Foodamental株式会社(神奈川県横浜市、代表取締役:吉田惇紀)は、食事をきっかけに自分自身のこころの状態へ目を向けるAIアプリ「ごはんサイン」のβテストを、2026年9月より開始すると発表しました。同社は、企業の新規事業・商品開発・研究開発の伴走支援サービス「KINTSUGI」を主軸に事業を展開する一方、自社でも食×メンタルヘルス領域の研究開発を進めており、今回のβテストはその取り組みを実生活の中で検証する一歩と位置づけられています。ごはんサインの現在のβ版は、ユーザーが食べたものの写真を送ると、AIがその内容を読み取り、ユーザーに言葉を返すというものです。

何が発表されたか

発表によれば、ごはんサインは日々の食事を栄養管理や評価の対象として扱うのではなく、食べたものをきっかけに、その日の自分の状態へ少し目を向ける体験を目指して開発されているサービスです。一般的な栄養管理サービスのように、カロリーや栄養素を評価したり、食事の正しさを示したりすることを主な目的とはしていないと説明されています。

同社は、開発の起点となった問いを次のように説明しています。

食の選択には、その人のこころや生活の状態がどのように表れるのか。

忙しさや疲れ、気持ちを落ち着けたいときなど、こころの状態によって食べるものや量が変わることがある一方、その変化に本人が気づくのは時間が経ってからということも少なくありません。ごはんサインは、この気づきの遅れに着目し、食事の写真という日常的な行為を入り口に、ユーザー自身の状態への気づきを促す設計になっています。なお、現段階では開発中のβ版であり、医療上の診断・治療を目的としたサービスではないと明記されています。

ごはんサイン アプリ画面イメージ

なぜ「AIアプリ×βテスト」という段階的検証を選んだのか

この発表を読み解くうえで注目したいのは、Foodamentalが食×メンタルヘルスという扱いの難しい領域に踏み込むにあたり、いきなり本格的なサービス展開を目指すのではなく、限定的なβ版での実生活検証という段階を選んだ点です。同社の本業である「KINTSUGI」は、企業の技術やアイデアの事業化を研究開発とビジネスをつなぎながらスピーディーに検証する伴走支援サービスであり、他社の新規事業開発を支援する立場にあります。今回のごはんサインは、その支援ノウハウを自社の研究開発にも適用し、仮説を立て、つくり、試し、検証するという同じプロセスを自ら実践する取り組みだと位置づけられます。

こころの状態という主観的で測定しづらい対象を扱うサービスは、精度や効果を数値で示すことが難しく、断定的な打ち出し方をすればかえって信頼を損ないかねません。栄養管理やカロリー計算のような明確な評価軸を持たせず、「気づき」という緩やかな体験価値にとどめている設計判断は、こうした領域特有の難しさを踏まえたものと考えられます。写真を送るとAIが言葉を返すというシンプルな機能に絞り、実際の日常生活の中で得られる知見を今後のサービス開発・研究開発につなげていくという段階的なアプローチは、効果を誇張せずに検証を重ねる姿勢の表れと言えるでしょう。

代表の吉田氏は、開発の背景にある個人的な経験を次のように語っています。

私自身、こころの調子を崩したときに、食べるものや飲むものが変わっていく経験がありました。ただ、そのときに欲しかったのは、正しい食事をしましょうと言われることではありませんでした。食べたものをきっかけに、今の自分に少しだけ気づけるものがあったらどうだろう。ごはんサインは、そんな問いから始まっています。

この経験に基づく問いが、栄養管理型のサービスとは異なる方向性を選んだ理由の核にあるとみられます。

ごはんサイン サービスコンセプト図

読者への示唆

今回の発表は、既存事業(企業の新規事業伴走支援)で培った「仮説を立て、つくり、試し、検証する」というプロセスを、扱いの難しいメンタルヘルス領域における自社の新規事業に適用した事例として読み取れます。効果を数値で断定しにくい領域では、機能を絞り込んだ上でβテストという形をとり、実生活での反応を先に集めるという段階的な進め方が、性急な効果訴求よりも信頼につながりやすい可能性があります。自社の支援ノウハウを自らの新規事業にも適用できるかという視点、そして測定困難な価値をどう緩やかな体験として設計するかという視点は、他の新規事業開発の担当者にとっても参考になり得る論点です。

なお、本記事はプレスリリースの内容に基づく解説であり、ごはんサインの効果や今後の展開について、発表内容を超えて断定するものではありません。

■Foodamental株式会社について

名称  :Foodamental株式会社
所在地 :神奈川県横浜市西区浅間町1丁目4番3号 ウィザードビル402
代表者 :吉田惇紀
設立  :2024年12月
資本金 :500万円
事業内容:企業の新規事業・商品開発・研究開発の伴走支援「KINTSUGI」、食×メンタルヘルス領域の自社研究開発
URL  :https://kintsugi.foodamental.jp/


Foodamental株式会社・2026年9月15日のプレスリリースより引用