育休の「制度」は整っても、「安心」までは埋まらない

HR Tech SaaSを展開する株式会社HRTheory(本社:京都府相楽郡精華町、代表取締役:吉田琴乃)は、育休前準備・育休中・復職準備の3フェーズを一貫して支援するオンボーディングサービス「onBoardly for Parents」を、2026年8月17日から提供開始しました。育休前後の心理的な不安を軽減し、育休中も必要な情報やコミュニケーションに継続的にアクセスできる環境を整えることで、安心して育休を過ごしながら、復職後のスムーズな立ち上がりと早期活躍を後押しするサービスです。

背景にあるのは、育休取得率そのものの伸びと、その先にある「復職不安」という別の課題です。同社によれば、女性の育休取得率は86.6%、男性は40.5%と、いずれも過去最高水準に達しています。男性の長期育休取得の広がりや、女性が第一子・第二子の出産で通算2〜3年、長い場合は4年前後にわたって職場を離れるケースも珍しくなくなっているといいます。

企業では育休制度の整備が進んでる一方で、復職に向けた心理的な支援は十分とは言えません。内閣府の調査では、「社会から孤立している感じがしたため、仕事ができるのか不安であった(男性)」という回答も見られるなど、多くの育休所得者が復職への不安を抱えている実態が明らかになっています。

なぜ「制度」ではなく「心理的サポートツール」に投資するという判断だったのか

育休の取得しやすさを高める制度整備は、法改正や社内規程の見直しという形で、多くの企業がすでに一定の水準まで進めてきた領域です。しかし今回の発表が示すのは、制度が整った先に残る課題は「取得できるかどうか」ではなく「休業中から復職後まで、安心してつながりを保てるかどうか」だという認識です。長期のブランクは、当人の能力や意欲とは関係なく、単純に「情報が届かない」「連絡先が私用のLINEしかない」といった運用上の空白から孤立感を生みます。この空白は制度を作るだけでは埋まらず、日々の情報伝達とコミュニケーションの仕組みという、より運用に近いレイヤーへの投資でしか解消できません。

HRTheoryが「onBoardly for Parents」を、育休前・育休中・復職準備という3フェーズに分けて設計した点も、この判断と整合的です。単発のフォロー面談やハンドブック配布ではなく、休業期間全体を通じて途切れないタッチポイントを用意することで、孤立感の発生そのものを構造的に抑えようとしています。人材不足が深刻化するなかで、せっかく確保した人材が復職後に不安を抱えたまま能力を発揮できない状態は、企業にとって機会損失に直結します。心理的サポートへの投資は、福利厚生の上乗せではなく、人材活用上の合理的な選択として位置づけられていると読めます。

主要機能(一例)

休業・復職ドキュメント
休職の手続きから、復職に向けたキャッチアップ資料まで、必要な情報を一か所に集約。休業中でも自分のペースでいつでも確認できます。

AIに聞ける社内Q&A
「育休手当の申請って、いつまで?」といった疑問にも、AIが社内ドキュメントをもとに即回答。人に聞きづらいことも、24時間・気兼ねなく解決できます。

ママ・パパコミュニティ
育児の悩みも、復職への不安も、社内のママ・パパ同士でトピックを立てて相談し合えます。制度では埋められない横のつながりが、安心感を生む設計です。

読者への示唆

今回の取り組みは、育休に限らず、病気やけがの療養、海外帯同、介護など、一時的に職場を離れるさまざまな場面に応用できる考え方を含んでいます。新規事業やHR施策を検討する立場からは、「制度をどう整えるか」という発想に加えて、「休業期間中、当人と組織のつながりをどう運用として維持するか」という視点を持てるかどうかが、離職防止や早期戦力化の分かれ目になり得る点が示唆として読み取れます。

代表取締役の吉田琴乃氏は、次のようにコメントしています。

「『onBoardly for Parents』は育児休業を起点に開発したサービスですが、休業からの復職を支える仕組みそのものは、育休に限らず、病気やけがの療養、海外帯同、家族の介護など、さまざまな事情で一時的に職場を離れるすべての方に活かせるものだと捉えています。今後はこの仕組みを、育休以外の幅広い休職の場面にも広げていき、会社と従業員のつながり維持するとともに、従業員にとっての“休業体験”を形づくり、スムーズな復職支援を広げてまいります。」

■株式会社HRTheoryについて

会社名:株式会社HRTheory
所在地:京都府相楽郡精華町光台1-7 けいはんなプラザ ラボ棟
代表者:代表取締役 吉田琴乃
事業内容:HR Tech SaaSの開発・提供、HRコンサルティング
URL:https://hrtheory.co.jp/


株式会社HRTheory・2026年8月17日のプレスリリースより引用