JSON-LDとSEO対策
- 2025/3/4
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SEO対策のひとつとしてJSON-LDの名前を見ることが増えてきました。JSON-LDとは何か、どのようなメリットがあるのか、どのように導入すればよいのかが不明確だったため、簡単にまとめました。
この記事の目次
JSON-LDとは
JSON-LD(JSON for Linked Data)は、Webページに関する情報を構造化して検索エンジンに提供するためのフォーマットです。JSON-LDは2014年にW3Cによって公式なWeb標準として承認されました。それ以前から多くのWeb開発者やSEO専門家が利用を開始しており、特にGoogleが強力に推奨していることから、広く普及しています。
JSON(JavaScript Object Notation)をベースにしており、データを整理しやすく、マシンが理解しやすい形式で提供します。これにより、検索エンジン(はサイトの内容をより正確に理解し、検索結果の表示を最適化することができます。
HTMLタグの構造やその内容が正しく理解されない場合、データが収集されにくくなってしまいますが、JSON-LDを設定することで正しい構造化データを引き渡すことができるようになるものと期待します。
JSON-LDの導入メリット
JSON-LDを導入する最大のメリットは検索エンジンの理解を助け、SEO効果の向上につなげることです。構造化データを用いることで、Googleなどの検索エンジンがサイトの内容を正確に把握し、リッチリザルトとして表示することが増えます。これにより、クリック率の向上につながる可能性があります。また、構造化データはサイトのコンテキストを明確にし、ユーザーにとって有益な情報提供が可能になります。
JSON-LDはコードが軽量であるため、ページのパフォーマンスを低下させることなく、モバイルフレンドリーなサイト構造を維持することができます。また、モバイル向けに最適化された構造化データは、モバイル検索での視認性の向上にも寄与します。
リッチリザルトの例
JSON-LDの導入方法
JSON-LDの導入方法はシンプルで、以下のようなタグを<head>または<body>タグの中に追加することで設定できます。
シンプルなJSON-LDの例
<script type="application/ld+json">
{
"@context":"https://schema.org",
"@type":"WebSite",
"name":"情シスナビ",
"url":"https://josysnavi.jp/",
"description":"コーポレートエンジニア、業務ハッカー、様々な呼び名で呼ばれるようになった”情シス”。DXを担う必要不可欠な存在です。『情シスナビ』は忙しい皆様のお役に立つ情報を発信する”情シス応援”メディアです。"
}
</script>
Googleの提供する構造化データ マークアップ支援ツールを利用してJSON-LDを作成することができます。項目を一つずつ選択することでJSON-LDが作成できますので、コーディングに不慣れな方にも向いています。
また、WordPressではプラグインを利用してJSON-LDを作成することもできます。
たとえば、「Yoast SEO」や「All in One SEO Pack」などのSEOプラグインが自動的にJSON-LD形式で構造化データを生成し、サイトに適用します。これらのプラグインをインストール後、基本設定を行うだけで、効果的なSEO対策が可能です。
JSON-LDに設定できる項目
JSON-LDで設定できる項目は、Schema.orgで定義された様々なプロパティとタイプに基づいています。これらはWeb上の事物を表すための広範囲にわたる語彙を提供し、様々なカテゴリーのデータを記述するために使用されます。以下は、JSON-LDに設定できる主要なものを説明します。
▼Person – 個人に関する情報を表します。
name: 個人の名前。
jobTitle: 職業や役職。
telephone: 電話番号。
email: 電子メールアドレス。
address: 住所(PostalAddressオブジェクトを使用)。
▼Organization – 組織に関する情報を表します。
name: 組織の名前。
url: 組織のウェブサイトのURL。
logo: 組織のロゴ。
contactPoint: 連絡先情報(ContactPointオブジェクトを使用)。
founder: 創設者(Personオブジェクトを使用)。
▼Event – イベントに関する情報を表します。
name: イベント名。
startDate: 開始日時。
endDate: 終了日時。
location: 開催場所(Placeオブジェクトを使用)。
performer: 出演者(PersonまたはOrganizationオブジェクトを使用)。
▼Product – 製品に関する情報を表します。
name: 製品名。
image: 製品の画像URL。
description: 製品説明。
sku: ストック保持単位(SKU)。
offers: 販売情報(Offerオブジェクトを使用)。
▼Place – 場所に関する情報を表します。
name: 場所の名前。
address: 住所(PostalAddressオブジェクトを使用)。
telephone: 電話番号。
▼CreativeWork – クリエイティブな作品(本、映画など)に関する情報を表します。
name: 作品名。
author: 著者(PersonまたはOrganizationオブジェクトを使用)。
datePublished: 公開日。
image: 作品の画像URL。
▼Review – レビューに関する情報を表します。
reviewRating: レビューの評価(Ratingオブジェクトを使用)。
author: レビューの著者(Personオブジェクトを使用)。
reviewBody: レビューの本文。
JSON-LDはどこまで設定するべきか?
<meta>タグのkeywords設定が多くてもあまり意味がなく、むしろ悪い評価につながることもありました。JSON-LDを用いた構造化データの設定には適切なバランスが必要とされ、どの程度まで設定するかは、サイトの目的、内容の種類、どのように検索エンジンに情報を表示したいかによって異なります。以下に、適切な設定の範囲と情報量についての指針を示します。
JSON-LDの設定の適切な範囲
必要な情報のみを提供する
そのページの主要なコンテンツや機能に関連する構造化データのみを提供します。例えば、製品ページには製品に関連する情報、ブログ投稿には記事の内容に関連する情報を含めるべきです。
重要なプロパティに焦点を当てる
Schema.orgで定義されているプロパティは非常に多岐にわたりますが、すべてを使用する必要はありません。Googleがリッチリザルトで使用するプロパティや、ユーザーにとって価値のある情報に焦点を当てることが重要です。
ページの目的に合致させる
JSON-LDの設定は、そのページが何を目的としているかに基づいて行うべきです。例えば、求人情報、イベントの詳細、企業情報など、目的に応じた情報を提供します。
情報が多すぎる場合のデメリット
パフォーマンスの低下
ページに大量の構造化データが含まれていると、ページのロード時間が遅くなる可能性があります。これは、特にモバイルユーザーにとって不利益になる可能性があります。
メンテナンスの複雑化
大量の構造化データを維持更新することは、時間がかかりエラーが発生しやすくなります。情報が古くなると、SEOに悪影響を及ぼす可能性があります。
スパムと見なされるリスク
Googleは、ページ内容と直接関係のない過剰な構造化データをスパムと見なすことがあります。これにより、ページやサイトが検索ランキングでペナルティを受ける可能性があります。
JSON-LDの設定例
シーン別の設定例を紹介します。
求人案件一覧
検索結果では、求人のリストが「求人一覧」として表示され、各求人には職種名や勤務地がリスト形式で並び、詳細へのリンクが提供されます。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "http://schema.org",
"@type": "ItemList",
"itemListElement": [
{
"@type": "ListItem",
"position": 1,
"item": {
"@type": "JobPosting",
"title": "ソフトウェアエンジニア",
"description": "最新技術を駆使して開発に携わるソフトウェアエンジニアを募集。",
"employmentType": "full-time",
"datePosted": "2025-02-25",
"validThrough": "2025-03-31",
"hiringOrganization": {
"@type": "Organization",
"name": "サンプル株式会社",
"sameAs": "https://www.sample.com"
},
"jobLocation": {
"@type": "Place",
"address": {
"@type": "PostalAddress",
"streetAddress": "中央区銀座0-0-0",
"addressLocality": "東京都",
"addressRegion": "JP"
}
}
}
}
]
}
</script>
個別の求人案件
検索結果では求人のタイトル、簡単な説明、勤務地、そして「応募する」のリンクがリッチリザルトとして表示されます。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "http://schema.org",
"@type": "JobPosting",
"title": "Webデザイナー",
"description": "クリエイティブなWebデザインスキルを活かして、ユーザー中心のウェブサイトをデザイン。",
"employmentType": "full-time",
"datePosted": "2025-02-20",
"validThrough": "2025-03-20",
"hiringOrganization": {
"@type": "Organization",
"name": "サンプル株式会社",
"sameAs": "https://www.sample.com"
},
"jobLocation": {
"@type": "Place",
"address": {
"@type": "PostalAddress",
"streetAddress": "渋谷区恵比寿0-0-0",
"addressLocality": "東京都",
"addressRegion": "JP"
}
}
}
</script>
プレスリリース
検索結果ではニュース記事のタイトル、発行元、発行日が表示され、記事の内容へのリンクが提供されます。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "http://schema.org",
"@type": "NewsArticle",
"headline": "新製品発表会のご案内",
"description": "次世代スマートデバイスの発表を予定しています。",
"datePublished": "2025-02-01",
"publisher": {
"@type": "Organization",
"name": "サンプル株式会社",
"logo": {
"@type": "ImageObject",
"url": "https://www.sample.co.jp/logo.png"
}
}
}
</script>
会社案内
検索結果では会社のロゴ、名前、およびウェブサイトへのリンクが表示されます。SNSのリンクも同様に表示されることがあります。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "http://schema.org",
"@type": "Organization",
"name": "サンプル株式会社",
"url": "https://www.sample.co.jp",
"logo": "https://www.sample.co.jp/logo.png",
"contactPoint": {
"@type": "ContactPoint",
"telephone": "+81-3-1234-5678",
"contactType": "customer service"
},
"sameAs": [
"https://www.facebook.com/sample",
"https://twitter.com/sample"
]
}
</script>
個人のポートフォリオ
検索結果で、田中太郎の名前、職業、ポートフォリオへのリンク、関連するSNSのアカウントへのリンクが表示されます。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "http://schema.org",
"@type": "Person",
"name": "田中 太郎",
"url": "https://www.sample.com",
"jobTitle": "グラフィックデザイナー",
"worksFor": {
"@type": "Organization",
"name": "クサンプル株式会社"
},
"sameAs": [
"https://www.facebook.com/sample ",
"https://www.linkedin.com/in/sample"
]
}
</script>
まとめ
JSON-LDは、必要な情報を効果的に検索エンジンに伝えるための強力なツールです。最も重要な情報に焦点を当て、ページの目的に合わせて構造化データを適切に管理することが、最良のSEO結果を得る鍵となるものと思います。
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