Amazon Web Services (AWS) と Microsoft Azure、ぶっちゃけ、どっちがいいの?

2015/10/05

企業の情報システム部門に従事している方なら、多くの方がクラウドサービスの検討をされたり、情報収集をした経験が、一度はあると思います。

クラウドサービスをご検討中の皆様の参考になるような記事を今後4回に渡り連載してまいります。まず今回は、そんなクラウドサービスについて、ワールドワイドでサービスを展開しており、日本国内でもなじみの深い、Amazon Web ServicesAWS)とMicrosoft Azure について、触れてみたいと思います。

 

まずは、そのクラウドサービスについて軽く整理しておきましょう。既にご存じの方は少々お付き合い下さい。

 

大きく3分類あるクラウドサービス

クラウドサービスといっても、実に様々なサービスが存在しますが、大きく分けて以下の3つに分類されます。

まずは、あらかじめ用意されたアプリケーションを、インターネット経由にて利用(提供)するSaaS。これは従来、ASPなどと呼ばれていたサービスにあたります。

次に、アプリケーションが稼働する基盤(プラットフォーム)が用意されており、それを利用する、PaaS。独自開発したアプリケーションを展開する事が可能となります。

そして、その基盤が動く環境となるOS(仮想化上のゲストOS)部分から、自由に選定して使用する事が可能な、IaaSとなります。

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いずれも、オンプレミス(設置型)とは異なり、ハードウェア保守は全てベンダー側が実施するため、電源対策やスペアディスク、スタンバイ機などで障害に備える必要はありません。

Webサイトをホスティングする、いわゆるレンタルサーバーサービスは一般的に、SaaSPaaS型のものが多く、難しい設定や上位レベルでのセキュリティ対策を考えなくてもコンテンツさえ用意すれば、手軽にWebサービスを利用できるので、Webサイトを展開したいだけであれば、非常に便利である事は既にご存じだと思います。

一方で、大規模なWebサイトや、大量のデータをバッチ処理などで定期的に回す場合、独自のプログラムやモジュールを用意して、特別な処理を行わせたい場合などは、要件に合わず独自にWebサーバーを構築するなどと言った選択肢となっていた事と思います。

 

そうしたケースでも活用出来るのが、IaaS型のサービスでOSレベルでの設定からソフトウェアのインストール、独自処理などを追加する事が可能です。

 

AWSとAzure の比較

さて、表題にもあるように、AWSAzureの比較をして、どちらに軍配があるかを考えるわけです恐らく要求事項や要件の大半はクリアできると思います。そのため、好みで選択をすれば良いでしょう。

と、このような結論で終わるわけにはいかないので、いくつかの観点で比較をしてみましょう。

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データセンターロケーション

ビジネスをグローバルで進めるには、対象地域でデータセンターが稼働していることで、遅延(レイテンシ)も低く、高いスループットが出る事は言うまでもないと思います。

もちろん、データセンター自体が堅牢な造りではありますが、BC/DR(事業継続・災害復旧)を考慮すると、地理的に離れた地域で検討するよう、要件や指示があるかもしれません。

 

その場合、データを日本国内のみで保管し、かつ地理的に離れた地域でBC/DRを実現したい場合は、Azureが優勢となります。

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無料利用枠

「何はともあれ使用してみたい。」となれば、やはり無償評価や無料利用枠*1も気になるところ。

AWSでは、新たにサービスを利用するユーザー向けに、1ヶ月連続稼働(750時間)する事ができる指定性能のインスタンス(マシン)を1年間無料で試す事が可能となる。これには30Gのストレージも含まれているため、気軽に評価する事が可能となります。

一方、Azureにて目を引くのは、WebアプリやモバイルアプリのプラットフォームとなるAppServiceにおいて無料のプランが存在する。非常に限定された性能となるが、開発やテストでのちょっとした利用が可能となります。

*1:2015年10月現在

 

また開発者向けプログラムでは、月次の無償枠が含まれているプランもあり、スタートアップ企業向けプログラムでも無償枠の提供があるため、AppService以外の機能も活用したい場合は、忘れずにチェックしたいところです。

 

支払方法

AWSでは、支払い通貨設定をすることで、日本円を含む13の通貨より希望する通貨を選択する事が可能です。ただし、原則クレジットカード決済となり、請求書の明細項目は全てUSDで表示されます。

 

Azureでは、日本円を含む24の通貨が選択可能で、サービスの購入(利用)方法を3つから選ぶ事が可能です。

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言語

従来、AWSの管理コンソールは英語表示が中心で導入ハードルとなっておりましたが、現在ではAWSAzure 共に日本語表示が可能です。

まとめ

非常に基本的な4項目において、比較をおこなってみましたが、どちらかが大きく抜きんでている訳では無く、それぞれに優位性がある事がおわかり頂けるかと思います。

パブリッククラウドサービスの歴史としてはAWSが先行しており、Azureが追随する形となっておりますが、サービスの種類や網羅性に関しては、もはや優劣の付けにくい状況となっております。

 

また、価格についても、どのサービスをどのような契約で、どれだけ使用するかによって、大きく異なってくるため、単純な単価計算ではなく、中期的なビジョンや要求事項によって採用するベンダーを検討する事が望ましいと思います。

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