株式会社イノベーション総合研究所(本社:東京都港区、代表取締役CEO:長尾浩平)は、2026年10月1日より、新規事業が進まない理由を関係者の意見から分析する診断サービス「Compass」の提供を開始しました。

経営層、プロジェクトリーダー、実務担当者など、立場の異なる関係者がそれぞれ何を見て、何を課題と感じているのかを比較し、「顧客」「収益」「実行体制」など6つの観点から新規事業の現在地を分析します。

新規事業が止まっている原因を、担当者の能力やアイデアの質だけに求めるのではなく、プロジェクトに関わる人たちの「見えているものの違い」から捉える点が特徴です。

何が発表されたのか――新規事業が「止まっている理由」を診断

今回提供が始まった「Compass」は、新規事業プロジェクトの進行状況を診断するサービスです。

例えば、現場担当者は「顧客から良い反応を得られている」と感じている一方で、経営層は「実際に購入につながる根拠が足りない」と考えているケースがあります。

このような場合、現場から見ると「なぜ追加投資してもらえないのか」が分からず、経営側から見ると「なぜ十分な成果を示してくれないのか」が分からないという状態になり得ます。

Compassでは、こうした立場による認識の違いを、関係者それぞれの回答から整理します。

分析するのは、「顧客」「収益」「実行体制」「経営の関与」「社内の協力」「撤退の基準」の6つの観点です。

単に診断結果を点数として提示するのではなく、「購入を決める部門へのヒアリングが必要」「開発を担う人材を確保する必要がある」といった、次に取るべき行動まで整理することを目指しています。

なぜ「関係者の認識差」に注目するのか

今回のサービスで注目したいのは、新規事業が進まない原因を「アイデアが悪い」「担当者の能力が足りない」といった個人の問題だけで捉えていない点です。

同じプロジェクトであっても、立場によって見えている情報は異なります。

顧客と直接話している担当者であれば、利用者からの好意的な反応を知っています。一方、予算を決める経営層は、その反応が実際の売上につながるのか、追加投資に見合う事業になるのかを考えます。

また、開発担当者であれば、顧客が求める機能を実際に実装できるのか、必要な人員やコストを確保できるのかが重要になります。

つまり、誰か一人が間違っているとは限りません。それぞれが異なる立場から、異なる情報をもとに判断しているため、同じプロジェクトでも「次にやるべきこと」の認識がズレる可能性があります。

この問題を放置したままプロジェクトを進めれば、「現場は進めたいが経営が止める」「経営は進めてほしいが現場が動けない」といった状態が続いてしまいます。

Compassは、こうしたズレを関係者の回答から可視化し、どこから見直すべきなのかを整理するためのサービスです。

「問題を報告できない」という別の課題も

イノベーション総研が実施した調査では、新規事業に関わった大企業勤務者888人を対象に、事業の失敗を予感した際に、その問題を報告できたかどうかを調査しています。

その結果、客観的な事業評価を行っていた層では、失敗の予感を報告できなかった割合が4.3%だったのに対し、事業評価を行っていなかった層では23.3%でした。

この数字から見えてくるのは、「問題があれば言ってほしい」と伝えるだけでは、必ずしも問題が表に出てくるとは限らないということです。

新規事業では、担当者自身が「自分のプロジェクトを否定することになるのではないか」と感じたり、経営層に悪い報告をしづらかったりするケースも考えられます。

だからこそ、個人の勇気やコミュニケーション能力だけに頼るのではなく、プロジェクトを客観的に確認する仕組みを用意することが重要になります。

Compassは、こうした「問題を指摘する人」ではなく「プロジェクトそのものを評価する仕組み」を設けることで、関係者が同じテーブルで課題を確認できる状態を作ろうとしているといえます。

6つの観点から「次に何をするか」まで整理

Compassでは、以下の6つの観点からプロジェクトを分析します。

顧客
実際に困っている人を特定できているか、需要を確認できているか。

収益
価格やコスト、販売方法など、事業として成立する見通しがあるか。

実行体制
必要な業務を担う人材や体制が確保されているか。

経営の関与
予算や優先順位について、責任者から十分な支援を得られているか。

社内の協力
営業や開発、関連部門と連携して進められる状態になっているか。

撤退の基準
事業を続ける、方向転換する、撤退するための判断基準が設定されているか。

例えば、現場担当者は「顧客の需要を確認できた」と回答している一方、経営層が「購入する部門の意思を確認できていない」と回答した場合、単純に「顧客ニーズが足りない」と判断するのではなく、「実際の利用者だけでなく、購入を決める部門にもヒアリングする」という具体的なアクションにつなげられます。

診断結果を評価で終わらせず、次の行動に落とし込む設計になっていることが、このサービスのポイントです。

新規事業の「停滞」をどう捉えるか

新規事業では、成果が出ないときに「アイデアを変える」「担当者を変える」「もっと顧客に話を聞く」といった個別の打ち手に目が向きがちです。

しかし、そもそも経営層と現場で「この事業が成功した状態」の認識が違っていれば、どれだけ個別の施策を増やしてもプロジェクトが前に進まない可能性があります。

今回のCompassが示しているのは、新規事業の停滞を「誰が悪いのか」ではなく、「関係者の間で何が共有されていないのか」という視点から捉える考え方です。

新規事業を進めるうえでは、アイデアや市場性だけでなく、経営判断、社内体制、撤退基準まで含めてプロジェクトを評価する必要があります。

「何となく進まない」という状態をそのままにせず、関係者それぞれの認識を並べてみる。そこから、次に確認すべきことや、足りない体制を具体化するというアプローチは、新規事業を継続的に立ち上げる企業にとって参考になりそうです。

なお、Compassでは発注前に10問程度の質問に回答する約3分の無料診断も提供しています。診断後は、自社でその結果を活用して進めることも、イノベーション総研の専門家による新規事業支援につなげることもできます。

■株式会社イノベーション総合研究所について

会社名:株式会社イノベーション総合研究所
代表者:長尾 浩平
所在地:〒105-6415 東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー
設立:2024年1月
事業内容:新規事業の立ち上げ・事業化支援
公式サイト:株式会社イノベーション総合研究所

株式会社イノベーション総合研究所・2026年10月5日のプレスリリースより引用。