常に新しい用語が生まれてくる情報システム部門は、全ての用語を正しく理解するのも一苦労。ましてや他人に伝えるとなると更に難しくなります。本用語辞典では数々のIT用語を三段階で説明します。
一段目 ITの知識がある人向けの説明
二段目 ITが苦手な経営者に理解してもらえる説明
三段目 小学生にもわかる説明
取り上げる用語を“知らない”と思った人は、小学生にもわかる説明から読んでみると、理解が深まるかもしれません!?
一段目 ITの知識がある人向け 「出口対策」の意味
「出口対策」とは情報を盗み出そうという悪意の第三者が自社システムに侵入してきたとしても、情報を持ち出されないように防止策を講じること。
二段目 ITが苦手な経営者向け
現在、サイバー攻撃によって情報漏えいの事件がたくさん起きています。つい先日も官公庁から個人情報が漏えいして大きな問題になったことはご記憶でしょう。自社のシステムに侵入されないように「入口対策」を強化している会社は多いです。ファイアーウォールとかウイルス対策などは必ずやってらっしゃいますよね。え、やってない? それはもう論外です。
ところが、そう言う「入口対策」をしていればバッチリかというとそうではありません。近頃増えてきているのは「標的型攻撃」といって、関係者のふりをしてしつこくメールを送り続けてくるなどして情報を盗み出そうというもので、これはなかなか防ぐのが難しいのです。前述の情報漏えい事件もそのようです。社長の会社も人ごとではありませんよ。もちろん「標的型攻撃」だけではありません。サイバー攻撃というのは日々進化していて完全に防御するのは困難なのです。社長の会社でも情シス担当はいらっしゃいますよね。でもセキュリティのプロでしょうか? サイバー攻撃をしてくる悪人達は本当にプロなのですよ。プロとの戦いでは不利は否めません。
「入口」だけでなく「出口対策」を強化する必要性があるのです。たとえば万一侵入されたとしても、機密情報が持ち出されないようネットワークで監視して防ぐようにします。また、従業員が使っている端末、たとえばパソコンからタブレット端末に至るまで、常にセキュリティ対策をしておくことも大事ですね。残念ですが「完璧に防御」はむずかしくなってきました。「侵入されても持ち出されないようにセキュリティの出口対策」を行いましょう!
三段目 小学生向け
家に泥棒が入ったら大変ですよね。あなたの貯金箱も盗まれてしまうかも知れません。あなたの貯金箱だけではありません。お父さんやお母さんの大事なお金がみんなとられたら、もう生活できなくなっちゃいますね。そんなことがないよう、お父さん、お母さんはしっかり戸締まりをしているでしょう。家によっては防犯カメラをつけたり、頑丈な鍵を付けたりして、悪い人が侵入してこないように対策をしているでしょう。
ところが、「ぼくはお父さんの友達だよ。中に入れてくれない?」と言う大人が来たらどうしますか? あなたが「お父さんの友達だっていう証拠を見せて!」と言うと「お父さんの写真」を見せてくれたとしたら……。ドアを開けてしまいませんか? 「●●市役所からお母さんに用事があって来ました」という人が来たらどうしますか? 「証拠を見せて!」って言うと「これが市役所の名刺だよ」って見せてくれたら開けてしまいませんか? インターネットの世界にはそういう悪い人たちがいて、知り合いのふりをして侵入して来て大事な物を盗んでいくんです。
でも、あなたの家には色んなお客さんがやってきますから、全員を疑うわけにはいきませんよね。どうしても怪しい人も入ってくるかも知れません。そこで大切なのは、中から何か持ち出そうとしたときに、外に持ち出せないようにしてしまうことです。大事な物を持ち出そうとしたら、ドアが開かなくなって出られなくしてしまいます。
「うっかり怪しい人が中に入っても、大事な物は盗めないようにする!」
そういうことをシステムのお仕事の世界では「出口対策」って言うんですよ!