楽天が「楽天市場」とは別に新しいオンラインストアを開設

楽天グループ株式会社は2026年8月25日、ファッションや雑貨などのプチプラアイテムを扱う新しいオンラインストア「楽天ラクヨコ」を開設したと発表しました。取扱商品数は同社が厳選した約6万商品からスタートし、価格帯は数百円からと手に取りやすい設定です。会員登録をしたユーザー全員に500円オフクーポンを配布するキャンペーンも実施しています。

「楽天ラクヨコ」は、若年層の「楽天エコシステム(経済圏)」への新たなエントリーポイントの創出を目指して展開するオンラインストアです。楽天ならではのショッピングの楽しさと、人々の賑わいや出会いを想起させる「横丁」を掛け合わせ、多様な商品が共存する活気あふれる売り場を通じて、新たなお買い物体験を広めていきたいという思いを込めています。

なぜ「楽天市場」に統合せず、独立した新チャネルを選んだのか

今回の発表で注目したいのは、「楽天ラクヨコ」が「楽天市場」とは独立した販売チャネルとして設計されている点です。既存の主力ECモールの中に新カテゴリーを追加するのではなく、あえて別ブランド・別サイトとして立ち上げています。背景には、ターゲットとする若年層のお買い物行動が、従来の「検索して比較する」スタイルとは異なるという判断があると考えられます。

プレスリリースでは、スマートフォンの縦スクロールを中心としたSNS感覚で使える画面設計や、鮮やかな単色とグラデーションを用いたポップな世界観が特長として挙げられています。

特長

(1)トレンド性の高いプチプラアイテムを厳選した、若年層向けの商品ラインアップ

(2)ポップでコミカルな世界観に加えてSNS感覚で商品と出会える、シンプルで操作性に優れたUI/UX

(3)閲覧履歴や購買行動に基づく、パーソナライズされた商品レコメンド

(4)クーポン配布やセールなど、お得なキャンペーンの継続的な展開

既存の楽天市場は「検索して比較して買う」という能動的な購買行動を前提にした設計です。一方で、SNSのタイムラインを眺めるような感覚で偶然の出会いを楽しむ購買スタイルは、既存のUI/UXの延長線上では表現しづらい面があります。楽天が新しいブランド・新しいサイトとして「楽天ラクヨコ」を切り出した背景には、既存資産を活かしつつも、体験設計そのものを一から作り直す必要があるという判断があったと見られます。

新規事業担当者への示唆

既存の主力事業がある企業が新しい顧客層を開拓する際、「既存サービスに機能を追加する」か「別サービスとして切り出す」かは悩ましい判断です。今回の楽天の事例は、ターゲットとする顧客の行動様式が既存事業の設計思想と大きく異なる場合には、無理に統合せず、独立したブランド・体験として立ち上げる選択肢があることを示しています。自社の新規事業やサービス拡張を検討する際、「今のUXの延長で対応できるのか、それとも別物として作るべきなのか」を見極める視点は参考になりそうです。

■楽天グループ株式会社について

会社名:楽天グループ株式会社
代表者:三木谷浩史
所在地:東京都世田谷区玉川一丁目14番1号
設立:1997年2月
URL:https://corp.rakuten.co.jp/


楽天グループ株式会社・2026年8月25日のプレスリリースより引用