合同会社WISDOM(東京都港区、代表社員:嶽 彩奈)とPST株式会社(神奈川県横浜市、代表取締役:大塚 寛)は2026年9月28日、共感を軸とするEQ(感情知能)トレーニングと、アプリによる音声解析を組み合わせた「EQトレーニング×音声EQ計測」サービスを開始すると発表しました。企業の経営層・マネージャー層・一般社員を対象に、研修・ワークショップと音声によるEQ計測トライアルをセットにした法人向けプログラムとして展開します。

何が発表されたか:研修と計測をセットにした法人向けプログラム

サービスは大きく2つの要素で構成されています。ひとつは、WISDOMが開発した共感を軸とするEQ発達メソッドに基づく研修・ワークショップです。自己共感・他者共感のワークや対話演習を通じて、日常や職場での対話・行動につなげる力を育てることを狙います。オンラインでの実施も可能とされています。

もうひとつは、両社が共同開発した音声EQ共感解析アルゴリズムを使い、専用アプリで音声を解析することで「観る力・感じる力・分析する力・ストレス耐性」という4つの要素を定量化する仕組みです。声の特徴から状態を推定し、数値やグラフとして可視化することで、自分の状態への気づきや成長課題の検討を支援するとしています。この音声解析技術は、PSTが手がける「vEQ」という音声EQ共感テクノロジーを土台にしたもので、以前にPST単独でも技術発表が行われています。

アプリ画面

WISDOMは、計測結果を研修での学びと突き合わせ、「気づく・実践する・振り返る」というサイクルを回すことで、単発の研修に終わらせず、行動変容につなげる狙いがあると説明しています。なお、この計測は人事評価や採用選考への活用ではなく、あくまで本人の振り返りや育成を目的とした利用を想定している点も明記されています。

なぜその選択をしたのか:「心の力」を測れるものにする

新規事業として振り返ったとき、この発表で目を引くのは「EQという目に見えにくい力を、あえて数値で示す」という選択です。生成AIの普及によって、知識やスキルの習得手段は急速に広がっています。一方で、感情と向き合う力や他者との関係を築く力は、AIが進化したからといって自動的に身につくものではありません。WISDOM代表の嶽氏は、このギャップを事業の出発点として捉えていることをコメントで述べています。

AI時代だからこそ、心の力の強い人を育てたい。それが、この事業に込めた私の想いです。

もう一段踏み込んで言えば、この事業の核心は「トレーニング単体」でも「計測単体」でもなく、両者を組み合わせた点にあります。研修だけでは効果の実感や継続の動機づけが難しく、計測だけでは何をどう変えればよいかが分かりにくい、という課題認識があったと読み取れます。技術的な裏付けを担うPST株式会社は、音声バイオマーカー技術を長年手がけてきた企業で、代表の大塚氏は音声解析による自己理解の広がりを次のように語っています。

AI時代が本格的に到来し、人間そのものの価値をあらためて考える時期だからこそ、我々が今まで学習して来なかった“心のトレーニング”を行うこと、そして自己成長がされているかを測定することで、さらなる人間力を磨ける時代が到来したといえると思います。

研修事業を手がけるWISDOMと、音声解析という計測技術を持つPSTという異なる強みを持つ2社が組むことで、「育てる」と「測る」を1つのサービスとして提供できる体制を作った、という意思決定の軌跡が見えてきます。

読者への示唆:人材育成の「効果測定」という切り口

新規事業の担当者にとって、この事例が示唆的なのは、対象が「感情」や「共感力」といった、これまで定量化が難しいとされてきた領域である点です。研修効果の可視化は人材育成分野で長年の課題であり、受講者の満足度アンケートやテスト結果に頼らざるを得ない場面が少なくありませんでした。声という日常的に発生するデータを切り口に、この課題に取り組もうとしている点は、他分野でも参考になる発想です。

一方で、音声から推定した数値が実際の行動変容とどこまで相関するのか、法人導入の実績や効果検証は今回の発表だけでは分かりません。人事評価や採用選考には使わないと明言している点も含め、今後どのような形で企業に採用され、どのような効果が報告されていくのか、継続的に注目したいところです。

■合同会社WISDOMについて

名称  :合同会社WISDOM
所在地 :東京都港区虎ノ門4-1-1 神谷町トラストタワー23階
代表者 :嶽 彩奈
事業内容:EQ人材育成の知見を持ち、心理情報を可視化・社会実装するために測定技術やツールの開発を推進
URL  :http://wisdom-tokyo.co.jp

■PST株式会社について

名称  :PST株式会社
所在地 :神奈川県横浜市中区山下町2番地産業貿易センター905号室
代表者 :大塚 寛
事業内容:音声バイオマーカー技術(音声病態分析技術)の先駆者。音声解析プラットフォーム「VOISLOG®」の開発・販売、プログラム医療機器(SaMD)承認を前提とした研究開発・販売等を展開
URL  :https://www.medical-pst.com/


合同会社WISDOM・2026年9月28日のプレスリリースより引用