボタンや強調部分のカラールールを統一し、迷いを減らし使いやすいインターフェースを作り出すことができます。

カラースキームの一例

レイアウトとナビゲーションの工夫

レイアウトとナビゲーションは、ユーザーが情報にアクセスしやすくするための工夫が求められます。シンプルで直感的なレイアウトは、ユーザーが直線距離で目的の情報にたどり着けるようにします。また、ナビゲーション機能は、一貫性があり分かりやすい構造が重要です。これにより、ユーザーのストレスを軽減し快適にアプリを利用できる環境を提供します。

レスポンシブデザインの導入

レスポンシブデザインは、異なるデバイスや画面サイズに対応したデザインを提供するための手法です。スマホ以外にもPCやタブレットなど、さまざまなデバイスでアプリが利用されることを考慮し、レスポンシブデザインを導入することでどの環境でも最適な表示を実現できます。これにより、ユーザーはデバイスを気にせずにアプリを利用できるようになります。

 

5.インタラクションデザインの向上

ユーザーの操作感を向上させるためにインタラクションデザインを強化させます。視覚的要素の最適化と同様に、デザインの効果効能を知っておきましょう。

タッチジェスチャーの最適化

スマホアプリでは、タッチジェスチャーがインタラクションの主な手段になります。スワイプやタップ、ピンチなどのジェスチャーを適切に設計し、ユーザーが直感的に操作できるようにすることが重要です。タッチジェスチャーの最適化により、ユーザーの操作ミスを減らし、よりスムーズな体験を提供することができます。

フィードバックとアニメーションの活用

フィードバックとアニメーションは、ユーザーの操作に対する反応を示す重要な要素です。ボタンを押したときのビジュアルフィードバックや、ページ遷移時のアニメーション効果は、ユーザーに安心感を与え、操作が反映されていることを視覚的に確認させます。これによりUIの一貫性を保ちつつ、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。

ロード時間の短縮と効率化

ロード時間の短縮は、ユーザーの離脱を防ぐために非常に重要です。アプリの起動やページの読み込みが遅いと、ユーザーはストレスを感じやすくなり他のアプリに移ってしまう可能性があります。効率的なデータ処理や通信手法を用いることで、ロード時間を短縮し、スムーズなユーザー体験を提供することが求められます。

 

6.継続的な改善とユーザーフィードバックの活用

UIデザインは、ユーザーの期待や行動の変化に合わせて常に最適化が求められます。デザインの良し悪しは仮説から始まり、実際の反応やデータをもとに改善を繰り返します。また、企業の方向性やKPIも事業のフェーズによって変化するため、それに応じたデザイン調整が欠かせません。よって、UIデザインの改善は一度きりではなく継続的に進化させる必要があるのです。

■ ユーザーデータの収集と分析

継続的な改善を行うためには、ユーザーデータの収集と分析が不可欠です。アプリの使用状況やユーザーの行動パターンをデータとして記録し、それを分析することで、改善すべきポイントを特定できます。これにより、ニーズに合ったアップデートを提供し続けることが可能になります。

■ A/Bテストによるデザインの検証

A/Bテストは、異なるデザイン案を比較して、どちらがよりユーザーに受け入れられるかを検証する手法です。これにより、UIデザインの効果を定量的に測定し、最適なデザインを選択することができます。A/Bテストを活用することで、デザインの改善を科学的に進めることができます。

■ ユーザーフィードバックの反映と改善策

ユーザーからのフィードバックは、UIデザインを改善するための貴重な情報源です。ユーザーの声を積極的に収集し、それをもとに改善策を講じることで、より良いユーザー体験を提供することができます。フィードバックを反映したアプリは、ユーザーにとって魅力的であり、長期的な利用を促進します。

 

7.Webのアプリ(Webサイト)とスマホアプリ(ネイティブアプリ)での対比

そもそもWebアプリとネイティブアプリの違いについてご存じでしょうか。2つの大きな違いとしては、下記が挙げられます。

  • インストールすることなくWebブラウザ上で動く(Web)
  • インストールして端末で動く(ネイティブ)

少し前まではインストールするひと手間を嫌厭しネイティブアプリのほうが利用者数が多い傾向にありましたが、近年ではネイティブアプリを好むユーザーも増加しており、ネイティブアプリのみを利用する層にアプローチをかけるためにスマホアプリの開発を進める企業も増えてきました。

今回は少し古い情報にはなりますが、リクナビNEXTさんのUIデザインを対比した内容を紹介いたします。

トップ画面

Webアプリとネイティブアプリのトップ画面は、情報量や初期表示の違いが特徴的です。

  • Webアプリ: 検索エンジン対策のため、情報量が多くコンテンツが充実
  • ネイティブアプリ: 求職者の希望条件に合う求人をトップで表示。インストール時に希望条件の登録が必須のため、最初から適切な求人が表示される

また、会員登録・ログインボタンのデザインも異なります。

  • Webアプリ: 「会員登録」ボタンは赤(サービスカラー)、ログインは青
  • ネイティブアプリ: 「会員登録」ボタンはグレー、ログインは赤

これは、Webでは新規ユーザー獲得を優先し「会員登録」ボタンを目立たせる戦略、ネイティブアプリでは既存ユーザーが多いため「ログイン」ボタンを強調しているのかもしれません。

求人検索結果

Webとネイティブアプリの検索結果画面の違い

  • Webアプリ: 画像を大きく表示し、タグや説明テキストに色を多用して視覚的に賑やか
  • ネイティブアプリ: 求人の見出しが大きく、テキストは基本的に黒が中心でスッキリした印象

また、ボタンの配置にも違いがありました。

  • Web: 「気になる」ボタンと「応募画面へ」ボタンが表示されている
  • ネイティブ: これらのボタンはなく、シンプルな構成

全体的に、Webは視覚的に目を引くデザイン、ネイティブは内容をしっかり見せるデザインになっていました。

8.事例から学ぶUIデザインの秘訣

スマホアプリのUIデザイン事例

実際にスマホアプリのUIデザイン改善事例を学ぶことで、効果的なデザインの要素を理解することができます。今回は3つご紹介します。

Häagen-Dazsのアプリデザイン

高級アイスクリームブランドのHäagen-Dazsは、スマホアプリのUIデザインを改善し、ブランドイメージを強化しました。直感的な操作性と洗練されたデザインを採用し、ユーザーの購買体験を向上させました。
参考:https://www.haagen-dazs.co.jp/company/newsrelease/2023/0413.html

メルカリのUIデザイン改善

フリマアプリ「メルカリ」は、ユーザーがより簡単に商品を出品・購入できるようにUIを改善しました。シンプルなデザインと視認性の高いボタン配置により、ユーザーの操作性を向上させました。記事の中にも『一番慎重に、そして大事に進めたのが「認識のすり合わせ」です』と述べられているのが印象的です。
参考:https://careers.mercari.com/mercan/articles/26192/

SmartNewsのUIデザイン最適化

ニュースアプリ「SmartNews」は、情報の整理と視認性向上のためにUIデザインを改善しました。記事の読みやすさを向上させるため、フォントサイズやレイアウトを最適化しました。
参考:https://developer.smartnews.com/blog/2018/06/product_designer/

失敗を避けるためのポイント

失敗を避けるためには、ユーザーの視点に立ってデザインを考えることが重要です。過度に複雑な操作や、見づらいインターフェースは、ユーザーのストレスを増加させ、アプリの評価を下げる原因となります。シンプルさと使いやすさを常に念頭に置き、ユーザーの期待に応えるデザインを心がけましょう。

最新トレンドと未来のUIデザイン

UIデザインは常に進化しており、最新のトレンドを取り入れることで、競争力のあるアプリを開発することができます。例えば、ダークモードの導入や、音声インターフェースの活用などは、近年のトレンドとして注目されています。これらの新しい要素を積極的に取り入れ、未来のUIデザインを見据えたアプローチを行うことが、スマホアプリのUIデザイン改善における成功につながります。

9.まとめ

今回は、UIデザイン改善でスマホアプリ効果を倍増させるための秘訣について詳しくご紹介しました。優れたUIデザインは、ユーザー満足度を高め、ビジネスの成功に直結する重要な要素です。この記事を参考にして、単なる見た目の問題ではなく効果的なUIデザインを追求しスマホアプリの成果を最大化することは、ビジネス戦略としての重要な投資であることがお分かりいただけたと思います。

ここまでお伝えした内容とあわせて、具体的なスマホアプリのUIデザイン改善を進めるための専門的なアドバイスやサポートが必要な際は、下記よりお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人:takahashi

2022年、初めての転職活動を経て現職へ。情シスナビ編集部以外にもバックオフィス業務や営業サポートも担当。情シスやIT業界に関する情報を分かりやすくお届けします。

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