広島県広島市の株式会社ティーエスピーは、低圧系統用蓄電池の設置候補地に特化した情報サイト「系統用蓄電池投資ナビ」を公開し、あわせて全国の土地オーナー・不動産会社から土地情報を募集すると発表しました。土地取得を検討する投資家向けに物件検索の窓口を整えるとともに、土地情報の掲載自体は無料で受け付ける設計になっています。
何が発表されたのか
今回公開されたのは、低圧系統用蓄電池の設置に適した土地情報を集約したポータルサイトです。投資家は所在地や電力会社管内、想定投資額、設備容量、最大出力といった条件で全国の候補地を検索・比較できます。同社はこれと同時に、土地オーナーや不動産会社、代理店からの土地情報の募集も開始しました。
本サイトでは、低圧系統用蓄電池事業に適した土地情報を掲載し、投資家が地域から物件を検索・検討できる環境を提供します。また、土地オーナーや不動産会社などから土地情報を募集し、当社の掲載基準を満たした土地は無料で掲載いたします。
掲載基準を満たした土地は審査のうえ無料で掲載される一方、土地の売買・賃貸そのものの代理や媒介は行わず、条件確認や契約は土地所有者と利用希望者の間で直接進める建て付けです。同社は仲介手数料等の報酬を受け取らないと説明しており、あくまで「情報の出会いの場」としての立ち位置を明確にしています。
サイト概要
・掲載条件:所在地/電力会社管内/想定投資額/設備容量/最大出力など
・掲載料:無料(当社の掲載基準を満たし審査を通過した土地が対象)
・同社の立場:土地取引の当事者・仲介者にはならず、情報提供に特化
なぜ土地マッチング専門サイトという新規事業に踏み込んだのか
ティーエスピーはもともと、超軽量・超薄型の太陽光パネルを使った自家消費型太陽光発電や、FIP(フィードインプレミアム)転換+蓄電池、系統用蓄電池(高圧・低圧)などを手がけるエネルギー事業者です。今回のサイト開設は、既存事業の延長線上にある販促施策というより、蓄電池投資という新興市場そのものの「土地探し」というボトルネックに対して、専用のマッチング基盤を自社で持つという意思決定だと読めます。
プレスリリースが挙げる背景は次の3点です。
・蓄電池事業に適した土地が見つからない
・土地情報が分散しており、効率よく探せない
・土地取得後の設備手配や施工まで一貫して相談できる窓口が少ない
AIの普及やデータセンターの増加を背景に電力需要の拡大が見込まれるなか、系統用蓄電池への関心自体は高まっています。しかし投資家側から見れば、条件に合う土地情報がどこにどれだけあるか分からず、見つけたとしても取得後の設計・施工まで任せられる相手を別途探す必要がある、という二重の探索コストが投資のハードルになっていたと考えられます。同社がこの課題を、既存の不動産ポータルに乗るのではなく自社サイトとして構築した背景には、土地情報の「供給側」を無料掲載で厚くし、投資家という「需要側」を自社サイトに集約することで、両者のマッチング精度と件数そのものを事業のコアに据える狙いがあるとみられます。
物件をご契約いただいた後の蓄電池設置工事から運営については、当社グループが調達・設計・施工(EPC)・運営まで一括して対応いたします。品質・安全性・運用体制を統一するため、施工会社をご指定いただくことはできません。
特徴的なのは、土地契約後の調達・設計・施工(EPC)・運営までを自社グループが一括で担う点です。施工会社の指定を認めない設計にしているのも、マッチングだけで終わらせず、土地取得から発電開始までの垂直統合された事業モデルとして完結させる意図があるためと考えられます。土地情報という「入口」を無料で広く集めることで供給を厚くし、その先の施工・運用という「本業」で収益化する構図とも読み取れます。
読者への示唆
新興市場の立ち上げ期には、需要はあっても供給側の情報が分散しているために取引自体が成立しにくい、という状況がしばしば起こります。今回のケースは、その分散した供給側の情報を無料で集める窓口を自社で持つことで、需要側(投資家)を自社の事業領域に呼び込むという設計です。自社の既存事業(EPC)に投資家をつなぎ込む前段として、情報インフラそのものを整備するという順序は、新規市場に参入する際の一つの型として参考になりそうです。ただし、無料掲載を維持しながら審査基準や土地情報の質をどう担保していくかは、今後の運用実績で見えてくる部分でしょう。
※本サイトに掲載する土地情報は、系統用蓄電池の設置候補地に関する情報提供を目的としています。当社は、掲載土地の売買・賃貸の代理または媒介を行うものではありません。土地に関する条件確認、交渉および契約については、土地所有者と利用希望者との間で直接行っていただきます。当社は土地取引に関する契約当事者とはならず、土地取引に関する仲介手数料その他の報酬を受領しません。
■株式会社ティーエスピーについて
名称 :株式会社ティーエスピー
所在地 :広島市南区出汐1-17-25
代表者 :代表取締役 多田多延子
設立 :1996年
事業内容:「次の世代まで続く、電力インフラをつくる」を理念に、超軽量&超薄型太陽光パネルを活用した自家消費型の太陽光発電や、FIP転+蓄電池、系統用蓄電池(高圧・低圧)などを展開。収益シミュレーションから設置計画、施工工事、運用までの一貫したサポートが強み
URL :https://www.tsp-cg.com/
株式会社ティーエスピー・2026年9月8日のプレスリリースより引用