生成AI時代に「実力が見えない」という課題への対応
デジタル人材の採用・育成・定着支援およびスキルインテリジェンスプラットフォーム「Track(トラック)」を展開する株式会社ギブリー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:井手 高志)は、2026年8月6日、新卒採用向けの適性検査「Track Talent Assessment(トラック・タレント アセスメント)」の提供を開始しました。性格検査や基礎能力試験に加え、AI活用スキルまでを一つのプラットフォームで評価できる点が特徴です。
新卒採用の選考で広く使われてきたエントリーシートや適性検査は、これまで候補者の実力を測る重要な材料とされてきました。しかし、生成AIの普及によってその前提が揺らいでいるといいます。同社が実施した調査では、エントリーシート作成にあたり80.7%の学生が生成AIを活用していると回答しており、対象はITエンジニア志望者ですが、こうした傾向は新卒採用全体でも広がっていると同社は捉えています。
また、就職活動経験者591名を対象とした民間調査では、45.5%がWeb適性検査でのカンニング経験があると回答し、生成AIによる回答作成も不正手段の一つに挙げられています。
こうした不正の広がりを受け、高い信頼性が求められる試験の現場では、監視機能付きWebテストへの移行や対面・口頭試問への回帰が進んでいるといいます。加えて、同社が人事担当者を対象に行った調査では、約7割の企業が「生成AIの台頭により、社員に求められるスキル要件が変化している」と回答した一方、その変化に対応できていると感じる企業は3割にとどまったとのことです。
なぜ「既存検査の改良」ではなく新サービスだったのか
今回の発表を意思決定の観点で見ると、注目したいのは「既存の適性検査サービスに不正検知機能を追加する」といった改良路線ではなく、性格検査・基礎能力・AIスキル評価を一つのプラットフォームに統合した新サービスとして立ち上げた点です。同社が捉えていた課題は一つではなく、「不正によって実力が正しく測れているか分からない」という信頼性の課題と、「変化するスキル要件をどう評価に組み込むか分からない」という評価基準の課題の、2つが同時に存在していました。
不正検知の機能だけを既存サービスに追加しても、AI時代に求められる新しいスキル要件を評価する仕組みは別に用意する必要があり、結局は複数サービスを併用する運用に戻ってしまいます。逆に評価項目だけを増やしても、不正の影響を受けた回答をそのまま評価に使ってしまうリスクは残ります。同社は、この2つの課題が独立ではなく相互に関係している問題だと捉え、単発の機能追加ではなく、ワンプラットフォームでの評価という設計を選んだとみられます。
採用要件に応じて、必要な能力を幅広く評価
基礎能力試験(言語・非言語)、性格検査、IT/AI活用スキル、論理的思考、ケース問題、コーディング・実装など、1,000問以上のプリセット問題が用意されています。企業は職種や採用要件に応じて問題を選択できるほか、独自問題の作成も可能とのことです。
Webカメラと行動ログで不正リスクを検知・抑止
試験中のWebカメラ映像やタブ切り替えなどの行動ログを記録し、不正が疑われる挙動を検知する機能です。受験時の状況を可視化することで不正を抑止し、企業が評価結果の信頼性を判断できるようにするといいます。
AIによる追加質問で、回答理由や思考過程を確認
Webテストでの論述回答をもとに、AIが候補者ごとに追加質問を行う「AI口頭試問」を実施します。回答の結論だけでなく、その理由や前提、検討した選択肢などを追加で確認することで、スコアだけでは把握しにくい理解度や思考過程を評価するための情報を提供するとのことです。
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評価結果を候補者単位の統合レポートに集約
それぞれの結果は候補者単位の統合レポートとして出力されます。評価結果だけでなく、その根拠や面接で追加確認すべき内容もまとめて確認できるとのことです。
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読者への示唆
生成AIの普及は、採用選考の「評価をどう機能させるか」という前提そのものに影響を及ぼしています。不正リスクへの対応とスキル要件の見直しは、別々の課題として対処されがちですが、両者が同じ根から生じている場合、機能を後付けするより、評価の設計そのものを見直す方が合理的な場面があります。自社の選考プロセスにも、こうした「個別対応の積み重ね」で複雑化している部分がないか、点検してみる価値がありそうです。
■株式会社ギブリーについて
社名:株式会社ギブリー
所在地:東京都渋谷区南平台町15-13 帝都渋谷ビル8階
代表者:代表取締役社長 井手 高志
設立:2009年4月28日
事業内容:コンサルティング/システム開発事業、AX(AIトランスフォーメーション)事業、マーケティングDX事業、人的資本インテリジェンス事業、サイバーセキュリティ事業
公式サイトURL:https://givery.co.jp/
株式会社ギブリー・2026年8月6日のプレスリリースより引用