UIは、調和のある配色とアクセントのバランスが重要だと思う話
人材業界では、採用ページや社内向けシステム、エンゲージメントツールなど、UIの質がユーザー体験やブランド印象に直結する場面が増えています。 そのような中で「色」は、最も直接的かつ影響力の大きいデザイン要素の一つです。
この記事の目次
配色が整理されていないUIは、視認性や操作性に悪影響を及ぼす
あるプロジェクトにおいて、UIデザイン自体は整理されていたにもかかわらず、ユーザーから「なんとなく見づらく、目が疲れる」というフィードバックがありました。
要因を分析したところ、構成や情報設計ではなく、「配色の多さ・ばらつき」が主な原因であることが判明しました。強調のためにビビッドなカラーを多用する設計は、一見インパクトがありますが、全体として視線が定まらず、結果的にどこも注目されなくなることがあります。こうした「色のノイズ」は、HR領域においても、応募者や社員が情報に集中できない原因になります。
配色設計の基本構造:プロジェクト全体で共通ルールを設定する
HumAInでは、以下の3種の色を基本として明確に設計し、全体で統一を図っています。
- ベースカラー:背景やボーダーなど、構造の土台を支える色
- テキストカラー:主/副/補足といった役割ごとの読みやすさを重視した色
- アクセントカラー:リンク・ボタン・通知など、視線誘導や行動促進のための色
これらを明文化し、ガイドラインとしてプロジェクト全体に展開することで、誰がデザインしても一定の品質が担保される設計体制を築いています。
アクセントカラーは“慎重に使う”ことで効果を発揮する
アクセントカラーは、視線誘導に極めて有効ですが、安易に多用するとユーザー体験を損ねるリスクがあります。
HumAInでは、以下の運用方針を徹底しています。
- 画面内に使うアクセントカラーは原則1色まで
- 同一カラーでも状態や役割に応じて明度・彩度を調整(例:アクティブ状態と非アクティブ状態)
- コンポーネント単位ではなく、画面全体でバランスを見る
このように細部ではなく全体視点で配色設計を行うことで、要素間の“ぶつかり”を防ぎ、UI全体の心地よさにつながります。 イメージとしては、料理における「一匙の塩」。少量で全体の味を引き締める存在です。
「違和感のなさ」が操作性や印象を大きく左右する
ユーザーにとっての「良いUI」とは、視覚的に印象的な配色よりも「自然で違和感がない」ことが重要です。特に人材系システムでは、業務上毎日使うケースも多く、色の過剰さがストレスや離脱の原因にもなり得ます。
控えめなアクセント、整理されたカラー設計により、ユーザーは無理なく内容に集中することができ、結果的に操作効率やUXの向上につながります。
HumAInでは、こうした視点から配色設計をUI設計の初期段階に据えることで、後工程におけるトラブルの防止と品質の安定化を実現しています。
まとめ:色の“引き算”がブランド価値を支える
色は、UIにおいて強力な感情喚起の要素である一方で、扱いを誤れば混乱や疲労を引き起こす可能性もあります。 私たちは、「目立たせる」ことよりも、「統一させ、整える」ことに重きを置き、プロダクト全体の印象やブランディングに貢献するUIを設計しています。
調和された配色と、必要最小限のアクセント設計。 その“引き算の設計”こそが、UI全体の信頼感や質の向上を支えていると考えます。
情シスナビを運営するHumAInでは、HR領域におけるUI改善・リブランディングの支援を多数手がけてまいりました。 新規サービスや既存プロダクトのUI改善において、「色」の課題から着手される企業様も多くいらっしゃいます。
もし、下記のようなお悩みがございましたら、ぜひお気軽にこちらからご相談ください。
- UIを刷新したいが、どこから手をつければよいかわからない
- 今のデザインに「なぜか疲れる」印象がある
- 採用・エンゲージメント施策に合わせて配色を見直したい
配色設計からUIの再設計まで一貫して対応可能です。HumAInでは、UI設計における配色について「色を使う」ではなく「整える」という視点を基本に据え、プロジェクトごとに最適な設計を行っています。ここでは、その考え方と実践例をご紹介します。
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