何が発表されたか

株式会社Collection Bank(本社:東京都中央区銀座、代表取締役:大城 崇聡)は2026年9月24日、ファッションアイテムに特化したコレクション資産管理サービス「Fashion Bank(ファッションバンク)」の提供を開始しました。デニムやスニーカー、バッグ、アクセサリー、ヴィンテージTシャツといった所有アイテムについて、写真をLINEで送るだけでAIによる参考評価額を確認でき、1点ずつデータ化してスマートフォン上で管理できるサービスです。

預けたいアイテムは、温度・湿度を管理した専用倉庫で1点あたり月額150円〜、BOX単位では月額394円〜で保管でき、必要に応じて販売代行やコレクションの価値を活用した資金化にもつなげられます。プレスリリースでは、このサービスの狙いを次のように表現しています。

銀行がお金を管理するように、Fashion Bankは「クローゼットの中にある価値」を管理する“モノの銀行”を目指します。

Collection Bankは、これまでアート・時計・ワイン・ブランド品・コインなど、さまざまな「価値あるモノ」の資産管理サービスを展開してきた企業です。2026年8月時点でサービス利用者数は約9,500人、管理アイテム数は約4万点、預かり資産総額は参考評価額ベースで2,000億円を超えているといいます。Fashion Bankは、この「モノを資産として管理する」という考え方を、より身近なファッションの領域に広げる新規サービスという位置づけになります。

なぜ「売る」前段の「価値を知る・持つ」に特化したのか

国内のファッションリユース市場は拡大が続いています。矢野経済研究所によると、2025年の国内ファッションリユース市場は前年比10.2%増の1兆4,100億円と推計され、2026年以降も市場拡大が見込まれています(矢野経済研究所「2026 ファッション業界のリユースマーケット動向」2026年6月29日)。リユース経済新聞の推計でも、2024年の国内リユース市場全体は3兆2,628億円にのぼり、うち衣料・服飾品が6,392億円、ブランド品が4,230億円と、この2カテゴリーだけで1兆円を超えています(リユース経済新聞「リユース業界の市場規模推計2025(2024年版)」2025年9月26日)。

こうした市場拡大の中で、これまでファッションリユースの主役だったのは「買う」と「売る」という行為でした。Fashion Bankが着目したのは、その間にある「持っている時間」です。株式や投資信託であれば、証券口座で何を保有し、いくらで取得し、現在どの程度の価値があるのかを一覧で確認できます。一方でデニムやスニーカー、バッグ、時計、ヴィンテージウェアといった価値あるモノは、所有していても自宅やクローゼットに置かれたままになりやすく、何を何点持っているか把握できていない、現在の価値がわからない、自宅保管による劣化や盗難が心配、査定・保管・売却・資金化がそれぞれ別サービスに分散している、といった課題が生じやすいとプレスリリースは説明しています。

つまり、いきなり「売る」という選択を提示するのではなく、その手前に「価値を知る」「管理する」「預ける」という段階を設け、必要になったときに初めて「活用する(販売代行・資金化)」につなげる設計です。プレスリリースはこの発想を、次のような一文に集約しています。

「売る/売らない」の二択から、「価値を知って、持つ」へ。

物価上昇や社会保険料負担の増加によって可処分所得の伸び悩みが指摘される中、新品より安価なリユース品を選ぶ動きに加え、手元の不要品を売却して収入を補う動きも活発化していると矢野経済研究所は分析しています。「中古品を買う」「使わなくなったモノを売る」ことが特別な行為ではなくなりつつあるからこそ、Fashion Bankは「売る」の一歩手前にある「持っている時間」を資産管理の対象として切り出す新規事業を選んだと読み解けます。金融資産の世界では当たり前になっている「資産管理」という考え方を、ファッションという生活に身近な領域に持ち込むことで、既存のリユース市場(買う・売る)とは異なる新しい市場を作ろうとする意思決定と言えそうです。

LINEを起点にした4つの機能

Fashion Bankは、特別なコレクターだけを対象にしたサービスではなく、入口を普段使いのLINEに置いている点も特徴です。「価値を知る」「管理する」「預ける」「活用する」という4つの機能を、1つのサービスとしてつなげています。

Fashion Bankのサービス概要イメージ

価値を知る

ファッションアイテムの写真をLINEで送るだけで、AIによる参考評価額を確認できます。

管理する

所有するアイテムを1点ずつデータ化し、購入時期や購入先などの情報とあわせて、自分だけのコレクションリストとしてスマートフォンで管理できます。

Fashion Bankのコレクション管理画面イメージ

預ける

自宅以外で保管したいアイテムだけを専用倉庫に預けられます。料金は1点あたり月額150円〜、1BOXあたり月額394円〜です。

活用する

さまざまなチャネルでの販売代行や、コレクションの価値を活用した資金化など、ニーズに応じた活用ができます。あわせて、コレクションを一定期間預けることで、暗号資産ZMATを特典として受け取れるとしています。

ヴィンテージ市場の変化と、読者への示唆

プレスリリースは、こうした「持っている時間」に価値が生まれる例として、ヴィンテージファッションの動向も紹介しています。2026年2月のマイナビニュースによるヴィンテージTシャツ専門店への取材では、2025年に一部のバンドTシャツがそれまでの2〜3倍の価格で取引され、2〜3万円だったものが5〜6万円になったケースや、2年前に100万円だったTシャツが300万円、600万円で売れたケースが紹介されています(マイナビニュース「グラム単価は金より高い? 『ヴィンテージTシャツ』の世界で何が起こっているのか」2026年2月12日)。もちろんすべての古着の価値が上がるわけではありませんが、昔購入したデニムやライブ会場で入手したTシャツ、若い頃に集めたスニーカーなどが、購入時とは異なる価値を持つ可能性がある時代になっていると言えそうです。なお、AI査定等による価格はあくまで参考情報であり、実際の市場価格・売却価格・真贋を保証するものではないという注記もあわせて示されています。

ヴィンテージアイテムの査定イメージ

プレスリリースは、こうした状況を踏まえて次のような問いかけで締めくくっています。

「あなたのクローゼット、いくらですか?」

金融資産には銀行口座や証券口座があり、何をどれくらい保有しているかを確認できる一方、日々購入する服やバッグ、スニーカーについては、その総額や現在価値をほとんど把握していない人が多いという指摘です。新規事業の担当者にとってこの事例が示唆するのは、既存の市場(この場合は「売る」ためのリユース市場)の隣接領域に、まだ資産管理という発想が及んでいない「持っている時間」を見つけ、そこに特化したサービスを立ち上げるという着眼点です。高価なコレクションを持っている必要はなく、昔買った一着からでも始められるという設計も含め、既存の売買プラットフォームとは異なる立ち位置を取ろうとする意思決定として読み取れます。

■株式会社Collection Bankについて

名称  :株式会社Collection Bank(Collection Bank Inc.)
所在地 :〒104-0061 東京都中央区銀座5-10-10 6F
代表者 :代表取締役 大城 崇聡
設立  :2020年1月14日
事業内容:コレクション資産管理サービス「Collection Bank」の企画・開発・運営(アート、時計、ワイン、ブランド品、ファッションアイテム、コイン等の価値あるモノの管理・保管・活用)
URL  :https://collection-bank.ai/


株式会社Collection Bank・2026年9月24日のプレスリリースより引用