バックドア攻撃の概要と対策

  • 2025/2/5
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サイト運営においてセキュリティを考慮することは必須であり、セキュアな状態を維持することは難しくもあります。
昔からサイトに対して様々な手法のサイバー攻撃がありますが、今回はバックドア攻撃について紹介します。

バックドア攻撃とは

バックドア攻撃とは、攻撃者がシステムへの非公式のアクセスを得るためにシステム内に隠れた入口(バックドア)を設置するサイバー攻撃です。このバックドアを通じて、攻撃者はシステムの制御を握ることができ、データの盗難、機能の乗っ取り、追加のマルウェアの配布など、多岐にわたる悪意ある活動を行うことが可能になります。

設置されるバックドアには様々な種類があり、jpgやico形式の画像ファイルが利用されることもあります。これらはもちろんただの画像ファイルではなく、エンコードされた悪意あるコードが格納されています。

攻撃を受けるとどうなるか

バックドア攻撃による攻撃の例です。

  1. 何らかの方法によりバックドアとなるファイルがサーバー内に設置されます。
  2. そのファイル単体、または外部からコードを呼び出します。
  3. 2のコードにより攻撃が実行されます。トップページや.htaccessファイルなどの設定ファイルの書き換えが行われることがあります。
  4. このとき、書き換えられたファイルはパーミッションが444(どのユーザーに対しても読み取りのみ)に変更され、簡単には変更できないようにすることもあります。
  5. 書き換えられたファイルをバックアップ等から正常なファイルに変更しても、2のファイルを削除しないかぎり3以降の攻撃が続けられます

このようなバックドア攻撃を受けると、以下のような被害が発生する可能性があります。

データ漏洩
顧客情報、財務情報などの機密データが盗まれる。

システムの乗っ取り
攻撃者がシステムの制御を完全に握り、正常な運用が不能になる。

追加攻撃の実施
バックドアを通じて他のマルウェアを導入し、さらに広範な攻撃を行う。

信用失墜
顧客やパートナーからの信頼を失うことで、ビジネスへの長期的な損害を与える。

また、バックドア攻撃を受けているということに気づきにくいというケースもあります。
「サーチエンジンの検索結果からアクセスのあった場合のみ、別サイトにリダイレクトさせる」というコードを追加するという攻撃もあります。URLの直接入力やブックマークからアクセスした場合は正常なサイトが表示されるため、攻撃を受けているということに気づかれるまでの時間を稼ぐ(攻撃に成功している時間を伸ばす)というものです。

攻撃を検出するには

バックドア攻撃を検出するためには、以下の兆候に注意することが重要です。これらはサイトが侵害されている可能性を示唆するサインです。

不審な挙動
サイトの表示や処理が遅くなったり、クラッシュしたり、予期せぬ動作を行ったりするなどの異常な挙動が見られる場合などが該当します。

見覚えのないプログラムやファイル
システム上に見知らぬプログラムやファイルが現れること。これは攻撃者がツールをアップロード、インストールした可能性があります。ランダムな文字列など見るからに怪しいファイル名ではなく、意味のある、よくあるファイル名であることが多いです。

通信の異常
ネットワークトラフィックに異常が見られ、外部のサーバーへの不審な通信があったり、普段と異なる時間帯の通信が増えたりする場合があります。

ログイン試行の増加
ログファイルに異常なログイン試行や、成功したログインの記録が普段以上に多い場合があります。

セキュリティ設定の変更
アクセス権限が不正に変更されたり、セキュリティ関連の設定が無断で変更されたりする場合があります。

アンチウイルスやファイアウォールの無効化
セキュリティソフトウェアが無効にされたり、通常とは異なる動作をしたりする場合があります。

これらの兆候を早期に察知するためには、適切なセキュリティツールを使用し、システムの監視を強化することが必要です。また、定期的なセキュリティ監査や脆弱性のスキャンを行うことで、バックドアの設置を未然に防ぐことも可能になります。

攻撃を受けた後の対処方法

バックドア攻撃に気づいた場合、セキュリティ機能によって検出した場合は迅速な対応が重要です。以下は対処方法の一例です。

  1. 通信の遮断:攻撃が確認されたシステムのインターネット接続を遮断し、外部との通信を停止します。
  2. バックアップの確認と復元:攻撃前のクリーンな状態への復元を試みます。これには事前に取得しておいたバックアップが必要です。不測の事態に備えて定期的なバックアップの取得をお勧めします。
  3. 見覚えのないファイルの確認:バックドア攻撃の場合、コードをエンコードしたファイルを画像ファイルとして追加している場合があります。不審なファイルがあれば削除してください。
  4. 専門家の導入:セキュリティ専門家による調査と修復を依頼します。
  5. セキュリティの強化:再発防止策としてセキュリティ対策を見直し、強化します。定期的なサイトやファイルの監視も有効です。

攻撃を受ける前の対処方法

バックドア攻撃を未然に防ぐためには、以下のような予防策が効果的です。

  1. セキュリティの教育:従業員に対するセキュリティ意識の向上と教育を行う。
  2. 定期的なセキュリティチェック:システムの脆弱性を定期的にチェックし、必要に応じてパッチを適用する。
  3. 多要素認証の導入:アカウントのセキュリティを強化するため、多要素認証を導入する。
  4. 監視システムの整備:不審なアクセスや異常なデータの流れを監視し、早期に対応できる体制を整える。
  5. WordPress向けの対応:不要なプラグインやテーマは削除し、残っているものは常に最新の状態に保ちます。また、管理画面へのアクセスIPを制限するなど、アクセス制御を厳格に行います。

これらの対策を講じることで、バックドア攻撃のリスクを最小限に抑えることができます。サイバーセキュリティは日々進化しているため、常に最新の情報を得て対策を更新し続けることが重要です。

まとめ

バックドア攻撃は、攻撃者がシステムに隠れた入口を設置して不正アクセスを行うサイバー攻撃です。
この攻撃による被害にはデータ漏洩、システムの乗っ取り、信用失墜など、組織にとって深刻な影響を及ぼす可能性があります。攻撃の兆候を早期に察知するためには、システムの異常な挙動、未知のファイルの出現、不審な通信などに注意が必要です。バックドア攻撃を受けた場合の対処方法としては、通信の遮断、バックアップからの復元、セキュリティの専門家による調査などが挙げられます。

特にWordPressサイトを運用する際には、プラグインとテーマの管理、強固なパスワードの使用、セキュリティ監視ツールの導入、アクセス制限の強化などが重要です。また、事前の対処方法としてセキュリティ教育の実施、定期的なセキュリティチェック、多要素認証の導入、監視システムの整備などが効果的です。これらの措置により、バックドア攻撃のリスクを最小限に抑え、安全なシステム運用を目指しましょう。

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