時給1,500円未満は、掲載しません。高時給案件だけを集めたスキマワークサービス「ラクチー」が全国で提供開始

  • 2026/8/3
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スキマワークサービス「ラクチー」イメージ画像

株式会社HIKARIは、時給1,500円以上の案件のみを掲載するスキマワークサービス「ラクチー」(URL:https://rakuchii.com)を、2026年8月1日より全国で提供開始したと発表しました。

スキマバイトは定着した。それでも解決していない「探す時間」の問題

スキマバイト(単発・短時間の求人にその場で応募して働く仕組み)は、この数年で急速に働き方の一つとして定着しました。パーソル総合研究所が2025年1月に発表した調査では、スキマバイトの推計人口は452万人、潜在人口はその約3倍にあたる1,431万人にのぼるとされています。財務省が「経済トレンド」でスポットワーク市場の動向を取り上げるなど、労働市場のインフラとして扱われる存在になりつつあります。

一方で、実際に使っている利用者からは、条件の合わない求人を延々とスワイプし続けている、絞り込み条件を毎回設定し直すのが面倒で結局そのまま眺めてしまう、「時給が高い」と思って開いたら拘束時間が長く実質の時給は下がっていた、といった声が聞かれるといいます。働くために使う時間よりも、働く先を探すために使う時間のほうが長くなってしまっている状態です。スキマ時間を有効に使うためのサービスが、そのスキマ時間そのものを消費してしまっているという逆説が、この市場が抱える課題として浮かび上がります。

さらに、空いた1時間をどう使うかを決める際にもっとも重要な情報は時給ですが、多くの既存サービスでは低単価の案件と高単価の案件が同じ画面に混在して並んでいます。利用者が案件を比較検討するたびに、自分の時間の値段を自分で守らなければならない構造になっているというわけです。

「機能を増やす」のではなく「掲載基準を上げる」という選択

この課題に対して、既存の多くのサービスは絞り込み機能や検索条件を増やすことで応えてきました。ラクチーが取ったアプローチは、その逆です。基準を満たさない求人を、最初から掲載しないという方針です。

ラクチーに掲載されるのは、時給1,500円以上の案件のみに限定されています。利用者側でフィルタをかける必要がなく、アプリを開いた瞬間に表示されているすべての案件が、あらかじめ条件を満たしている状態になります。地域による時給水準の差はあるものの、ラクチーの下限は全国一律で1,500円に統一されているとのことです。

このサービス名に込めた意味について、プレスリリースでは次のように説明されています。

「探して、比べて、除外する」という工程を、サービス側が引き受ける。それがラクチーという名前に込めた意味です。

利用者が担っていた「探す・比べる・除外する」という作業そのものを、掲載基準というかたちでサービス側があらかじめ肩代わりする、という設計思想が読み取れます。機能の追加によってユーザー体験を改善するのではなく、掲載できる求人の母集団自体を絞り込むことで同じ課題を解決しようとしている点が、このサービスの特徴といえそうです。

1. 掲載されている全案件が時給1,500円以上

一部の案件だけが基準を満たすのではなく、掲載されているすべての案件が対象です。絞り込み操作をしなくても、目に入るものがすべて候補になる設計です。

2. 審査を通過した案件だけを掲載

単価だけでなく、労働時間・休憩・交通費・業務内容の明示までを、掲載前に確認しているといいます。時給は高いものの実態の記載がないような案件を除外することで、表示されている時給と実際に受け取る金額との乖離を小さくする狙いがあるとしています。

3. 面接なし。応募したその日から働ける

履歴書の準備や面接の日程調整を必要とせず、空いた時間が見つかったその日から働き始められる仕組みになっています。

4. 即日払いに対応

働いた分の報酬を早期に受け取れる仕組みも用意されています。対応条件や上限、手数料の有無については、今回のプレスリリースの範囲では詳細が明記されていません。

掲載基準そのものが、サービスの中核設計になっている

ラクチーの掲載基準は、時給1,500円以上であることに加えて、実労働時間と休憩時間が明示されていること、交通費・手当支給の有無と金額が明記されていること、当日の作業内容が具体的に記載されていること、持ち物・服装など必要なものが事前に明示されていることの、あわせて5点で構成されています。いずれか一つでも満たさない求人は掲載されず、掲載後に基準を下回ったことが判明した場合も取り下げるとしています。

求人を掲載する企業側にとっても、この基準は意味を持ちます。時給1,500円以上という条件を満たす企業だけが並ぶ場所になるため、低単価の求人と同じ画面で比較される機会がなくなり、待遇面で選ばれる採用がしやすくなるという説明です。

この設計思想の背景にある考え方について、プレスリリースでは次のように述べられています。

スキマワークは、余った時間を埋めるためのものではありません。限られた時間を、いちばん割のいい形で使うための手段であるべきだと考えています。

読者への示唆

ラクチーの今回の発表で興味深いのは、差別化の手段として新しい機能を積み増すのではなく、「何を掲載しないか」という基準そのものを製品の中核に据えた点です。求人プラットフォームに限らず、情報や在庫の「量」で勝負しがちな仲介型サービスにおいて、掲載可否の基準を絞ることで利用者の意思決定コストを下げるというアプローチは、他業種のマッチング・プラットフォームを設計する担当者にとっても参考になる論点だと考えられます。掲載基準を上げることは母集団(掲載件数や参加企業数)を犠牲にする判断でもあり、その基準が実際に利用者・出稿企業双方にとって機能するかどうかは、今後の運用実績を見ていく必要がありそうです。

■株式会社HIKARIについて

名称  :株式会社HIKARI
所在地 :東京都世田谷区太子堂2丁目19-4ミズキビル1F
代表者 :代表取締役 田中智徳
設立  :令和7年12月3日(2025年12月3日)
事業内容:スキマワークサービス「ラクチー」の運営
URL  :https://rakuchii.com


株式会社HIKARI・2026年8月2日のプレスリリースより引用

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