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何が発表されたか
デジタルグリッド株式会社は、系統用蓄電所の売り手と買い手をつなぐマッチングサービスを、2026年9月より開始すると発表しました。対象は、系統への接続を検討している開発中の案件から、すでに運転を開始している高圧の系統用蓄電所まで幅広く、価格・地域・設備構成・使用年数といった情報を統一フォーマットで開示します。利用料金は登録無料で、成約時に手数料が発生する仕組みです。
同社は電力・環境価値取引プラットフォーム「DGP」の運営や、分散型電源のアグリゲーションサービスをすでに手がけており、今回のマッチングサービスは、その延長線上に位置づけられる新しい取引の場づくりといえます。
本サービスの特徴
① 蓄電所特有の評価項目を情報開示
ハザードマップに基づく災害リスクや隣家からの距離といった立地条件、アグリゲーター契約の有無など、蓄電所の事業性評価に不可欠な情報を統一フォーマットで開示します。
② 開発段階から運転開始済み蓄電所まで幅広く取扱い
開発フェーズの異なる案件を取り扱うことで、買い手のリスク許容度や投資戦略に応じた案件選定が可能です。
③ 売り手・買い手の負担を削減
従来は個別に行っていた案件探しや情報収集、条件交渉をオンラインで行えるようにすることで、売買にかかる手間や時間を減らします。
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なぜその選択をしたのか
背景にあるのは、系統用蓄電池の設置が全国で急増する一方、新規開発が年々難しくなっているという事情です。送電線の空き容量が少なくなっていることや、接続工事にかかる費用が上昇していることから、これから高圧蓄電所を新設しようとする事業者にとっては、以前よりハードルが高くなっています。
その結果、資金確保や事業方針の変更などを理由に、開発途中や稼働中の蓄電所を手放したいという事業者が増えている一方で、買い手を探す手段が限られているというミスマッチが生じています。投資家側にも蓄電所への関心は高まっているものの、案件同士を比較検討できる材料が整理されていないという課題がありました。
太陽光発電所では、開発中や運転中の発電所を売買する市場が確立されている一方で、蓄電所はその仕組みが十分に整っておらず、売り手・買い手が必要な情報を比較しながら検討できる環境が限られています。当社は、蓄電所の状況に応じて必要な情報を分かりやすく整理・開示し、透明性の高い取引環境を提供することで、蓄電所市場の発展に貢献してまいります。
つまり同社は、蓄電所を「新しく作る」ことが難しくなっている局面で、すでにある蓄電所や開発中の案件を「流通させる」仕組みを整えるという選択をしたことになります。太陽光発電の分野で先行して確立された売買市場の構造を、後発の蓄電池分野に持ち込む形とも言えそうです。
読者への示唆
新規事業を検討する際、「市場をどう広げるか」だけでなく、「規制やインフラの制約でこれ以上新規開発が伸びにくくなった市場に、流通・取引の仕組みを提供することで新たな価値を生み出せないか」という視点は、他の設備投資型ビジネスにも応用できる考え方です。特に、対象資産の評価基準が業界内で定まっていない段階では、情報開示のフォーマットを先んじて整えること自体が事業機会になり得る、という点は参考になりそうです。
■デジタルグリッド株式会社について
会社名:デジタルグリッド株式会社(http://www.digitalgrid.com/)
代表者:代表取締役社長CEO 豊田祐介(東証グロース市場350A)
設立:2017年10月
資本金:1,221百万円(4月末時点)
従業員数:105名(8月1日現在)
所在地:東京都港区赤坂1-7-1 赤坂榎坂ビル3階
事業内容:電力及び環境価値取引プラットフォーム「DGP」運営、分散型電源アグリゲーションサービスの提供
デジタルグリッド株式会社・2026年8月7日のプレスリリースより引用