売れるネット広告社グループ株式会社(東証グロース市場:証券コード9235)の連結子会社である売れるネット広告社株式会社は、2026年9月3日、かご落ち・フォーム離脱対策ツール『UreRey(売れリー)』の提供を開始したと発表しました。ECサイトやランディングページでフォーム入力の途中に離脱したユーザーを検知し、再アプローチ可能なリードとして記録するサービスです。

何が発表されたのか

『UreRey(売れリー)』は、対象のECサイトやランディングページに専用タグを設置するだけで導入できるツールです。ユーザーがフォームにメールアドレスまたは電話番号を入力した時点で、適切なオプトイン取得を前提にリードとして記録します。そのため、最終的な送信ボタンを押さずにページを離脱した場合でも、再アプローチ可能な見込み顧客として把握できる仕組みになっています。

購入・申込完了ページにも専用タグを設置することで、コンバージョン済みのユーザーは自動的にアプローチ対象から除外され、まだ購入・申込していないユーザーにフォロー対象を絞り込めます。管理画面では「取得リード数」「未CV数」「CV済み数」「CV率」を確認でき、案件別・URL別の成果集計や、未CVリード・全リードのCSVダウンロードにも対応します。

サービスの仕組み

訪問者ごとに匿名IDを発行し、フォームへの入力情報とコンバージョン状況を紐づけることで、離脱したユーザーと最終的にコンバージョンしたユーザーの状況を可視化します。同社はサービス名の由来を、次のように説明しています。

その名称に込めた意味は、「売れる × Recovery」。つまり、“売れるために、取り戻す”。

なお本サービスの利用にあたっては、設置先のECサイトまたはランディングページにおいて、プライバシーポリシーへの同意等、個人情報を取得・利用するために必要な適切なオプトインその他の法令上必要な対応を行うことが利用条件とされています。

なぜ「離脱ユーザーの再アプローチ」という未着手領域に自社ノウハウを転用したのか

今回の意思決定の起点にあるのは、EC業界に共通する構造的な課題です。ECユーザビリティ研究機関Baymard Instituteが複数の調査結果を集計したデータによれば、オンラインショッピングにおける平均的なカート離脱率は約70%に達するとされています。加えて、経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」によれば、2024年の国内BtoC-EC市場規模は26.1兆円、前年比5.1%増と拡大が続いています。市場が広がるほど、購入寸前で離脱してしまうユーザーの母数も増えていくことになります。

広告業界では従来、顧客獲得のために「もっと広告を出す」「もっとアクセスを集める」という発想が主流でした。しかし新しいアクセスの獲得には、当然ながら新しい広告費が必要になります。同社が今回着目したのは、その逆の発想です。

我々が目指すのは、広告費を増やすことだけに依存するのではなく、「獲得した1アクセスの価値そのものを最大化する」という世界です。

つまり、新規獲得(Acquisition)に偏った投資判断ではなく、すでに広告費をかけて獲得した、フォーム入力まで進んだ“温度感の高い”ユーザーを取りこぼさず収益化するという、Recovery側への資源配分の転換です。広告費が高騰し新規獲得のコストが上がり続ける状況では、獲得済みアクセスの価値をどう最大化するかという論点が、経営判断としての重みを増していると言えます。

この選択を後押ししているのが、同社がこれまで積み重ねてきた実績です。プレスリリースでは次のように説明されています。

我々はこれまで“2,600回以上”のA/Bテストを繰り返し、「どうすればD2C(ネット通販)のネット広告で商品が売れるのか」を徹底的に研究してきました。

同社は、広告クリエイティブやランディングページ、申込フォームの改善を通じてコンバージョン率を高めるノウハウを長年蓄積してきた企業です。今回の新サービスは、その知見を「コンバージョンに至るまで」の最適化から、「コンバージョンしなかった後」まで領域を広げる形で転用した点に特徴があります。既存のクラウドサービス『売れるD2Cつくーる』と組み合わせることで、集客からフォーム入力、離脱後のリカバリーまでを一続きの導線として捉え直す狙いがあるとみられます。

今後の展開

プレスリリースによれば、短期的にはEC・D2C事業者を中心に導入を推進し、中期的には既存サービスとの連携を深めて顧客獲得プロセス全体の最適化を目指すとしています。取得リード数や未CV率、リカバリー施策実施後のCV率といったデータを蓄積・分析しながら、サービスを継続的に高度化していく方針です。

読者への示唆

広告費の高騰が続くなかで新規獲得のコストだけを追い続けることには限界があります。今回の事例は、「すでに獲得したアクセスの価値をどこまで引き上げられるか」という視点が、新規事業の着眼点になり得ることを示しています。自社が長年培ってきたノウハウや資産を、これまで手をつけていなかった隣接領域(今回で言えば「離脱後」)に転用できないか、という問いは、業種を問わず新規事業担当者にとって参考になる視点ではないでしょうか。

■売れるネット広告社グループ株式会社について

名称  :売れるネット広告社グループ株式会社(東証グロース市場:証券コード9235)
所在地 :福岡県福岡市早良区百道浜2-3-8 RKB放送会館4階(本社)
代表者 :代表取締役社長CEO 植木原宗平
設立  :2010年1月20日
事業内容:ネット広告・D2C支援等のSaaS事業
URL  :https://group.ureru.co.jp


売れるネット広告社グループ株式会社・2026年9月3日のプレスリリースより引用