アウンコンサルティング株式会社は2026年9月17日、採用・人事領域の情報発信を対象にしたAIO(AI最適化)支援サービス「AIO for HR」の提供を開始したと発表しました。同社はこれまでSEOや広告、AIOといったマーケティング支援を展開してきた企業です。今回は、その知見を採用活動という別の領域に転用した点が特徴です。

何が発表されたか

「AIO for HR」は、企業の採用サイトや求人情報、人的資本に関する開示情報を、生成AIやAI検索から適切に理解・参照されやすい形に整えることを目的にしたサービスです。プレスリリースでは、サービスの狙いを次のように説明しています。

「AIO for HR」は、生成AIやAI検索の普及により候補者の情報収集行動が変化する中、企業の採用情報や人的資本に関する情報が、AIに適切に理解・参照され、求職者やステークホルダーへ届きやすくなる状態を目指すサービスです。

主な支援内容は4つに整理されています。

採用ターゲット分析から想定されるAIプロンプトを提案

採用ターゲットの属性や志向を踏まえ、候補者が生成AIに入力しそうな質問(プロンプト)を設計する工程です。「おすすめの企業」「働きやすい会社」といった検索・質問行動を想定し、自社がAI上でどう認識されているかを確認する土台をつくります。

自社サイト内部・外部からの改善提案

採用サイトや企業サイトの内部・外部両面からの改善提案です。仕事内容や働く環境、キャリアパス、福利厚生などの情報を、AIや検索エンジンが理解しやすい構造で網羅的に掲載するよう促し、あわせて外部の求人媒体や企業情報サイトへの掲載状況も確認します。

AIO for HRのサービス料金プラン一覧

AI回答内における自社情報の言及・引用状況を分析

設定したプロンプトに対して自社名や採用情報がどの程度、どのように言及されているかを可視化し、競合との比較を踏まえて改善施策を継続的に提案するとしています。

多言語・グローバル採用にも対応

国や地域ごとの検索行動や情報収集傾向を踏まえた情報設計を支援するとしています。

料金プランは、AI回答内での自社情報の表示・引用状況を可視化する「AIOリサーチ for HR」と、分析結果をもとに自社サイト内外の改善施策を提案する「AIOコンサルティング for HR」の2つから選べる構成です。

なぜこの選択をしたのか

このサービスが応える課題は、プレスリリースが引用する調査データに表れています。株式会社マイナビの「2026年卒 企業新卒採用活動調査」によれば、採用活動における問題点として「母集団(エントリー数)の不足」が68.8%で最多、「マンパワー不足」も33.8%にのぼるとされています。つまり多くの採用担当者は、情報発信そのものに十分な手間をかけられない状況に置かれているという前提です。

その一方で、同調査では7割以上の企業が、就職活動における学生の生成AI利用を肯定的に見ているとされています。求職者側の情報収集の入り口が検索エンジンだけでなく生成AIやAI検索にも広がりつつある中で、採用サイト・求人票・社員インタビュー・人的資本開示といった情報が複数の媒体に分散し、内容にばらつきが生じやすいという構造的な課題が、あわせて指摘されています。

ここで注目したいのは、アウンコンサルティングが「採用情報をもっと魅力的に書く」という発信内容そのものの改善ではなく、「AIに理解・参照されやすい構造に整える」という情報の届け方の最適化を選んだ点です。求職者に直接届けるための施策と、AIという新しい情報の仲介者に向けた最適化は、狙いが異なります。同社はこの選択の理由を、これまで培ってきたSEO・広告・AIOのノウハウが応用できる領域だからだと説明しています。

アウンコンサルティングは創業以来、国内外向けSEO、広告、AIO支援を通じて、企業の情報発信が必要な相手に正しく届くためのマーケティング支援を行ってまいりました。

言い換えれば、採用担当者が個別に情報を書き直すのではなく、既に分散している情報の「構造」を、AIという新しい参照先に対応させる形で整理し直すという発想です。母集団形成やマンパワー不足に悩む採用現場にとって、ゼロから発信内容を作り直すハードルは高い一方、既存の情報を構造として整え直すアプローチは、限られたリソースの中でも着手しやすい選択肢になり得ます。

同社はさらに、この延長線上に「AIO for IR」など他領域への展開も見据えていると述べています。採用・人事という個別領域の課題解決にとどまらず、IR・広報・営業・カスタマーサポートといった企業の情報発信全般に、同じ最適化の発想を広げていく構想があることも、今回の「AIO for HR」の位置づけを理解するうえで参考になります。

読者への示唆

新規事業やサービスの立ち上げを担う読者にとって、今回の発表は「既存の強み(この場合はAIO・SEOの知見)を、隣接する別領域の課題にどう転用するか」という意思決定の一例として読むことができます。採用領域そのものに新規参入するのではなく、自社が既に持つ専門性を軸に、対象領域だけを広げるという展開の仕方は、リソースが限られる中で新規事業の切り口を探る際の一つの参考になります。

また、求職者向けの情報発信を検討する立場であれば、「発信内容の魅力」と「発信の構造・届き方」は分けて考える論点だという点も示唆的です。生成AIやAI検索が情報収集の経路として存在感を増す中で、コンテンツの質だけでなく、その情報がAIにどう解釈されるかという視点を持つことが、今後の情報発信設計において検討に値するテーマになりつつあります。

■アウンコンサルティング株式会社について

名称  :アウンコンサルティング株式会社
所在地 :東京都千代田区丸の内二丁目2番1号 岸本ビルヂング6F
代表者 :代表取締役CEO 信太 明
上場  :東証スタンダード(証券コード:2459)
設立  :1998年6月
事業内容:AIマーケティング、グローバルマーケティング等のマーケティング事業
URL  :https://www.auncon.co.jp/


アウンコンサルティング株式会社・2026年9月17日のプレスリリースより引用