API保護のベストプラクティス

API保護のベストプラクティス

1. APIのセキュリティが重要な理由

あなたが素晴らしいアプリを開発し、ユーザーも満足し、すべてが順調に進んでいたとします。しかしある日、ドカン! APIが乗っ取られ、機密データが流出し、大混乱に…。調べてみると、攻撃者がセキュリティ対策が不十分なエンドポイントを悪用していたことが発覚し、火消し対応が緊急事項となり、てんやわんやに・・・。

実はこうした事件は意外と頻繁に起こっています。APIは、サービスを接続し、モバイルアプリを動かし、さまざまなシステムを統合するモダンアプリの生命線です。しかし、適切に保護されていないと最も脆弱なポイントになってしまいます。

2. モダンアプリにおけるAPIの脅威

APIへの攻撃は年々増加しており、現在のWebトラフィックの80%以上がAPIリクエストに関連しているといわれています。なぜAPIは狙われやすいのでしょうか?

  • データを直接扱う → APIはログイン情報や決済データなど、重要なデータを処理する。
  • 公開アクセスが多い → 多くのAPIは外部開発者向けに公開されており、攻撃の機会が増える。
  • セキュリティの優先度が低い → フロントエンドのセキュリティは重視されるが、APIのセキュリティは後回しにされがち。

 

実際に起こったAPIのセキュリティ事故

  • Facebook (2019年) → APIの脆弱性により、数百万件のユーザーの電話番号が流出。
  • Uber (2016年) → GitHubリポジトリにAPI認証情報をハードコードしていたため、5700万件のユーザーデータが漏洩
  • T-Mobile (2023年) → APIの悪用により、数百万件の顧客データが流出し、規制当局から罰金を受ける。

「自分のAPIは大丈夫」と油断していませんか?次に、安全なAPIのためのベストプラクティスを紹介します。

3. 認証と認可を正しく実装する

適切な認証がないAPIは、例えると、ハッカーに玄関の鍵を渡しているようなものです。多くの開発者がAPIキーを使いますが、それだけでは不十分です。APIキーは次の理由で危険です。

盗まれやすい → ログに残ったり、誤って公開されたりすることがある。
ユーザー識別ができない → アプリ単位での認証にとどまり、個別ユーザーの識別ができない。
流出すればフルアクセス可能 → 適切なスコープ設定をしないと、すべてのデータにアクセスされる危険がある。

そこで、業界標準の認証方式を採用することをおすすめします。

OAuth 2.0 → Google、GitHub、Facebookなどの外部プロバイダーを利用して、安全にAPIアクセスを認証。
OpenID Connect (OIDC) → OAuth 2.0にアイデンティティの概念を追加し、ユーザーが本物であることを保証。

OAuthやOIDCを使用することで、APIキーのリスクを減らし、より強固な認証を実現できます。

4. CORSとCSRF対策でAPIエンドポイントを保護する

CORS (Cross-Origin Resource Sharing) の設定

CORSポリシーは、どのドメインがAPIにアクセスできるかを制御します。しかし、設定ミスにより悪意のあるサイトからの不正リクエストが許可されることがあります。

ベストプラクティス: Access-Control-Allow-Origin信頼できるドメインのみに設定する(本番環境で * を使わない)。

CSRF (Cross-Site Request Forgery) の防止

CSRF攻撃では、ログイン中のユーザーを騙して不正なAPIリクエストを実行させます。

CSRFトークンを使用 → APIリクエスト時にセキュアなトークンを要求する。
SameSite Cookieを有効化 → ブラウザがクロスオリジンリクエスト時にCookieを送信しないようにする。

これらの対策を実装することで、APIの不正利用を防げます。

5. 攻撃者に先手を取られないために

セキュリティは一度設定すれば終わりではなく、継続的な戦いである。

継続的なセキュリティアップデートの重要性

APIのセキュリティは、一度設定すれば終わりではなく、継続的に対策する必要があります

セキュリティアップデートを怠らない

スマホのOSアップデートと同じように、APIのセキュリティも定期的に更新する必要があります。

🔹 ライブラリを最新バージョンに更新(古いライブラリは攻撃者の標的になりやすい)。
🔹 フレームワークのセキュリティ勧告を確認(Express.js、Django、Spring Boot など)。
🔹 自動セキュリティスキャンを実行(OWASP ZAP、Snyk、Burp Suite などを活用)。

開発チームにセキュリティ意識を根付かせる

開発者向けのセキュリティトレーニングを実施
OWASP API Security Top 10 に基づいたコーディングガイドラインを採用
DevSecOps を導入 → CI/CDパイプラインにセキュリティチェックを組み込む。

いかがでしたか。

API保護は、モダンアプリケーションにおいて不可欠なセキュリティ対策です。攻撃者からAPIを守るために、認証、レート制限、CORS、継続的なセキュリティアップデートなどのAPI保護のベストプラクティスを学び、常に最新の情報を得るようにしましょう。

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