1,000万人規模の医療ビッグデータ×生成AIで健康情報を自動配信 機能選択型健康サポートAPI「ミラウェル」提供開始
- 2026/8/4
- ニュース
- 1,000万人規模の医療ビッグデータ×生成AIで健康情報を自動配信 機能選択型健康サポートAPI「ミラウェル」提供開始 はコメントを受け付けていません
![]()
日本システム技術株式会社(大阪市北区、代表取締役社長:平林卓、以下JAST)は、1,000万人規模の医療ビッグデータ「REZULT」と生成AIを組み合わせ、ユーザーの性別・年齢・居住地に応じた健康・生活情報を自動配信する機能選択型健康サポートAPI「ミラウェル」の提供を開始しました。あわせて、株式会社コンケア(東京都豊島区、代表取締役:石田有)が提供するメンタルサポートサービス「コンケア」への導入が決定したことも明らかにしています。
何が発表されたか:既存サービスに「足せる」健康サポートAPI
今回のリリースの核は、単体アプリの新規立ち上げではなく、事業者がすでに運用している既存サービスやアプリに、あとから追加導入できるAPIという形を選んだ点にあります。少子高齢化が進むなかで、医療は「治療中心型」から「予防・行動変容型」への転換を迫られていますが、健康に関心の薄い層への接点は乏しく、情報を届けても行動変容につながりにくいという課題があります。加えて、ヘルスケア・ウェルネス事業者や自治体の側にも、質の高いコンテンツを作り続ける負荷という課題がありました。
「ミラウェル」は、この「届ける側」と「届けられる側」双方の負担を、JASTが保有する医療ビッグデータと生成AIの組み合わせで解決しようとするサービスです。
なぜ「全部入り」ではなく「機能選択型」にしたのか
注目したいのは、「ミラウェル」がすべての機能を一括導入する前提のパッケージ型サービスではなく、必要な機能だけを選んで使える設計になっている点です。プレスリリースでは、この設計思想を次のように説明しています。
「ミラウェル」は、すべての機能を一括で導入する必要があるパッケージ型サービスとは異なり、目的や課題に応じて必要な機能のみを選択して導入できます。まずは1つの機能から導入を開始し、運用状況に合わせて段階的に機能を拡張していくことも可能なため、初期導入コストや導入時の負荷を抑えられます。
事業者にAPIを売り込む際、機能を厚く見せて一括導入を迫る方が短期的な売上は作りやすいはずです。それでもJASTは、まず1機能から試せる設計をあえて選んでいます。これは、健康関連のコンテンツ提供という「効果が数字に出るまで時間がかかる」領域で、事業者側に大きな初期投資を求めず、小さく始めて手応えを確かめてもらうことを優先した判断だと読み解けます。実際の機能も「健康情報の提供」「天気と健康への影響」「お役立ちコンテンツ(運勢・服装など)」の3つに分かれており、事業者は自社の目的に合わせて必要な部分だけを選べます。
![]()
最初の導入先が「メンタルサポート」だった理由
もうひとつの意思決定として、提供開始と同時に発表された最初の導入先が、体重管理や生活習慣病予防のような分かりやすい身体面のサービスではなく、メンタルサポートサービス「コンケア」だったことが挙げられます。コンケアは日々の心身のコンディションを可視化し、変化への早期の気づきを支援するサービスです。今回、「ミラウェル」が持つ3つの機能のうち「健康情報の提供」機能が選ばれ、利用者の属性に応じた健康・セルフケア情報の自動配信に活用されることになりました。
コンケア代表取締役の石田有氏は、導入の理由をこう述べています。
気づきを得た後に、ユーザー一人ひとりが日常の中でどのように健康を意識し、行動につなげていくかという点も、非常に重要だと考えておりました。「ミラウェル」は、これまでの長年の実績に基づく健康情報を提供できるサービスであり、ユーザーにとって信頼性のある情報に、コンケアを通して日常的に触れられる点に大きな価値があると感じています。
この説明から見えるのは、「気づき(可視化)」の後に必要な「行動につなげる情報」が、コンケア単独では不足していたという課題です。JASTにとっても、身体の健康情報を扱う仕組みが、心の健康づくりの文脈でそのまま使えることを示せた点は、想定より広い応用範囲を持つサービスであることの裏付けになったといえます。最初の顧客としてメンタルヘルス領域を選んだ、あるいは選ばれたことは、「ミラウェル」が特定の業界に閉じない汎用性を持つという主張を、単なる機能一覧ではなく実例で示す効果を持っています。
医療ビッグデータと生成AIを組み合わせた理由
「ミラウェル」のもう一つの特徴は、JASTが保有する1,000万人規模の医療ビッグデータ「REZULT」を土台に、コンテンツの生成そのものは生成AIに任せている点です。天気情報にあわせて「この時期に増える傷病とその予防法」を生成AIが自動生成する機能などがこれにあたります。
医療ビッグデータに基づく情報は信頼性を担保できますが、日々変化する天気や季節に応じてコンテンツを人手で作り続けるのは事業者にとって重い負担です。JASTは、情報の裏付け(データ)と情報の量産(生成AI)を切り分け、「信頼性」と「更新の継続性」を両立させる設計を選んだと整理できます。健康に関心の薄い層に向けては、真面目な健康情報を前面に出すより、天気や運勢といった「毎日つい開きたくなる」コンテンツに自然に混ぜ込む方が接点を作りやすいという狙いも読み取れます。
読者への示唆
「ミラウェル」の一連の判断から見えてくるのは、新しいAPI・プラットフォームを外部提供する際の2つの論点です。ひとつは、機能を厚く見せて一括導入を迫るのではなく、小さく試せる単位に分解して提供するという設計判断。もうひとつは、最初の導入先を「わかりやすい本命市場」ではなく、自社の強みが応用できるかを試す市場から選ぶという判断です。特にBtoBでAPI・プラットフォームを外部提供する事業者にとって、初期導入のハードルを下げる設計と、最初の顧客選びをどう位置づけるかは、今回のケースから参考になる論点と言えるでしょう。
日本システム技術株式会社・2026年8月3日のプレスリリースより引用
■日本システム技術株式会社(略称:JAST)について
![]()
名称 :日本システム技術株式会社(略称:JAST)
代表者 :代表取締役社長 平林卓
東京本社:東京都港区高輪二丁目22番1号(THE LINKPILLAR 2 15階)
大阪本社:大阪市北区中之島二丁目3番18号(中之島フェスティバルタワー29階)
設立 :1973年3月26日
資本金 :15億3,540万円
従業員数:連結1,683名・単体1,202名(2026年3月31日現在)
事業内容:教育・医療・金融・通信・官公庁向けシステム開発、医療ビッグデータ関連事業など
URL :https://www.jast.jp/
この情報は役に立ちましたか?
カテゴリー: